2015年02月27日
H26年度長崎県U-18地域リーグ順位決定リーグの話。
長崎県のU-18年代は全て県リーグで戦っており、日本の頂点を極めるには、
県リーグ→九州プリンスリーグ→プレミアリーグ西→チャンピオンシップと数年がかりで勝ち抜かねばならない。
ワンピース風に言うならば。イーストブルー→グランドライン→新世界→ラフテルみたいなものだ。
しかも気が遠くなることに、県リーグは県1部、県2部、県地域リーグA~Dと別れている。
BLEACHで言うならば、護廷十三隊隊長(県一部)、副隊長(県二部)、一般隊士(地域A~D)みたいなものだ。
H26年度にV・VAREN長崎U-18は
長崎総科大附3rd、瓊浦2nd、大村高、佐世保工、諫早高、長崎南、大崎高、猶興館
が属している県地域リーグのBを見事に突破して
県2部入りをかけて他のA、C、D組代表との順位決定戦へ挑んだ。
他組の代表はAが創成館、Cが大村工業、Dが島原工業。
この中で最大の強敵となるとやはり新人戦ベスト4の創成館。
何しろ県リーグの制度上、まだこのカテゴリではあるが、
明らかに県1部クラスの実力を持つチームだ。このカテゴリでは10-0とか15-0のスコアを連発している。
「初心者向け アニメを語る会」とかに講師を頼まれて行ったら
宮崎駿さんとかウォルト ディズニーが生徒だったみたいなものである。半端ないのだ。
そして1月31日から行われた順位決定リーグは2試合を終えた時点で
1位:創成館(○大工、○VVN)
2位:V・VN(○島工、×創成館)
3位:大工(×創成館、○島工)
4位:島工(×VVN、×大工)
2月7日に行われた事実上の首位決戦、創成館―VVNに2-0で勝った創成館がすでに昇格を決定。
そして最終戦のカードがVVN-大村工業、創成館―島工。
VVN-大村工業は、VVN U-18は主力が怪我や修学旅行で不在ながらもやはり力差が大きい。
ほぼハーフコートゲームで試合は展開。
トップチームと同じ3-4-2-1の布陣でやはりかなり攻撃的。
だが、早い時間帯に先制点を挙げたが、全体的にミスが多く中々追加点が奪えない。
すると後半にメンバーを多く入れ替えたこともあって、ミスから失点し1-1。
この後、やや大村工業に攻め込まれる展開が続くが、突破から得点を重ね4-1に。
その後1点を返されたが終盤に追加点を決めて5-2。
ややガチャガチャした試合だったが順当に勝利して来年度からの県2部入りを決めた。
創成館はメンバーをやや落としながらも島工に7-0で大勝し全勝で昇格に花を添えた。
ただ、久留監督が言う通り、創成館はもっと高いレベルを目指す域に達しており、
目指すのは当然県2部リーグを1年で駆け抜けることと、高総体、選手権だ。
2011年に11人の選手どころかサッカー経験者を探すことも大変だった頃から
僅か4年でここまでもってきた久留監督の5年目に期待したい。
ただ、これからは完全に「追う創成館」ではなく「追われる創成館」になる。大変だとも思う。
今回2位となったV・VAREN U-18も当然狙うのは「県2部」の1年突破だ。
「やっぱり最大の相手は創成館になるでしょうね」と原田監督もリベンジを狙っている。
かつて一緒にV・VAREN長崎のユニフォームを着て戦った2人が
指導者としてしのぎを削るのは本当に見ていて楽しい。
ちなみに、この日のU-18のベンチには久留と長くCBでコンビだった加藤寿一がいた。
これもまたたのしい!
同じ日、九州クラブユースU-17で同グループのギラヴァンツが敗れ
V・VARENは1位でグループリーグ突破が決定した。
1週間前の鳥栖U-17との試合で勝ったのがやはり大きかった。
そして現在一位リーグでアミーゴスを破り3月の試合でアビスパに変えては九州制覇だ。
そして2月にはやはりV・VARENのOBである
堀川純一、小嶺栄二率いる国見が久々に九州新人戦で活躍し準優勝した。
みんなまだまだ頑張ってるなと思う。
2014年12月26日
第93回高校サッカー選手権をザっと見てみる
ゲレンデが溶ける恋どころか野郎と来ているのに滑っているとBGMに広瀬香美が流れるスキー場など、
勝手に脳内されるBGMというのがあるものだが、
放っておいても頭の中で「ふ~り~むくなよ~♪うつむくなよ~♪」が繰り返される季節だ。
そう、第93回全国高校サッカー選手権大会がもうすぐだ。
長崎県代表は長崎総科大附。三年連続三度目の出場。ザッと今年の成績を振り返ると、
県新人戦優勝、九州新人戦準優勝、県高総体ベスト4、選手権県予選優勝、県1部リーグ優勝。
先頃行われた九州プリンスリーグ参入戦はあと一歩で昇格ならなかったが、
間違いなく長崎県最強のU-18チームと言える成績だろう。
前回大会では優勝した富山第一に初戦で当たり打ち合いの末に敗れたが今大会に期待がかかる。
初戦の相手は愛知県代表の中京大中京。
監督を務めるのはあの名古屋グランパスで活躍した岡山哲也氏だ。
就任4年目の浅野監督が集めた子達は技術のある上手い子が多く、つなぐサッカーを志向している。
起点である左サイドのエース富田君をどう止めるか・・が大きな鍵になるだろう。
長崎総科大附の左SB出道君がズルズル下がると攻撃力の高い中京大中京に押し切られてしまう。
下がらずに相手の裏を突いて攻めていきたい所。
2回戦の相手は埼玉代表「昌平」と鳥取代表「米子北」の勝者。
昌平は埼玉の新鋭高で、米子北は鳥取県最強チーム。
昌平には野村君、米子北には定本君と両校共、FWにエースを擁しており打ち合いが予想される。
個人的には米子北が振り切りそうだが、
その場合は、やや守備に脆さを抱える長崎総科大附は打ち合い覚悟で行くか、
守備を分厚くするか選択を迫られるのではないだろうか?
2回戦を突破して3回戦で待ち受けるのは鹿児島代表「鹿児島城西」と石川県代表「星陵」の勝者。
鹿児島城西にはジュビロ磐田に内定が決まっている大会屈指のストライカー岩元君、
高さがあり対人に強い上夷君がおり攻守で安定している。
一方、昨年準優勝の星陵にはU-16日本代表の2年生エースMF阿部君をはじめとにかく層が厚い。
確実に優勝候補の一角だ。どちらがこようと難敵中の難敵となるだろう。
っと簡単にベスト8までの道を見てみたが、やはり容易い事ではない。
大会が進めば九州最強の名を欲しいままにする東福岡、高体連最強と言われる流経大柏が待っている。
長崎総科大附にとっては守備の脆さ、FW安藤君が単独での勝負にこだわり過ぎて、
周囲を使いきれなかった時の攻撃の停滞面を大会中にどれだけ改善出来るかが鍵になると思う。
また、昨年からの悪癖である集中が切れた瞬間に不用意な失点を喫する事が出ないように注意もしたい。
ここ数年の選手権は全国の力が拮抗しておりどこが勝っても不思議ではないだけに、
長崎総科大附の活躍を心の底より祈りたい。
ちなみにV・VAREN長崎の選手出身校では、
群馬県代表「前橋育英」(代田敦資)
山梨県代表「山梨学園」(碓井鉄平)
宮崎県代表「日章学園」(黒木聖仁)
が出場するので注目してはどうだろうか?
中でも碓井君は2009年の同大会の決勝戦で決勝ゴールをあげて
山梨学園の選手権初出場初優勝を達成している。
代田君は選手権よりインターハイの方が手応えがあったそうだ。
そして、黒木君が出場した時の選手権のパンフレットで一番大きく取り上げられて
世代屈指の逸材と紹介されているのが下田光平君。
今年、選手権で見た選手が数年後、長崎にいることだって充分にありえる。
2014年12月12日
2014PL九州 県代表決定戦~長崎総科大附属vs.長崎日大
Twitterで指摘されて思い出したが、JFAはプリンスリーグの2部廃止方針を打ち出しており、
今後、プリンスリーグは1部のみ10チームで開催される。
その為に今年はプリンスリーグ2部チームやら県代表など入り乱れて、
僅かな枠を賭けてプレーオフを戦う事になる。
この日の試合はその長崎県代表決定戦なのだ。

カードはプリンスリーグ2部6位の長崎日大と県1部リーグ優勝の長崎総科大附。
日大は今季、新人戦8強、高総体県準優勝、選手権予選4強と
2011年の選手権県予選優勝以来、タイトルから遠ざかっているが、プリンスリーグでは近年最高順位。
長崎総科大附は高総体県予選こそ4強ながら新人戦、選手権県予選を優勝。2011年以来4度目の挑戦。
エース安藤君が欠場で、これまで安藤君抜きでは苦しい展開が多かった点が気にかかる。
試合は立ち上がりから互いに一気に得点を狙い相手のDF裏を狙う展開。
日大はボランチの藤川君、馬場君が上手くポジションを取りながらボールを奪い、
田原・小出・山田・中村君に展開して攻める形。
この前線の選手が位置を変えながら攻める形は昔から日大ではよく見る形だ。
長崎総科大附は引き気味の1ボランチ知念君が日大のトップ下である中村君をしっかりマーク。
必然的にサイドの攻防になるのだけど、
長崎総科大附の森崎君ら3トップのワイドが徹底して前に仕掛けてくるので日大のSBが上がり切れず、
またプレスが弱く、球際でも押し負けて長崎総科大附のペースへ。
それでも先制は日大。速攻でサイドを突破して中に折り返した所を田原君がゴール。
しかし、5分後には長崎総科大附がCKからの跳ね返りを再びクロスし高倉君がヘディングを決め同点。
この後も長崎総科大附ペースながら、35分頃からはパスをつなぐ日大らしいスタイルも見られ前半を終了。
日大は後半から積極的に選手を交代。
また、知念君のマークを避けてサイド勝負を狙い1トップの位置にいた田原君を右サイドへ。
一方の長崎総科大附は高さのない日大の両SBを突くようにフィード。サイドの攻め合いが続く展開となる。
しかし、運動量で上回る長崎総科大附は徐々に押し込み、68分に、中島君が左サイドを突破し、
早いボールを入れた所に途中出場の國場君がしっかり決めて逆転。
この後、日大も果敢に攻めたが、最後は時間をゆっくり使うしたたかさを見せ、長崎総科大附が勝利した。
非常に見応えのあるゲームだったと思う。
長崎総科大附は選手権予選時の課題であったクロスやシュート精度の改善に進歩が見られたし、
エースの安藤君抜きで日大相手に勝利した事は大きい。
逆転弾となった中島君の早いパスに國場君が飛び込んで合わせる形もとても良かった。
懸念を挙げるとすれば知念君が一人で抑えきれないような相手が来た時にどうするか・・という点あたりか。
一方の日大は敗れたとは言え、センスと技術の伴った選手が多い好チームだ。
それだけに受けに回って、長崎総科大附に合わせてしまった展開があったことは惜しいし、
球際の厳しさやハードワークという部分での泥臭さがもう少し欲しかった。
このあたりを身につければ来年は非常に楽しみなチームだろう。
さて、県代表となった長崎総科大附だが、今週の土曜に参入戦1回戦である宮崎日大戦が行われる。
それに勝利すると20日に佐賀県で東海大五と対戦。
更にその先の参入戦3回戦に勝利してようやくプリンスリーグとなる。
長崎県勢として是非とも頑張ってほしいものだ。

*写真は一眼で撮ったのはサイズデカイので掲載しません。
2014年11月19日
第92回全国高校サッカー選手権長崎県大会決勝戦のこと
ちゃんと今回は”決勝戦”が入っている。カン違いしないで貰えるとありがたい。
さて、長崎総科大附と海星の決勝戦。
方や新人戦九州大会準優勝。方やインターハイ全国ベスト8。
ちなみに新人戦県大会の決勝も同カードで、この時は長崎総科大附が勝利している。
長崎総科大附には2年時から主軸を務める安藤翼、
海星高校には昨年の国体や今年のインターハイで活躍した平野皓巴という確固たるエースがおり、
同時にこの試合では海星が永峯慎也、長崎総科大附は井原虎之介と、
それぞれ1年生を中盤に配している点も興味深い。
海星は4-2-3-1。長崎総科大附は選手権から採用している4-1-4-1。
しかし、大会中に負傷した海星の平野はベンチスタート。
長崎総科大附は素早いプレスで球際厳しく迫り、安藤、高倉らがゴールを狙うが
シュート精度が今一つなことと海星の集中した守備に中々ゴールを割れない。
海星は永峯が長崎総科大附の知念を振り切れず苦戦。
左ワイドの森岡君が何度か鋭いボールを入れるが単発で崩せず。
この左ワイドの森岡ーFW平野のラインが海星最大の武器なのだが・・。
海星の濱口監督は0-0で前半を終えて後半勝負を考えていたようだが、
40分に安藤がゴール前の密集地帯を1タッチで抜けて左足一閃で先制!
海星は後半開始時に平野を投入し試合は膠着戦へ。
長崎総科大附は前への圧力が疲労などで弱まると、
選手を投入し再び圧力を強めるというシンプルながら早めの仕掛けで逃げ切りを狙う。
だが、70分、2列目から左ワイドへ展開し森岡がクロスを入れて11番森田がゴール。
海星本来の攻めの形で同点に追いつく。この後は互いに勝ち越しを狙うが
共に決定機を決めきれずに延長戦へ。
どちらに転んでもおかしくないゲームは、
最後に長崎総科大附がFKから11番の森崎が決勝ゴールを決めて決着。
海星からすれば、
「平野が怪我でなければ」「前半を0-0で終えていれば」「終盤の決定機を決めていれば」
というどれかあと一歩あれば・・という試合で悔しさがあるだろう。
長崎総科大附からすれば、クロス、シュート精度さえ改善出来ていれば、
盤石の勝ちが出来たという想いがあるだろう。
ただ、ここ数年で最も面白い決勝戦であったのは確かだ。
見ていて昔の国見ー海星を思い出した。
かつて国見が平山相太を擁して圧倒的な力で全国制覇を成し遂げた時、
1番国見にとって嫌な相手が実は・・県予選であたる海星高校だった。
やはり県内のレベルが上がってこそ全国は見えてくる。とても嬉しい試合だった。
ここで高かった彼らがこれからも素晴らしいサッカー人生を送ってほしいし、
いつか高みに立って戦う彼らを見たい。
まずは長崎王者である長崎総合科学大学附属高校の選手権本大会だ!
2014年11月18日
第92回全国高校サッカー選手権長崎県大会のこと
まずは、県大会全体の流れから・・。
ここ数年の長崎県は県内トップレベルの子たちが次々と県外のJや有力校に流出しており、
地盤低下が懸念されていたのだが、長崎国体の強化世代にあたるため、
現在の県内高校サッカーのレベルは非常に高い。
新人戦覇者の長崎総科大附は九州新人大会で準優勝しており、
高総体覇者の海星高校はインターハイでベスト8。久々に全国レベルの話題が多かった。
その中での選手権予選・・大会前は
長崎総科大附と海星高校を軸に、プリンス2部に所属し国体の主力勢を多数擁する長崎日大、
名門の島商、諫商、国見、攻撃力の南山、
そして県地域リーグ所属ながら実力的には県内10指に入る新鋭の創成館が続くという図式。
そして、実際にベスト8に進んだのは、
長崎総科大附、海星、日大、鎮西、島商、南山、諫商、国見で、決勝進出は長崎総科大附と海星。
長崎総科大附は、3回戦で新鋭の強豪である創成館と激突し2-1で振り切って勝利。
創成館は2年生エースの城臺君が最終学年となる来年がとても楽しみだ。来年の注目だろう。
その創成館を破った長崎総科大附は続けて国見高校と対戦。
国見高校の堀川監督、小嶺栄二コーチはV・VAREN長崎OBであり、
長崎総科大附の小嶺総監督の教え子だ。
試合は長崎総科大附が先制して、国見が追いつき、
延長戦で更に長崎総科大附がリードするも国見が更に追いつくという展開の末、
PK戦で長崎総科学附が勝利。
国見は堀川-小嶺栄二コンビの許で丁寧なスタイルを身につけており今後に期待が持てる。
準決勝の長崎総科大附-日大は4-0と予想外の長崎総科大附が大勝。
個人的に日大が優勝するのではと踏んでいたのだが、
2点目を奪われた時にガクッときて崩れてしまったらしい。
若いチームである事が裏目に出たようだ。
ただ、県内の関係者が口を揃えて「来年の日大は強い!」と言う選手が
1~2年生に揃っている。来年が本番か?
一方の海星は3回戦で大村工業を5-0と圧勝。続く名門島商との対戦でも3-0。
準決勝でも鎮西を1-0で破って無失点で決勝戦に進出。
こちらのブロックで注目だったのは鎮西で、
今年は新人戦を初戦敗退、高総体でも2回戦敗退だったのだが今大会では準々決勝で南山を破る健闘。
鎮西の山口先生も「このメンバーで頑張ってるでしょ」と笑っていたが、
戦力的には長崎総科大附、日大、海星に落ちるものの、
ベンチワークの修正力が高く選手を上手く活かしているチームだ。
松尾亮汰君など力のある選手がまだ1年生で、こちらも来年以降が勝負時だろう。
そうして迎えた決勝戦。
これがまた久々に見応えのある良いゲームになった・・ところで続きは明日。

2014年10月07日
冬の選手権長崎県予選2回戦とJユースカップ
「第93回全国高等学校サッカー選手権大会 長崎県大会」の2回戦を観にいく。
カードは「創成館vs.佐世保商業」。
2011年から強化が進んできた創成館は、
今年高総体県予選で初となるベスト16入りしており、
選手権長崎県予選地区大会でも
島原翔南に23-0、小浜に27-0、口之津海上に30-0と圧勝。
練習試合でも県内強豪校と互角の戦いを繰り広げており、
県内で過去のチーム成績と現在の実力差が最も大きいチームで、
個人的には県内トップ10は間違いない学校だと思っている。
対戦相手の佐世保商業は高総体県大会を2回戦で敗退しており、
選手権県大会地区予選の2位リーグも2位通過。
今大会の登録メンバーも14名と客観的に見て力差はかなり大きい。
実際、試合は創成館が攻めまくる一方的なものとなった。
佐世保商業はそれでも一発を狙い
181cmの長身DF アドキンズ・トレヴァン・那帆夢 君を最前線に置くが、
そこまでボールが回ることも少ない。
強風であったことも影響して得点を重ねた創成館が9-0で圧勝した。
創成館は次戦で優勝候補の一角である長崎総科大附と対戦。3回戦最大の目玉カードだ。
高校サッカーファンは時間があれば、観戦に行って損はないと思う。
創成館-佐世保商業を観戦した後は、戸石のV・ファーレン十八銀行フィールドへ移動。
2014 Jユースカップ V・VAREN長崎U-18vs.ロアッソ熊本ユースを取材。
Jユースカップはこの年代の大会中、非常に権威のある大会だ。
何よりJリーグのアカデミーチームしか参加出来ない・・
つまりJクラブのある街だけが参加出来る大会。
それを自前のグランドで開催出来ることが本当に嬉しい。
対戦相手のロアッソ熊本ユースにはクラブユーズ大会で勝っており期待がかかる。
だが、立ち上がりから緊張のためか全体的に受身に回ってしまった長崎は
熊本にペースを許し、前半だけで2失点。
右サイドの山崎君の突破や中盤からの池田のパスで、
エースの吉川君の突破力を活かしたかったのだが、
逆に熊本のボランチ森川君の攻め上がりに上手く対応出来ず・・後半も2失点。
0-4で敗れ、悔しいスタートとなった。
同じ予選グループには熊本以外に愛媛と神戸がおり、
特にグループ最強と目される神戸相手にどんな戦いを見せるか注目したい。
久々にこの年代の試合をゆっくり観たが、やはり良いなと思う。
特に来年の今頃にU-18の選手がトップ昇格したとか、
練習参加なんて話題がでるかもしれない・・
自前の練習場、アカデミー育ちの選手・・先はまだまだ無限に広がっている。
2014年08月11日
諸々のサッカー界の動き
まず高総体サッカー。
長崎代表の海星高校は見事にベスト8まで進出した。
正直ここまでの活躍を予想していなかったので驚きだった。
エースの平野君はナガサキアシストから海星に進んだ子で
小柄ながら速さがあり、県内大会でも優秀選手などに何度も選ばれている。
特に昨年の国体少年では一気に全国の注目を集める活躍を見せて名を挙げた。
それ以外にも突破力のある森岡君やバランスの良い寺井君など良い選手が揃っている。
選手権県予選でどんな活躍を見せてくれるか期待が集まる。
続いてはゴシアカップで原田武男監督率いるJリーグアンダー14選抜の優勝だ。
定例会見で優勝報告があった時、会見後に原田監督が開会式の様子を携帯の動画で見せてくれたのだけど・・、
ワールドカップや五輪の決勝で使われるようなスタジアムが満員で本当に鳥肌レベルの光景だった。
決勝戦では国歌斉唱なども行われたと言う。
さらに優勝チームは市内を車でパレードするというチャンピオンズリーグ優勝チームのような特権が与えられる。
Jリーグアンダー14の選手も2名ばかり欧州ビッククラブのスカウトから話しかけたりしたそうだ。
原田監督は天皇杯優勝や五輪代表候補などの実績を誇り、クラブ設立時に加入した元Jリーガーだ。
2010年に現役を引退した後、三菱重工で1年プレイし、現在も登録を重工に残したまま指導者の道を歩んでいる。
今年はトップチームのコーチをやりながらS級ライセンスを受講中。
このクラブのレジェンドがそのクラブから指導者ライセンス取りに行くのは素晴らしい事だと思う。
このクラブを経由してたくさんの指導者が生まれることもサッカーで長崎を盛り上げる大きな力になる。
原田監督のゴシアカップ優勝はそういう意味でもとてもうれしいことだ。
そして総理大臣杯。
大学サッカー界のビッグタイトルだ。
V・VAREN長崎の強化指定選手である武内君が所属する福岡大学が参加している。
が・・今日、流通経済大学に敗れた。実に悔しい。
ちなみにこのカードは昨年の準決勝の再現で、
その時は流通経済大が制してそのまま大会を優勝している。
更にいうなら福大はJの強化指定が武内君入れて5人おり・・どちらもオバケだ。
鹿屋体育大学も専修大学に敗れたので九州勢は全て敗退してしまった。
2014年05月28日
高総体がはじまる
非常に楽しみだ。かつては島商、その後は国見と基本一強だった長崎県も
ここ数年は群雄割拠時代だ。今年の高総体も激戦だろう。
やはり本命は現時点では長崎総科大附。
エースの安藤君を中心に最も総合力は高い。
今年は既に新人戦を制しており、九州大会でも準優勝を達成している。
小嶺総監督は「ウチはまだまだ」と語るが、基本全国制覇が常に目標の総監督なので推して知るべし。
次ぐのはやはり新人戦準優勝の海星高校。
昨年の県高総体覇者でもある。
アシストから海星へ進み昨年の国体でも大活躍したFW平野皓巴君の速さは個人的に凄く注目している。
その後ではやはり、プリンスリーグ2部に在籍し、昨年の国体に最も多くの選手を派遣したように層の厚い日大、
荒木大志君、林航貴君ら力のある子が揃う南山、
堀川監督、小嶺栄二コーチの元で名門復活を目指しポゼッション率の高いサッカーを志向する国見あたりか??
近年、急速に力を付け県内強豪高の仲間入りをしつつある創成館は
V・VARENのOBである久留貴昭監督が率いる。
エースである城臺映伍(ジョウダイ エイゴ)君にも期待が集まる。
あと、鎮西は小金丸幹仁君、山口大輔君など久々に面白い子が集まっているので
何気にダークホースではないかと思ってしまう。
島商、諌商といった所は毎回必ず安定したチームを作ってくるし・・。
選手によっては高総体終了後に部活を引退する子も多い。
悔いの残らない試合を期待したいものだ。
週末の日曜は高総体の試合はハシゴだな、ハシゴ。
2014年01月24日
週末の事と県高校サッカー新人戦の話
大村空港へ行き、そのまま大村工業で開催中の新人戦県大会を観戦に行く。
アウェイに行く訳でも無いのに大村空港に行った理由は
V・ファーレンから福島ユナイテッドに期限付き移籍する杉山君を見送る為だ。
今回の移籍が発表になってから杉山君は色んな所に挨拶に回っており、
僕も前日の送別会に呼ばれていたのだが、先約があり会えずに居た。
空港には数人のファンが集まっており、見送りには杉山君も少し驚いたようだった。
翌日からは練習に合流すると言う。
地元、福島で彼の活躍を心から期待したい。
その後は大村工業で開催されている新人戦県大会の総附vs.島原高を観戦。
新人戦に関しては去年12月の地区予選から色んな学校を見ているのだけど
総附は見ていなかった。

基本、総附が攻めるも決めきれない中で押し込まれた島高がカウンターを狙うという展開。
ペースを握りながら島高のカウンターに1点を決められた総附が2-1で勝利。
この時期はやはりチームとしてまだまだカオスな状態で個勝負な面が強い。
「1点取られて苦戦した方が(強くなる為には)良い」とは保護者の言葉。
これから選手の起用や采配でチームの形が出来ていくのだろう。

さて、この試合は見ての通り土のグランドで行われたのだが・・
僅か5m横には・・放虎原の人工芝グランドが広がっていた。
今年は国体がある訳で長崎県のスポーツ施設は過去最高の状態となる筈なのに
実際は土のグランドで公式戦が行われると言う他県でも珍しがられる状態。
国体について色々考えさせられる状態だった。
そんな新人戦も明日は準々決勝。ざっとベスト8を。
諫早商業
県央の名門。毎年、何だかんだ言いながらもしっかり好チームを作りあげてくる。
守備からの攻めが早く常に安定している。
国見高校
2010年の選手権予選を最後に県内タイトルから遠ざかっている名門。
昨年からの”つなぐサッカー”は健在ですでに2年生主体でもブレない。復活も近い。
海星高校
長崎市屈指の名門。昨年は県高総体を制覇したが、選手権予選、県リーグでは総附の後塵を拝した。
毎年、力のある好選手を揃えしっかりチームを作ってくる。
日大
昨年は近年で最も苦戦したが12月に行われたプリンス2部参入戦ではしっかり勝利しプリンス残留。
元々は力のある選手も県内で最も多く擁するだけに期待したい。
総科大附
選手権出場の為に新チームの始動が遅れたが県内最強高校の一つ。
県内屈指のタレント安藤君が最終学年。県新人戦3連覇中。
長崎南
毎年、新人戦では意外な伏兵が活躍を見せるのだが今年はここだろう。
昨年の選手権予選準Vの鎮西を破って来た。飛びぬけた選手がいない分まとまっている。
佐世保工業
県北の意地をかけてベスト8進出。昨年は新人戦、高総体、選手権予選と全てベスト8。
安定した力を持っている。唯一の県北勢はどこまで進めるか?!
南山高
本田君、大久保君と強烈なタレントが抜けたが2回戦では強豪の島商をしっかり破りベスト8。
今年は必然的に荒木君あたりが中心だろう。
非常に楽しみなのだが、明日は知り合いの結婚式の為に準々決勝を存分に堪能できない。
何とも口惜しい限り。良い試合を期待したい。
2013年12月19日
プリンスリーグ九州2部長崎県代表決定戦のこと
対戦カードは「長崎日本大学高校vs.長崎総合科学大学附属高校」
ちなみに長崎総合科学大学附属高校は地元では「総附」の呼び名が定着しているのだが
学校側が指定する略称は「長崎総科大附」なので一応、メディアの端くれ切れ端化した以上それに倣う。
まず日大。
ここ数年で最も苦戦したシーズンだった。
新人戦はベスト8、高総体はベスト4、選手権予選は3回戦で敗退。
プリンスリーグ九州2部でも最後まで最下位争いの末に10チーム中9位。
国体長崎県少年の部に最多の7人を送りながら・・の状態である。
一方の長崎総科大附も決して順風満帆ではなく、
新人戦こそ制したが高総体では初戦で敗れ、選手権予選を苦しみながら手にした。
県1部でもずっと海星に首位を許していたが最後で逆転して県1部を制した状態。
日大の布陣は4-4-1-1。
木下君や山口君、江崎君など1年を通じて活躍したメンバー。
長崎総科大附は2年生エース安藤君をトップに置いた3-4-2-1。

試合は立ち上がりから共に攻守の切替・・特に攻→守の切替が早い。
その為に長いボールを入れあって弾き返しあう展開に。
正直、日大がこれくらいリアリストに徹した戦いをしてきたのは意外だった。
08年頃の前3人が流動的に動いて攻めるスタイルを見てきた身としては信じられないほどだ。
逆に言うと、それほどこの試合に何が何でも勝ちにいっていたのだろう。
試合は互いにしっかりと守備をして長いボールを入れあう為に中盤が共にボランチしかおらず、
ポッカリスペースがある場所で4選手がセカンドを拾いあう展開に。
数的にも互角、能力的にも差がない為にセカンドボールの奪い合いも互角に。
それでも前半30分、長崎総科大附の選手がジャッジに気を取られた隙を
素早くついた日大の山口君が先制点。
更に後半立ち上がりに左サイドを突破した日大が追加点。
この1点目、2点目共に長崎総科大附の集中の切れた瞬間が綺麗に突かれた。
今年の長崎総科大附は接戦の中でこういう失点が多いのが特徴だ。
スロースターターという訳ではないだろうが、全国で戦うには最も気をつけないとならない点だ。

しかし、選手権予選準決勝でも海星高校相手に0-2から試合を引っ繰り返した長崎総科大附。
この後、突破で強引に崩して1点を返すと後半23分にロングフィードからのカウンターで同点。
試合はこのまま長崎総科大附かと思われた。
決勝点は日大。
後半31分に速攻のカウンターから裏をDFラインの裏を突かれ
ペナルティエリア内であと一歩体を寄せきれぬままシュートを打たれ3-2。
この後、長崎総科大附は1ボランチにしてラインを上げて徹底的に攻めて行くが、
逆に日大にバイタルエリアを使われカウンターで攻められてしまう。
そのまま試合は終了し・・日大が勝利。日大が合理的に戦って勝った印象だ。
敗れた長崎総科大附だが、球際の寄せの弱さと
集中が切れた時間がそのまま失点につながった感じだ。
ここを改善出来るかが今後に関わるだろう。
さて、勝った日大だが次はプリンスリーグ九州2部参入戦を戦って勝たねばならない。
ここで敗れれば長崎県勢がプリンスリーグから消えるだけでなく、
日大としても来年後輩が戦うべきレベルの高い舞台を一つ失う事になる。
今年苦しんだ最後の最後に・・歓喜を期待したい。
2013年11月06日
選手権 長崎県予選の話題をチラッと・・
とりあえず3回戦で一番注目していた創成館vs.海星高校の試合へ。
会場は残念ながら雨。
海星は優勝候補の一つでMF村下君、平野君など攻守で力のあるメンバーを揃えている。
一方の創成館はちょっと前なら選手権地区予選突破すら創造出来なかったのだが、
今年は地区予選を圧勝で勝ち抜いた新鋭だ。メンバーは1年と2年のみながら、
国体にも選ばれているMF山下誠矢君をはじめ先が楽しみな選手が多い。
基本的に両チーム共に4-4-2の形。新鋭の創成館だが、
やはりまだ個では力差があり、立ち上がりから海星ペース。
特に左サイドをやぶられる事が多くて開始5分で失点。
その後も力差を活かした海星が押し、前半終わって3-0。
ここでV・VARENの試合に向うために観戦を切り上げて後ろ髪引かれる想いで諌早へ。
その後、聞いた結果では海星は大勝で選手権出場へ向けて好スタートを切っていた。
一方でサプライズが・・日大が1回戦から出場している佐世保工業に破れた。
佐世保工業は一昨年、昨年と初戦負けが多かったが、今年は新人戦、高総体両方で
ベスト8と何気にしっかり結果を叩き出している。それでもこの結果は予想し難い。
3回戦を終えて出揃った8チームは
佐世保工業、鎮西、国見、南山、総科大附属、諌早商業、島商、海星。
どこも一癖あるチームでこの先が非常に楽しみだ。
2013年10月02日
今月末から高校選手権県予選
昨年は公式戦県内無敗の総科大附属が圧倒的な強さを見せたのだが、今年は混戦っぽい。
新人戦を制した総科大附属、高総体を制した海星、プリンス2部で戦う日大、
新人戦と高総体共に準優勝の南山の4強が軸。
総科大附属は新人戦を制した一方で高総体では初戦敗退と昨年ほどの磐石さはない。
でも2年の安藤翼君や成瀬美喜人君など将来が楽しみな選手もいるので、勢いに乗るとかなり面白い。
決定力にちょっと難があるので攻めているのに、勝ちきれない事があるのが懸念。
一方、安定という意味では海星が一番安定していると思う。
新人戦ベスト4、高総体優勝、県高校1部リーグで現在首位。
個人技の優れた村下君を軸にスピードのある攻撃が持ち味。
ただ組み合わせ的にちょっと厳しい面があるが悲願の初制覇の可能性は充分だと思う。
日大は新人戦ベスト8、高総体ベスト4、プリンス2部でも中々勝てずに苦しんでいたが、
プリンス後半戦に入って徐々に勝てるようになっている。
国体少年男子にも最多7人を送り込んでいるように層は厚い。
MF木下君を軸に選手権は良い状態で来そうだ。
南山は本田君、大久保君などを擁し、攻撃力は恐らく県内随一。
問題は守備力とスタミナでここをどう克服するかが大事だと思う。
この4強を追うのが高総体、県1部リーグで総科大附属を破っている島商、
古豪復活を目指しボールをつなぐスタイルへ転換した国見高校といった所か?
個人的には今回ついに地区予選を突破してきたV・VARENのOB久留貴昭が監督を務める創成館が注目だ。
かつてとまるで違い強豪になっている。
地区予選では大村工業に5-0、西陵に10-0、小浜に26-0と強烈な攻撃力を誇っており、
高総体でも古豪平戸を破っている。
国体少年男子にも2名の選手を派遣するなど地力は高い。
順当にいけば3回戦で海星と当たる。3回戦屈指の注目カードとなるだろう。
とは言え、高校サッカーは何が起こるかまったく予想がつかない。
今年はどんな試合が繰り広げられて、どの選手が活躍するか・・非常に楽しみだ。
2013年06月04日
やっぱ、”たー”は凄いな!のはなし。
「やるからには当然狙うのは選手権ですよ。(笑)」
という言葉とは裏腹に現実は本当に大変だったようだ。
まず、サッカー部の部員を集める事から始まった。
リーグ戦で選手は11人キッカリ。
前半と後半でフィールドプレーヤーとGKがそれぞれ入れ替わったりしながらの試合。
それでも「経験者が2人いるんですよ。たいぶ良いですよ」と”たー”は言っていた。
「死にもの狂いで5年やって県内のベスト8ちかくまでいけないと指導者としては厳しい」
と言うのは某有名監督の言葉だ。(小嶺先生ではないよ(笑))
でも、”たー”の置かれた状況を見て、さすがに難しいのではと思っていた。
2011の高総体1回戦敗退。選手権予選も地区予選落ち。
翌年も新人戦予選落ちし、高総体でも1回戦で敗退。
この頃に、会った”たー”はそれでも前向きだった。
「こないだ、●●に1点差だったんですよ。今度観に来て下さい。」
去年の選手権予選は地区予選落ちだったが、あと一歩まで競り合っていた。
年末にその話をすると、「ちょっとずつ前に進んでますから。」
今年の新人戦では地区予選落ち。だが・・高総体でついに1勝をあげた。
平戸は近年、部員不足で苦しんだりしているが、選手権出場経験もある古豪だ。
それに創成館は6-1で勝った。勢いもあったろうが・・凄い事だ。
そして2回戦で敗れはしたが、対戦相手の長崎北は新人戦ベスト4で
毎年、必ず何人か上手い子がいる相手だ。そこに0-1で惜敗。
大健闘だ。
心からたーに「おめでとう」と言いたい。
とは言え、高校サッカーほど乱高下の激しいものはない。
きっと、今後楽になる訳でもないだろう。高総体が出来た事が出来なくなったりもするだろう。
それでも、きっと悪戦苦闘しながら進んで行くんだろう。
選手の頃から知っている選手が目の前で指導者として成長していく・・
創成館のたー、国見の堀川、栄二、国体の竹村、福大の福嶋洋、V・VAREN U-18の武男・・
何と楽しい世界。
2013年01月01日
総附の事と1年坊達との思い出
例年に比べると半分程度しか試合を見れなかったので、
余り書かなかったのだが・・今日は総附の話題でも。
2012年度の総附は県内での高校年代では公式戦無敗。
新人戦、高総体、選手権予選、県リーグ優勝と文字通り無敵状態となった。
一応、布陣は4-1-3-2もしくは4-2-1-3だったりするのだが、守備時は実際には5バック、攻撃時は3バック。
マンマークや前線への長いパス、サイドゴリゴリの攻撃は、
小嶺先生が島商、国見でやってきたスタイルを正当に継承している。
さて、たまに報道などで、
「小嶺先生はかつて自身が声をかけて入学させた生徒が
国見を卒業するのを待って指導に本腰を入れて云々」
というのを目にするが・・
それは余りにも短絡的で小嶺先生という人を知らない、言うまま記事にしただけの物だと思う。
小嶺忠敏という勝負師はそんな生易しい御仁ではない。
小嶺先生と言う人の勝負に賭ける本気度や執念は生半可なものではなく、
教育者小嶺忠敏とは別人と考えて良いくらいだ。
だいたい、卒業するのを待って云々と言うのは、
その間に総附にいた子に余りに失礼だし、
同じく日大や島商の選手権などでの栄冠を貶める物だ。
かつてと違い、近年の長崎のユース年代は大変な状態となっている。
かつて国体少年の部で優勝した長崎少年男子はここ数年、九州国体を突破出来ていない。
中学時代から有名な選手の大半は県外のJユースなどに進学する。
実際、V・VARENU-15の主力も県外へ流出する事が確定的だ。
県内の有力選手を長崎県内につなぎとめる事が出来ない状態なのだ。
そんな中で高校として実績がない総附が県最強になる為には、
小嶺先生だけでなく定方さんら多くの関係者がどれ程の苦労があった事か・・。
その偉業を小嶺先生は凄いだけで片付けて欲しくない。
ちと話が逸れた。
個人的には今回、選手権初戦が静岡と聞いて(厳しいな)っと思った。
王国静岡の底力はやはり高い。多分、個勝負なら常葉橘が総附より上だろう。
そんな話を小嶺先生の島商時代の教え子で、小嶺先生をもっとも良く知る人の一人であり、
自身も少年サッカーチームの指導をしている大山さんにしたら
「1回戦はイケると思うよ。」と言われた。
「総附のやっている(小嶺先生の)スタイルはそういう静岡勢を倒してきた実績があるから。
そういう相手をどう崩すかを知ってる。
だから、僕は相手が静岡と聞いた時点で、これはイケるかなと思った。」
そしてその通りだった。
定方監督らも上手く選手をノセたのだろう・・選手がよく集中していた。
PKでの勝利だし、ボールを保持していたのは常葉橘だけど、総附は崩れなかった。
PK戦の勝利で立役者となった総附のGK田中祐昌君だが、
彼は島原一中時代に全中で準優勝した時のメンバーで県内屈指の逸材だったりする。
2010年。俺がまだULTRAでバスドラ叩いて応援していた時に、
総附の1年生が俺らの後に並んで何度か応援した事がある。
その時に、彼らをリラックスさせがてらに話しかけた際に、
彼らが「こい、上手で有名やった奴ばい。」と言うので、
その子の名前を聞いたら実際に有名だった前川聖也君で「知っとるぞ!」と答えた。
その後、「じゃぁ、こいは?」と言われた子が・・このGK・・田中祐昌君だったりする。
ピッチの外から一緒に応援してから3年、
彼らは選手権のピッチで今度は輝いた。とても素敵な事だと思う。
2012年10月28日
2012 高校選手権県予選のこと
その事でも書くだろうと思ってるんだろうが・・
俺は行ってない!
ウチの仕事は土曜も仕事。
先週も休ませて貰って、「今週も休みたいのですが・・」
などと言うのは色んな物を壊してしまうNGワードなのだ。
ある意味で俺の人生が「パルス!」してしまうラピュタ的なワードなのだ。
なので黙って仕事に集中。
見てない試合を見てきたかのように語る事は出来ないので何も書く事はない。
なので日曜から始まる高校選手権の県予選の話でも・・。
今年の優勝のド本命は総附。
新人戦、高総体王者で、県1部リーグも無敗。今年は公式戦で県内無敗という無双っぷり。
鬼プレスと速攻のスタイルは徹底している。県選手権では1回戦で長大、2回戦で重工を破り旋風を起こした。
単純に言っても前川、吉岡、山口、栗原、掘、田中など力のある顔ブレが並んでいる。
普通にやってココに今年勝てる県内チームが出るかは難しいかなと。
対抗の1番手に推したいのは諌早商業と日大。
諌早商業は新人戦ベスト8、高総体準V。
チームとしてしっかりまとまっていると思う。
県1部でも好調だし、鬼塚、大場らを中心に粘りを無くさなければ怖いチームだ。
日大は新人戦準V、高総体ベスト4。
プリンスでは苦戦しているし、例年に比べるとちょっと選手が小粒かなと思うけれど
1年時から活躍してきた山本や主将の大賀など実力者を要所に揃えている。
ちょっと守備の粘りに難があるけれど、しっかりつないでいくスタイルを徹底出来れば面白いと思う。
これに次ぐのは南山、海星、国見といった感じ。
南山はとにかく攻撃陣が揃っている。本田、藤岡、大久保らは強力。
特に本田の突破は危険極まりない。ツボにはまった時は県内最強の攻撃力だろう。
問題は波があってムラッ気の強い所かなっと。
ただ1、2年生が多いので来年以降もかなり楽しみ。
海星は今年も上手くまとまっていると思う。
サイドを広く使った丁寧なスタイルは好きだ。牟田や田中など上手い選手が多い。
今年は新人戦ベスト4、高総体ベスト8。大会中にあと一歩化ければ面白い。
名門復活を期す国見は今年、新人戦、高総体ベスト8。
プリンス2部で苦戦中だがFW崎原には期待が集る。
彼が爆発すれば一気に優勝の波をつかむ可能性も。
監督が元V・VARENのOB堀川なのもあって期待したい。
あと面白いのは安定した実力の島商かなっと。
このチームは伝統的にサイドに面白い選手が毎年出てくる。
他チームが乱調になれば案外トントーンといくんじゃないだろうか?
今年の選手権の中心となるのは間違いなく総附だと思う。
総附がついに選手権に行くのか・・
どこが総附を倒すのか・・
それがこの大会の最大テーマになると思う。
じっつに楽しみだ。
2012年06月07日
2012 長崎県高総体サッカー競技準決 2試合のこと
第1試合は「総附vs南山」
総附のシステムは4-1-2-3がベースなんだけど、
実際は右サイドバックが上がり目の3-2-2-3にも見えるような形。
一方の南山は4-2-2-2ベースなんだけど、
攻撃のかなり部分を前線の力のある選手4~5人でやる為に4-1-2-3的な形が多い。



試合は立ち上がり総附がサイドを走って攻め、
守っては南山のエース峰君にマンマークをつけて封じペースを掴む。
でも、総附のDFを引き付けて裏を通す南山のパスが効果的で南山が2-0とリード。
後半も展開変わらず「勝負あったな」と思ったのだけど・・
後半17分にCKから総附が押し込み1点差。
1点取って一気呵成に攻める総附に対して、南山が失点を怖がってDFラインがジリジリ下がり・・
20分に同点を許すと26分に逆転。試合は3-2で総附の勝利。
南山にしてみれば後半15分まで手にしていた勝利と必勝パターンを逃した悔しすぎる展開だった。
第2試合は「日大vs諫早商業」
日大は4-2-1-3。諫商は4-2-2-2ベースながら実際は中盤がほぼ1列の4-4-2とも言える形。
この試合は第1試合と打って変って中盤を潰しあう膠着戦となった。
双方ともとにかく相手中盤に簡単に前を向かせない。
早く体を寄せて縦のボールを切る。
どちらも球際でしっかり粘っており技術とか体力もだけど、集中やメンタルでの競り合いだ。
個人的にはやや諫商ペースだなと思った。
中盤4人フラットなのがこの中盤の競り合いでは優位だったのかもしれない。
あと、諫商のDFの集中力が良いなと思った。ここで押し負けてたらやられたんだろうな。



この膠着戦は延長に入ってもどっちも譲らず・・
PK戦かと思った延長後半に諌商のロングボールが完全に日大DF陣の裏をかき決勝ゴール!
このゴールは放り込みだとか、運とかじゃなく・・
ずっと中盤の潰しあいやパスで組み立てていたからこそ、日大の裏をかけたんじゃないかと思う。
この勝負所で思い切ったのが良い方向に出たし、
それにしっかり詰めて頭で合わせたのは最後まで集中が切れなかった証拠なんだろう。
今年の高総体決勝は「総附vs諌早商業」
どちらが勝つか楽しみだ。
2012年01月23日
寒天の中で新人戦「鎮西vs総附」を観るの巻
国体の為に長崎でフットボールが出来る会場は異様に少なく、今年は佐世保の東部グラウンドで2回戦と3回戦を同日開催ダブルヘッダーだ。
鎮西-総附。



総附はマンマークの首尾や前にゴリゴリ仕掛ける。
総附では前川君が10番を背負っていた。
1年の頃にV・VARENの試合で応援している時に総附の子が来て一緒に応援した事があるのだが、
その時に話をした子だ。中学時代から県屈指の逸材でもあった子。随分と大人びていた。
一方の鎮西はとにかく守備が良かった。
2番の右サイドの子も効いていたが4番のCBはとても素晴らしく、
総附の前線のエース堀君がかなり手こずっていた。
守備陣の奮闘で試合は0ー0のまま延長でも決着つかずPK戦で総附が勝利。
波佐見、鎮西は元々強豪だがそれでも海星、総附と互角に戦える。
帰宅後チェックすると国見が海星に敗れ島商も長崎南に負けていた。
総附は3回戦もPK戦で勝利していた。まだまだ戦国時代は続くようだ。
ちなみに会場には高校年代のフットボールが大好きなAYUMIが居た。寒がりなのに大した奴だ。
2011年12月23日
2011の県新人戦地区予選を観にいく
10時に起きて新人戦の地区予選を見に行く。まず、向かったのは総科大グラウンド。
総附vs南山

中々の好カードだ。
総附の選手の佇まいを見て「ん?」っと思う。相手を呑んでいるというか、悪い言い方をすればふてぶてしいのだ。自信を持っているとも言える。過去、こういう雰囲気を持っていたのは島商と国見だ。小嶺先生が率いるチームの空気だ。こういう自信を与える事が多分、小嶺フットボールの神髄なのだろうと思う。

南山は早くて器用な子が多い。波はあるがハマれば一気に相手を押し込むタイプだ。1~2年に面白い子が多いので当分、南山は注目チームだ。個人的には右の本田君がしっかり伸びているようで先が楽しみだ。
結果は3ー1で総附の勝利。
この時期の新人戦はまだ戦い方もメンバーもPOSも定まっていないのでどこも不安定さがある。その中で個人技を生かし、「走る」「寄せる」「体張る」を履行し速攻という得点パターンが既に浸透している総附が去年に続き本命ぽいかなと感じた。
その後は創成館高校へ移動。

V・VARENの最終戦で”たー”ことOBの久留貴昭にあったので新人戦の地区予選「創成館vs鎮西」を観戦。

創成館はフットボール経験者が2人、メンバーは11名ぴったりしかおらず、GKも専門がいない。方や鎮西は去年は苦戦したが地区を代表する強豪の一つ。試合は鎮西の大勝で終わった。

とは言え、創成館がダメと言うことはなく、90分動きが落ちない所や大量リードされても諦めないあたりは驚かされた。確かに技術はまだまだだ。基本もつたないし、交代メンバーもいないので、たーが打てる采配なんてまだほとんど無い。多分、たーももの凄くもどかしいと思う。でも、役割分担と攻守の切り替えの早さ、そしてあと一歩踏み込む気迫や自信・・があれば、あとは少し技術が伸びるだけで随分と変わるように感じた。
試合後に「試合が出来るだけ幸せです」というたー。
メンバー不足で初心者だらけのチームをよくここまで土台作り出来たなぁとちょっと関心した。

日が暮れる頃に帰宅。
しかし・・新人戦で4-2-1-3の布陣のチームが多い事。いくらトレンドだからって、こんだけ続くと「こんな時代に3-3-3-1」とか「今時だけど3-2-3-2」とかのへそ曲がりな指導者が居ても面白いだろうなぁと思った。ちなみに、俺が創成館vs鎮西みてて創成館の布陣をどうする・・と思った時に浮かんだのは4-3-3-0だったりした。ゼロトップって!?と自分でも思った。
そんな週末。
2011年11月08日
長崎県高校選手権決勝「海星vs日大」・・次はないんだよなぁ
決勝のカードは「海星vs日大」

海星は今季は県新人戦準V、県高総体優勝(九州総体ベスト8、インターハイベスト16)、プリンスリーグ2部で7位。ちなみに昨年の選手権は初戦敗退で苦杯を舐めている。一方の日大は今季、県新人戦2回戦敗退、高総体準V(九州総体ベスト4)、プリンスリーグ1部で9位。県内大会における成績では海星が一歩リード。
ちなみに試合前の光景。

僅か3日前にJFL公式戦が行われた会場・・芝がはげてデコボコピッチにローラーをかけて、穴を砂で埋める。これが長崎の真実。荒れたピッチは長崎のスポーツ行政そのものだ。
会場は海星が全校動員がかけられエライ有様となっている。

決勝戦開始。

海星、日大共に4-2-1-3の激突。共にラインが高くサイドを縦に走らせる・・が・・”らしさ”を海星は出せなかった。

劣悪なピッチを考慮してか・・プレッシャーなのか長いボールをDFの裏目掛けて狙う海星。日大のDFラインを後に下げる意図もあったのだろうが、ボールはゴール前中央に隔たり過ぎて日大のDF陣にことごとく弾き返され裏目に出てしまった。更に日大の攻守の切り替えの早さに完全にペースを握られる。
そして17分、海星DFのミスからボールを奪った日大の20番山本君が得点。更にサイドからファーへのクロスを11番久保田君が決め2-0。この久保田君・・この試合でとにかく効いていた。

ところが後半、海星はハーフタイムに監督の檄があったのか、開き直ったのかサイドを広く使いペースを握る。そして大きな展開から15番の村下君が得点。村下君は1年ながらガンガン仕掛けて大会を通じて目立っていた子だ。これで勢いに乗るかと思われたが・・再び海星はサイドが狭まり得点が奪えない。

それでも日大の運動量が落ちた事で中盤の競り合いを制してペースを握ったが・・その後は海星の運動量も落ちて互いの3トップがカウンターを仕掛けあうような展開になり2-1で試合終了。日大が県代表の座を手に入れた。
ほんの数分前まで2つのチームは何も差は無かった。同じように勝利を信じ、同じように戦った。いや・・今大会を見た限りで言えば個人的には海星の方が実力は上かもと思わせた。でも・・試合終了のホイッスルが鳴った瞬間にコントラストがハッキリとする。
応援メンバー入り乱れて歓喜の日大と、下を向き肩を震わせる海星。

何一つ劣っていないのに、これだけの差が生まれる。これが勝負だ。
これが勝つと言う事、負けると言う事だ。そこには「気持ちを切り替えて」とか「次は」とか存在しない。
勝者が悠然と引き上げていく姿をベンチでどんな思いで彼らは見るのだろう。
負けは悔しい。負けは惨めだ。だからこそ、勝つために研鑽を重ねる。

この日、海星の子達は負ける悔しさを心に刻みつけた。それはきっとこの先の人生の大きな武器になると思う。そして日大の子は勝つ喜びを噛み締め・・この先の大きな自信になるだろう。
海星は新しいチーム作り・・そして日大は選手権が待っている。
次に対戦する時にどちらがこの日得た武器をチームに還元出来ているか・・見てみたい。
2011年10月25日
2011選手権2回戦を見たりした週末
高校選手権
日曜は土曜日の試合で荒れてしまった心を癒すべく・・朝から島原の高校選手権2回戦へ向かう。
「海星vs島原工業」
海星の前3人の圧力はかなりのもので、数年前の深町とか居た時の日大を思い出す。海星は春田君も良かったが村下君が良い突破を見せていて印象に残った。島原工業は守備ブロック作って時には5バックにして守りを固めた上でカウンター狙い。でもこのカウンターがエラク鋭くて海星に簡単にやらせはしなかった。1-3の敗戦だが健闘したと思う。
「総附vs長崎北」
総附がエグイ位に力強い。相手に当分は勝てないと思わせるような捻じ伏せぶり。サイドをダイナミックにつなぐ走るフットボールは単純な放り込みとは次元が違う。迫力のあるチームだ。バルサがどうのこうの言う時代にあってもブレない。やはり継続と言うか信念と言うか・・やはり凄い物は凄い。9-1で北高を打ち破った。
対する北高は完全に捻じ伏せられ・・終盤には高総体後も引退を先延ばしして唯一の北高3年生として望んだ寺田君が退場した。寺田君は国体でも活躍したこの年代屈指のDFで近年の北高躍進を支えてた名手だ。それだけに最後の選手権で退場は悔しかっただろうな。また次のピッチで見たいものだ。
「島商vs平戸」
島商伝統のサイド攻撃が鋭い。やはり武器を持っている所は強い。そういうベースがある所を伝統校と言うんだと思う。サイドがもう上がって攻め込む全体で配置されている。名ウインガーを輩出してきた所だけに自信があるのが判る。平戸も決して弱い訳じゃないけれど、同じ布陣、同じサイド攻撃で島商とぶつかるとキツイよなぁ。2-0で島商が突破。
「南山vs大村」
南山の攻撃陣が呆れるほど・・速い!あれだけ速いとちょっと大村も止められない。県内でもあの攻撃陣の速さを止めきれるのは数校くらいじゃないだろうか?南山の7番の子の動きがかなり良く、「あれは良いわ」と思っていたら・・本田琢人君だった。確か小6の頃とかも全国のフットサル大会で得点王か何か取った子だ。これで1年とは・・先が楽しみだ。南山は6-0で2回戦突破。
と、ここまで見た所で、水辺の森で皆と秋刀魚パーティなので長崎市へ戻る。水辺の森でアラカブ釣ったり、秋刀魚食べたりしながらまったりと過ごし解散。
中々にタイトなスケジュールの週末だったがいい感じでリフレッシュできた。
さぁ、週末の香川行きの準備を整えよう。