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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2014年07月28日

書き物のお仕事紹介

週末は諸々の原稿書き上げ作業に勤しみました。

最近のお仕事は



月間 J2マガジン 8月号
でV・VAREN長崎の原稿を担当しています。
「MIPインタビュー」で古部君、「選手に聞いてみた」で佐藤由紀彦君、前田悠佑君が掲載されてます。
長崎のページ以外に「この娘に逢いたい」でクラブ公式応援リポーターの坂本麻衣さんの記事も担当してます。


あと、諫早市とV・VAREN長崎両方の観戦ガイドを一つにした冊子<あぴっ>でライターを担当しています。





執筆にあたって諫早市の歴史や風土史を調べたのですが、知らない事も多く非常に勉強になりました。
冊子では他にも地元在住のサポーターが自信を持ってお勧めする諫早のグルメや逸品など掲載されています。
「あぴっ」はJ2第22節のホームゲーム「vs.松本山雅」戦のスタジアムで無料配布しています。
掲載店舗や駅、バスターミナル、県外にも設置したりしてますので、目に止まったら是非どうぞ。
来年の3月までにあと3号発行予定です。ちなみに次号は9月14日に発行予定です。

それから、もう3年目か4年目になりますがV・VARENのオフィシャルマッチデイでも担当しています。





「J2マガジン」と「V・VAREN長崎オフィシャルマッチデイプログラム」はちょうど昨日、次号の原稿を仕上げました。
「あぴっ」は明日、第2号の編集会議です。
そして、完全に趣味でやっている「ナガサカ! 」は





この第9号の次・・第10号がアビスパ戦で出る予定です。

・・・っと、「あなたのブログは写真が全然無くて華やかさが無い」と知り合いに言われて
地味に気にしているので、(写真の多いネタは何だろう?)と考えた結果、思いついて
写真だらけにしてみました。

華やかにな~れ!
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:00Comments(0)日記・コラム・つぶやき書籍・雑誌

2014年04月03日

最近読んだ本をツラツラっと

本を読むのがとても好きだ。
昔ほど時間が無いので、サッカー本を読む機会はだいぶ減ったけれど、
今でも2ヶ月に1~2回はamazonでサッカー本だけを1~2万円分ほどまとめ買いする癖がある。

発売時期関係なく、最近読んだ本の事でも久々にちょっと書いてみようかなと・・。

「それでも「美談」になる高校サッカーの非常識」
(株式会社 カンゼン) 加部究
 高校サッカーにおける理不尽な体罰を含む指導の実態や背景、そこから脱却するヒントなどを取り上げた一冊。
高校サッカーという一種”スペシャルな存在”の負の面を書いた本は珍しく、体罰問題もあって注目を集めた本。
ちょうど、高校サッカーの取材をしている最中だったので興味深く読ませていただいた。
何度か友人と「あれはどこの高校の事だろう」などと話題に上がったのでみんな感心を持ったのだろうと思う。
多分この本に書かれた事はどの学校でも起りうる事なんだろう。
文章が非情に読みやすく余り本を読まない人にもお勧め。

「日本サッカースカウティング127選手」
(東邦出版) ミケル・エチェリ/小宮良之
 スペインで育成、強化手腕に定評があるミケル・エチャリ氏と小宮良之さんの共著。
ミケル氏に小宮氏が状況や解説を行い、ミケル氏がスペイン語によるスカウティングをして、
小宮氏がそれを再編して構成という役割分担と思われる。本当に日本代表やJリーガーをスカウティングしている。
V・VARENも2013年の開幕戦「ファジアーノ岡山戦」が収録されており、幸野君がスカウティングされている。
余りに具体的にスカウティングされていて、他の目的に応用はきかないっぽいが実に読みやすかった。
毎年、シーズン総集編的に出して欲しいなと思うタイプの本だ。

「Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か」
(東邦出版) 西部謙司
 戦術分析に定評のある西部さんが古今東西のJリーグチームの戦い方・・
Nボックスやらミーシャ広島などを分析している一冊。
この本も「日本サッカースカウティング127選手」と同様に余りに具体的過ぎて
他の目的には応用がきかないっぽいのだが、西部さんの解説が非情に判りやすく、
読んでいて「あー・・なるほど」と思うことが多い一冊。
ちなみに家にある西部さんの本を数えてみたら・・6冊持っていた。
別に意識はして買ってた訳じゃないけれど・・物凄い愛読者みたい(笑)。
ちなみにサイモン・クーパーさんは3冊、湯浅健二さんは4冊、小宮良之さんは5冊。最多は後藤健生さんの8冊。

「アナキスト サッカーマニュアル」
(現代企画室)ガブリエル・クーン
 サッカーを歴史含めて社会学的に論じた一冊。
「第2章 サッカーに関するラジカルな議論 サッカーと政治」、
「第3章 プロサッカーへのラジカルな介入 抗議の場としてのサッカー」
などといった各章のタイトルで内容は判ってもらえるかと思う。
サッカー界における差別の問題や権力や政治、暴力の問題まで扱っている。
論文とかを読むのが嫌いな人でなければ・・という一冊だけど非情に固い内容なので好事家向け。
これが空前の大ヒットとかすると、それはそれでちょっと怖い世の中だと思う。
これを長崎の女性サポーターが読んでたりするとかなりシュールだ。
ただ、この本の中ではウルトラスと言われる種類のサポーターについてかなり深く考察されており、
サポーター論的なものが好きな人は一度読んでみてはいかがだろう?

「ゴールキーパー専門講座」
(東邦出版) 松永成立/北健一郎
 題名の通りGKについての専門書。元日本代表GKでもある松永さんが解説したもの。
一般的な技術書に抑えられているベーシックな部分を踏襲しながら、
松永さんの経験に裏打ちされた解説がありGKについて考える事が出来る。
フィールドプレーヤーに比べ、ついついポジショニングなどの詳しい部分を知らないまま
反応やキックといった面に注目してしまいがちだけど、
これを読むと改めて、GKが理詰めのポジションなのだなと思う。
GKを志している人以外も読んでみると意外にハマるんじゃないだろうか?


オマケ・・「買ってはいけない パート8」(金曜日)
サッカー本でも何でもない。当たり前だ・・だって本屋が誤配してきたのだから。
そう言えば前もサッカー本を買ったらある書店が
フィギュアスケーターのプルシェンコの写真集を誤って配送してきて大変困った事があったのだが
・・2度目の誤配だ。
要は、~の商品はこんな所に問題があるから簡単に買っちゃ駄目ですよ的なコラムをまとめたものなのだが・・
”買ってはいけない”と言われても、買ったつもりはないので「いや、買ってはいない・・」と小さく呟くしかなかった。
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:20Comments(1)書籍・雑誌

2013年10月31日

週間サッカーマガジン月間化に思う

 週間サッカーマガジンが最新号の1483号で20年に及ぶ週間化にピリオドを打ち月間化する。
サッカーマガジンは現存するサッカー雑誌としては国内最古で長い伝統を誇る。

 サッカーマガジンの週間化は1993年でその前は隔週間化が1年あり、
その更に前は月間サッカーマガジンだった。
当時はJリーグ開幕前で携帯電話もなくDVDも無く、ケーブルテレビも普及しておらず、
テレビでサッカーが流れるのは高校サッカーの選手権と天皇杯の決勝のみ。
ワールドカップが4年に1度、深夜に放送されるだけ・・という時代だ。

 まだサッカー専門誌も多くなく、月間のサッカーマガジンとサッカーダイジェストを買って、
次の号が出るまでの1ヶ月間を何度も何度も読み返しながら待っているような時代。
特に海外の情報は本だけが頼りだった。
ラッツィオにガスコインが居て、J・P・パパンがバロンドールを獲った直後くらいで、
ACミランのオランダトリオが全盛期。バルサがクライフに率いられて輝いていた時代。
当時のサッカーマガジンでは漫画家の望月三起也さんのエッセイなどもあって、
そのコラムの中で当時日本代表FWだった高木琢也現V・ファーレン監督の事が書かれていたりしたものだ。

 今年からV・ファーレンがJ2入りし、サッカーマガジンにも寄稿する事になった。
かつて1読者だった本に寄稿すると言うのは不思議な感覚と嬉しさを感じていた。
何より、フリーライターの端くれの端くれ・・切れっぱしとでも言うべき身がサッカーマガジンで
原稿を書くというのは実に影響が大きく心強いものだった。

 週間化を終え、月間化へ移行するのは時代の流れであるとか、紙媒体のおかれた状況とか色々あると思うが、
週間サッカーマガジン20年の歴史の最後に関われたというのは今後の自分にとって本当に大きい。
物書きの切れっぱしとして「間に合った!」という想いがある。実に幸運だったと思う。

 ちなみに月間J2マガジンの方は今後も続くし、
週間サッカーマガジンで書いていた試合の採点なども続く予定なので、
自分としては声が掛からなくなる時まで誠心誠意、長崎の原稿を書き続けていきたい。

 今後サッカーマガジンは”サッカーマガジンZONE”として今までと別の視点からの雑誌になると言う。
新しいサッカーマガジンがどんな雑誌になるか楽しみにしたい。
かつての月間化時代のように、次の号が出るまでのワクワク感を味わえるように・・。
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:05Comments(1)書籍・雑誌

2013年07月09日

J2マガジンのこと

V・ファーレンが創立されて以来
・スタジアムフリーペーパー「ナガサキスタンダード」(2006〜2008)
・ナガサキスタンダード特別版 Iwamoto NAGASAKI Edtion (2008)
・スタジアムフリーペーパー「プロビンチア」(2009)
・グラフィックマガジン「vi; 001」(2010)
・スタジアムフリーマガジン「ViSta」(2010)
・V・ファーレン長崎オフィシャルマッチデイプログラム (2010〜現在)
・V・ファーレン長崎JFL優勝、J2昇格記念本「Win」(2012)
とほぼ全てのV・ファーレン関連本に書いてきて、今年から専門誌でも書いている。
スタジアムではメディア登録をして試合後に取材活動を行なっているのだけど、
今回、サッカーマガジンがJ2マガジンというJ2専門誌を発刊する事になり、長崎の基本原稿を担当したとです。

2部専門誌というのは世界的に見ても異例な本で、
J2というリーグがJ1とは別の価値と言うか進化をしてきているんだなと思わずにいられない。
凄いなっと思う。同時にそんな時にJ2に居て幸せだなっとも。

月刊J2マガジン 100ページ。 全J2の22クラブを掲載。
V・ファーレンでは第1号には基本記事以外にも選手の対談が掲載。
価格は1,000円980円。7月10日(水)発売。

どぞ、よろしく。  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 15:10Comments(5)書籍・雑誌

2012年08月22日

世界の書評から ~ウインドブレーカーって必殺技みたいな名前~

俺が読んだフットボール本を適当に紹介する「世界の書評から」シリーズ。
サブタイトルは適当につけているので内容とまったく関係ない。

まず最初の1冊。
やらなあかん事はやらなあかんのや



関西フットボール界の重鎮であり、教え子には岡田武、田嶋幸三らそうそうたる面子を揃え、
小嶺先生や高木琢也さんらの師でもある大商大総監督の上田亮三郎さんの本。

自身のトレーニングを「半殺し」と称し、「まだ死人はいない」と公言するなど
スパルタトレーニングでも知られるが、教え子への愛情は読んでいてよく伝わる。
また、国見の縦縞ユニフォームは元は大商大が元祖なのだが、
その誕生エピソードとして、ユニフォームで目だとうと葬式をヒントにしたなども読んでいて楽しい。
合間のコラムにも「ヤクザとの出会い」という項目があるなど豪快な人物だ(笑)。

小嶺先生の著書を読んだ事のある人なら一読して、
上田先生がいかに小嶺先生の考え方やフットボール観などに大きな影響を与えているか判る。
・DFゾーンはマイボールでも危険。早くミドルゾーンへボールを出す。
・ミドルゾーンは速攻が一番だが、速攻か展開するかを考える。
・アタックゾーンは一か八か、思い切りが大事でバックパス、横パス、ミスは許さない。
といった、軸部分は現在の総附でも見る事が出来る。

遭った事もないのに、長崎人とすれば何故か遭った事あるような気にさせるのは、
小嶺先生という存在があるからだろうか?
豪快な人物伝として、
また、長崎フットボール史に名を残す小嶺忠敏という強大な存在に興味がある人は是非、どうぞ。

つづいて・・
蹴撮




日本代表を40年追い続け撮り続けた今井恭司氏の一冊。
日本代表、日本フットボールの歴史であると同時に、
今の待遇が行き届いた代表と違い、代表でありながら過酷な環境下で戦った先人達を追った本。

当時の日本代表の様子が良く判り、写真半分、当時を回想する文章半分と言う本。
写真に興味ある人にお勧め。あと、釜本さんの写真がとても格好いい。
また、現在は好々爺としている役員達の現役時代のなんと男前な事か。
セルジオ越後や古田さんなどはアイドルや役者と言っても通用しそう。
ちなみに、この方も載ってます(笑)今度、このページにサインを貰おう。




Jリーグ20周年記念フォトブック



Jリーグ20年の歴史を写真で振り返る一冊。
上記の蹴撮と対照的にJリーグ開幕からの写真なので華やかだ。
殆どカラー写真のみで構成される。
Jという華やかなステージの写真なのでリアルだとか、
蹴撮のような息遣いは感じられないがJを見てきた人間からすれば記憶を呼び起こさせる一冊。

読み物ではないので、思いついた時に見ては想い出に浸ったりするのが吉・・な感じ。
また、この写真郡を見れば、現在のV・VAREN長崎オフィシャルカメラマンである
山頭さんの写真がいかに手間と情感をかけた写真であるか非常によく判る。

Jリーグが好きで、尚且つ写真も好きっという人向け。
写真は広く浅くな感じなので特定選手目当てに買うには余り向かない。



武男や由紀彦も載ってるよん。  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 17:42Comments(0)書籍・雑誌

2012年07月04日

世界の書評から ~はじめの一歩は世界へいい加減歩みだせ編~

俺が読んだフットボール関連本を適当に紹介するシリーズ。
副題は例によって何の意味もない。
今回の副題は本当なら
~戦国BASARAというアニメを見たら伊達政宗が「レッツ、パーリィー」と言っていて軽いカルチャーショックを受けたでゴザル~
だったのだが長すぎたので辞めた。


「サッカービジネスの基礎知識」
「Jリーグ」の経営戦略とマネジメント by広瀬一郎



Jリーグの制度設計などに携わった著者。
最近、クラブライセンス制度の影響かマスコミに再び登場する事が多くなってたりする。
この広瀬さん、昔から主張が一貫していて、以前に書いた本と今の本でもまったくブレがない。
でも、ブレがない代わりに、基本同じ内容の焼きまわし感が強いのが残念。
Jクラブの経営をビジネスとしてしっかり捉えてるので、書いてる事は良いのだが
この人の本を既に持ってる人からするとわざわざ買う必要はないかなと。


そうだったのか!日本サッカー



スコラムックというフットボール関連では余り馴染みがない出版社からの一冊。
とは言え、企画・執筆が加部究、原悦生、ホルヘ三村など
バリバリのフットボールライターがやっているので内容はタイトルと裏腹に辛口系。
基本、代表・・ひいては日本フットボールに関するアレコレを取り上げており、
記事の大半は座談会形式で進む。
ただし、Jやマスコミ批判系の記事になると対談者がイキナリ
実名からA、B、C、Dさんになるあたりが微笑ましい。

個人的にはホルヘ三村氏のアルゼンチンの選手育成に関する記事は良いな。
あと、巻末に載ってる1850年代から200年代までのフォーメーション変換を
一斉に図入りで取り上げた記事やサッカー用語辞典はターゲットが初心者向きのようで、
初心者が余り興味無さそうな気がする不思議なコーナー。

一見、初心者向けだけど「フットボールサミット」「サッカー批評」などの
読み物系でありながら軽めな意外と良い一冊。
ワールドカップ予選で代表にちょい詳しくなりたい人から読み物として楽しむ人まで気が向いたらどうぞ。



フットボールサミット第6回
「遠藤保仁のサッカー世界を読み解く」




代表とガンバの中核であり、国内最高の選手である遠藤を丸ごと一冊扱った本。
ライターや同僚、ライバルによる遠藤評やデータ等で徹底的に遠藤を語っている。

語っているのだが、遠藤という選手自身が総合的な完成度が高く、
スペシャルなプレイすら遠藤にとっては普通でスペシャルに見えないというタイプであって、
開拓者のカズや異端児であった中田ヒデどころか・・
判りやすい技巧派であった中村俊輔に比しても際立った個性が見え難いので・・
どのインタビュー、ライター評も全て「この際立って見えない所が凄いんだ」的な論調になっている。

あえて挑戦したのだろうけど、お陰で記事ごとの特色が消えてる。
遠藤というタイプで1冊扱うにはもっと、深いディープな内容にしないと難しいんだろうな。
ちなみに本には「この男、天才につき」と書かれているが、個人的には天才ではなく、秀才だと思う。

遠藤が好きな人はどうぞ。
それ以外の人は巻末のフットボール関連書の書評コラム「フットボールブックレビュー」や
松本育夫氏の「炎の説教部屋」が気に入ったらどうぞって感じ。
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 16:00Comments(0)書籍・雑誌

2012年05月31日

世界の書評から ~順調に墓穴を掘っている編~

俺が読んだフットボール関連書を適当に紹介するシリーズ。
副題は例によって意味はない。

最初の1冊はこれ



サッカー選手の正しい売り方 by小澤一郎
移籍についてザックリ説明すると、
前まで日本人選手の移籍には日本独自のルールがあったのだけど、
国際基準化が導入され今の日本では色々問題が起きている。

欧州での活動経験を元にそういった問題・・選手移籍、特に近年問題視されている
“0円移籍”などを扱った本。中田浩二や岡崎など実例を挙げて説明している。
これらの問題は制度の問題や人材の質の問題もあるのだけれど・・
根底にある問題として著者が指摘するのはサポーターやファンの
「クラブありきではない姿勢」と指摘している。

「選手が可愛そう」「選手の人生が・・」とかの事で、
欧州では高値で売れる予定の選手が移籍を拒んだ為に(クラブ経営に損失を与えた)として
試合から干され、ロッカールームからもつま弾きにされる事実などが紹介され、
それが欧州ではファン含めて当然と受け取られている。
(但し、同じように失敗すればフロントも簡単に切り捨てられる)
一つの真実であり真理ではあるのだろう。
移籍とかそういう物に興味がある人はどうぞ。


んで、次は上記の「サッカー選手の正しい売り方」で
岡崎移籍問題のキーマンとしてやや悪役扱いされている
ロベルト佃氏のサッカー代理人という一冊。



上の本とは違って、ロベルト佃という人の代理人としての
考え方や世界の代理人事情や状況などが書いている・・実用書っぽい一冊。
上の本で取り上げられている岡崎移籍問題についてはチョッと触れる程度。
代理人の世界に興味がある人はどうぞ。
ちなみにこの本でも
「個でなくチームを応援するのが真のサポーター」と述べていて、
日本では選手に過剰な思い入れが強く、それは世界的に珍しいという意見を述べている。
別に世界=正しいという訳でもないが、
世界的には珍しい部類という理解は必要なんだと思っている。

今回はこの2冊。
毎度お馴染みサッカー批評やらサッカーダイジェストを取り上げようかとも思ったがやめとく。
現在のサッカー本のトレンドは”クラブ経営”だ。
クラブライセンス制度が始まる為なのだと思う。
ちょっと前は戦術論だった。
南アフリカワールドカップの代表からバルサまで・・。

どの本も同じトレンドを追いかけるのは申し合わせでもあるのだろうか?
市場のニーズと言えば聞こえは良いが、そんな本が口をそろえて
もっと個性的な選手、チームの必要性を訴えているのも変な話だ。

野も山もみな一面に黄色なら
アホウになって白を買うべし。
(最後の相場師 是川銀蔵)  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 17:28Comments(0)書籍・雑誌

2012年05月02日

世界の書評から ~ブロッケンマンは欧州では規制対象~

俺が読んだフットボール関連本を適当に紹介するシリーズ。副題には何の意味もない。
今回紹介する本の内2冊は2ヶ月近く前に読了していたのだが、
多忙で紹介してなかったもの。時期を逸した感もあるが簡便してほしい。、

まず、最初の1冊は



「争うは本意ならねど」木村元彦
 いわゆる「我那覇冤罪事件」をおった至高の一冊。
著者は徹底的で時間をかけた取材をして書き上げた本に外れがないライターさんで、
あくまでジャーナリスト的な姿勢を貫いている。

内容は、サンケイ新聞がまともな取材も行わぬまま流した誤報から、
川崎側ドクターの説明もロクに理解せずJが「ドーピング」認定。
冤罪を着せられた我那覇と協力者達が冤罪を晴らすまでを追った物。
この事件には常にある疑問があった。
それは当時のチームでも代表でも高い価値を持っていた我那覇を
どうして川崎は徹底的に守らなかったのだろうか??と言う事だ。

これに対して木村氏は確証はないとしながら・・
当時のチェアマンと川崎の社長の個人的な関係のある点に注目している。
それは余りに幼稚で前時代的な古い慣習だったりする。
それが何かは是非、実際に読んで知って欲しい。

続いて・・



「フットボールサミット 第5回 拝啓、浦和レッズ様」
 J最大クラブの一つでありながら迷走を続けている浦和というクラブの問題の根を探る本。
福田正博やら犬飼基昭元社長らのインタビューは結構本音ぽくて面白い。

心に残った1文は犬飼元社長の
「プロクラブにとってもっとも危険なのは変にアマチュアスポーツをかじった人間ね。
アマチュアスポーツとプロのスポーツ興行というのはまったくかけ離れたものなんだよ」。
浦和に興味がある人はどうぞ。それ以外は読まなくてもOKかと思う。


最後は・・



「サッカーダイジェスト 5/8 2012年版 サッカーとお金の話」
 特集の「サッカーとお金の話」は最低、フロントは知っておかないとならない事が書かれている。
Jのビジネス制度設計をした広瀬一郎氏の
「サッカービジネスと時代の潮流」の記事は最早フロントのたしなみと言えるだろうなぁ。
Jクラブライセンス制度の影響で最近はこういうビジネスとしてのクラブの記事を良く見かける。
興味があるけれど・・と言う人は入門用に読んでみてはどうだろうか??
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:35Comments(0)書籍・雑誌

2012年02月05日

世界の書評から ~ミナミの帝王は中毒性が高い編~

俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評から」シリーズ。
もう第何弾か判らないので適当にサブタイトルをつけている。
サブタイトルに意味はないので気にしないでくれ。

まず最初の1冊が



「地域スポーツクラブのマネジメント」
地域スポーツクラブ運営の為の制度を解説した本。
クラブ哲学や経営哲学などより全編ほぼ制度の解説になっている。
NPO法人とは?とか知的財産権とか法人税とか・・。
各制度については原則しか紹介していないので入門書的な感じか?
ただし、各制度の説明の並びが今一つ整合性がなく話が結構飛び飛びになる。
いっそ制度の専門的な事は割り切ってハウツー本的に仕上げれば良かったのではないか?
よっぽど興味ある人じゃないと厳しいかなと思う。


続いての一冊は



「ソシオ制度を学ぶ」
会員が会費を支払い、その会費でクラブを運営し、一つのクラブ経営の理想系と言われるソシオ制度を解説し、日本向けに出来ないかを考察した本。
ソシオ制度はバルサが最も有名だが、同時に本当に機能しているのもバルサだけだったっりする。それはバルサというクラブが設立段階からソシオ制度での運営を想定して作られ、同時にバルセロナという地域がバルサを徹底支援する政治的・歴史的な理由があったからで、ソシオ制度はバルサだから出来たという面が強い。

それを日本出来ないかを考察しているが結局は方向性を明示するだけで終わっている。「やっぱ無理だわ」という感じで、作者も同じように感じたのだろうなと思う。なのでクラブ経営やらクラブマネジメントやら一通り理解て読まないと中途半端な知識では「ソシオ制度を長崎に!」とか半端な理解で叫ぶ人が出そうでちょっと嫌だなぁ。

この本、上の「地域スポーツクラブのマネジメント」と同じ著者が書いた本。この本でも公益法人だとか非営利団体とかの制度的用語が多く、「地域スポーツクラブのマネジメント」と内容がかぶる事も多い。2冊買う必要はないと思う。ただし、スポーツクラブの持つ公益と営利が混在する矛盾点を指摘しているこっちの方がお勧め。


最後は毎度お馴染み・・



「サッカー批評」
数号前の記事で原発と日本サッカーを取り上げた「Jヴィレッジの存在意義」や現在のJFAの有力者田嶋幸三氏に色んな矛盾店や問題点を付いたミカミカンタ氏のインタビュー、海江田哲朗氏が代表でありながらJFAの支援を受けられないブラインドサッカーやハンディキャップサッカーを追った一連のシリーズなどジャーナリズムを前面に出し高い評価を得たのだが・・お上の反発も大きかったらしく、前号に続いて特集のカラーページは戦術系。やや残念だ。
インタビューがあるので読み物としては読みやすいが、何となく物足りない。

それよりセンターモノクロページの川崎や岡山のクラブの運営に対する記事の方が良かった。川崎は営業に、岡山は社長が優れていて、読んでいて納得する事が多い。

あとは私的フットボール・温故知新のコーナーが良い。
毎号、イングランドのフットボールの現在の話題と過去を対比させて語るのだが・・今号は現在のイングランドがFIFAやUEFAと対峙している情勢と1950年代の英国フットボールの小英国主義(日本でいう鎖国主義)の話題。実にこれが良い。かつての小英国主義の為に失った物を嘆きながら、今もまだFIFAやUEFAと対峙を続けるイングランドの覚悟にどこか共感を覚えたりする。
あぁ、こんな風に日本や長崎のフットボールを語る時代が早く来てほしいものだ。



こんな3冊。シーズンオフの時間がある時に興味があればどうぞ。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 10:00Comments(0)書籍・雑誌

2011年12月17日

世界の書評から ~長崎で皿うどんと言えば細麺がスタンダード~

俺が読んだフットボール関連本を適当に紹介するシリーズ。
サブタイトルは激しく意味がないので気にしないで欲しい。

サッカー批評Vol53
今号より季刊から隔月刊となったサッカー批評。今回の特集は「Jリーグの戦術力を問う」と現在の日本の戦術を丹念に追う。POS別に選手へのインタビューや色んな監督の話を交えて中身が濃い。この編はサッカーダイジェストなどには真似が出来ないサッカー批評ならではの芸当だろう。

ただし、前号がジャーナリズム全開でJFAや日本フットボールの負や影に切り込んでいただけに、ミカミカンタ氏の休載宣言とあわせて、そういった部分をおもんばかってお上に抗議されない戦術論にいった印象が残る・・。それでも、この紙媒体苦戦時代に発行間隔を増すと言うのは大した本だ。




異端者たちのセンターサークル
チーム崩壊の最中にすら全日本ユースを制覇してのける圧倒的な凄さのヴェルディ。このクラブのJrユース、ユース出身で現在Jリーガーになっている選手は数多い一方、ワールドカップのピッチに立った事のある者はゼロ。メンバー入りしたのは2014年の南アフリカW杯の森本ただ一人。Jリーガーに占める割合と考えると信じられないデータだ。この辺の何故?を追ったのが本書。

ヴェルディの育成における個性の徹底尊重と圧倒的な本気。それを支えた反骨意識は底の深さを感じさせる。これは一朝一夕に出来る伝統ではない。その伝統すら迷走するフロントの前では脆くはかない。

そして、稲本、宮本などワールドカップのピッチに何人もの選手を送り出したガンバ大阪ユースの礎を作った上野山さんの言葉が重く響く。
「参考にしたのはピッチの中ぜんぶです。でも、ピッチ外は見習わなかった。」
「小見さん(ヴェルディ出身の指導者)たちは日本の為を考えたのかな?読売クラブ、ヴェルディだけを見ていたんと違うかな?」

最近、V・VARENの下部の子供達の評判をよく聞く。
ピッチ内で高い評価を集める一方で、ピッチ外での評判や礼儀は残念ながら芳しくない。

再び、上野山氏の言葉を引用しよう。
「ここで止まるなと思った。確かに巧い。でもそこに慢心している。反省がない。謙虚さがない。」
1999年の頃のヴェルディユースを指揮した菅澤氏の経験も紹介しよう。
「小学生の大会は長年サッカーに携わってきた地元の人々で運営されており、彼らは過去の指導者や選手の態度の悪さに業を煮やし根っからのアンチとなっていた。」
V・VARENのアカデミーはどこへ向かうだろうと考えたくなる良書。





フットボールサミットVol.04「カズはなぜ愛されるのか?」
同書の第2号「中田英寿という生き方」と同じように本人以外の周囲の証言からKINGカズを追う。つか、どうもあとがき読むとカズ本人の取材が出来なかったからみたいだけど・・。でも、色んな人が語る事でそれがかえってカズという人間を様々な角度から見れる。
多分・・誰でもKINGカズになろうと思えばなれる・・でも、絶対に誰もKINGカズになれない。
それが嫌と言うほど判る本。カズの実父の納屋さんをここまでダイレクトに取り上げた本は珍しく貴重だと思う。
ブラジル時代の話題やインタビューが多いので、個人的にはこないだの夏に帰国していたブラジルで記者やってるうえきさんから聞いた話や地名が・・多く読んでて楽しい。
「あぁ、この店がうえきさんの言ってた奴かぁ・・」とかな感じで。
読むやすいので一気に読める。不思議と南米の香りがするのは納屋さんのオーラか??


  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 23:13Comments(0)書籍・雑誌

2011年11月20日

世界の書評から ~長崎皿うどんは細麺が常道編~

さて、俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評から」シリーズ。
サブタイトルは意味は何もないので気にしないでほしい。

「フットボールサミット」
日本サッカーにまつわるアレコレの諸事象をテーマとするシリーズ。各ライター陣が取り扱うテーマがかなり良く、サッカー批評のジャーナリズムに共感を覚える人ならばお勧め。



Vol.1は「ザックに未来を託すな」をテーマに日本フットボール界の進む道を特集したもの。クラブには明確なクラブカラーが必要と言いながらまだ日本のカラーについては途上である事が痛感出来る。




Vol.2は「検証・中田英寿という生き方」。論理的正しさより協調性、感情・価値観共有重視の母性社会日本で強い論理性の父性を持つ中田の苦闘は今も続いている。TAKE ACTIONにおけるJFAの潰し方は半端無い。ちなみにこれを読んだ後で娘の本棚にある「泣いた赤鬼」を読むと中田は青鬼で赤鬼はフットボールだったのではないかと思う。「どこまでも君の友達、青鬼」




Vol.3は「3.11を以降のJリーグ」。震災からJ再開までのJ側の動きを追った記事やら、サポーターによる復興支援を等を追っておりかなり興味深い。J創設期のサポーターが地域性に目覚めていく過程を「不良少年の再生」と表現し、その後の「安全で快適なスタジアム」という大衆化の流れの中で不良少年達が追い立てられ議員やアパレル展開等の新路線へ進んでいくあたりの切り口は文化人類学的文章で大好きだ。色んな人に読んで欲しい。

現在発売中のVol.4はKINGカズを追っており、カズの実父にも迫っている。近いうちに読みたい。


僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ



競技場に相撲取りを呼んでちゃんこを売る「イッツア スモウワールド」、フロンターレの選手が登場する算数ドリルを作成し学校教材にしてしまう等Jの中でもユニークな事業で他と一線を隔す川崎フロンターレ。その仕掛け人であるプロモーション部部長が書いた本。正直、ミスった件は触れてないし、良い部分ばかりで「ちと美化され過ぎてんじゃないか?」っという気もするが、この本の中にある言葉はファンが最もクラブに知っておいて欲しい言葉だ。

「ファンはクラブ経営を安定させるありがたいお客様であると同時に、選手やクラブスタッフを精神的に支えて、力を与えてくれるパートナーである。しかし、クラブ運営者はこの存在を当たり前のように考え、いつまでも与えられる永遠の愛のように感じてしまいがちである。」

「クラブと選手の関係がうまくいっていないと「街のイベントに参加する」ということになっても選手から”やらされている”雰囲気が漂う。それではイメージアップのために取り組んでいることがイメージダウンになってしまう。」

「ボランティアを無償のマンパワーと見なしてはいけないということ。彼らには規則や条件がある中で充実感を味わってもらわなければならない。」

どれも金言だ。

ちなみにこの人は昔、川崎市内で買い物する時は必ず領収書をもらったという。経費で落とすのではなく、”川崎フロンターレ”と宛名を書いてもらうために。店に余計な手間をかけさせる面はあるが、これを繰り返す事でその店にフロンターレの存在を知ってもらったのだと言う・・。

ウチのフロントは全員10回は読み直して欲しい本だ。  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 03:00Comments(0)書籍・雑誌

2011年10月06日

世界の書評から ~テリーマンは報われない編~

俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評からシリーズ」。
サブタイトルは毎回適当についけているので余り気にしないでもらいたい。

まずはコレ。



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欧州サッカー批評



特集の「バルサへの挑戦状」は識者が語るバルサ攻略法を通じ、現在の最先端であるバルサを解き明かそうとする物。どれも的確に分析してるんで、結論が似ていて段々同じ文章を読んでいる気がする。「バルサを倒すにはバルサ化するしかない」とか余り続くとちょっとキツイ。



一応、バルサと違うスタイルとして、放り込みで活躍するストークシティのトリビューリュ監督のインタビュー等は面白いのだが、スウォージーやハンブルガーSV、リバプールの記事は殆どバルサと関係なく無理にくっつけた感じ。その権化が「カッサーノ」のインタビューでバルサとか殆ど無関係。「ミランが俺を変えた」と行ってる数行後にはセードルフやガットゥーゾをおっさん呼ばわりしてて何も変わってない。素敵だ、カッサーノ。



バルサ礼賛がやたらと多いけれど、欧州系好きな人はどうぞ。




続いては・・
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社長・溝畑宏の天国と地獄



圧巻な良書!推薦する!文字通り、元大分トリニータ社長である溝畑氏が大分にやってくる所から始まりトリニータを去るまでのノンフィクション。木村元彦氏の丹念な取材が光る。



官・民が支持していないのに強引に溝畑主導で作られ、20年の間に通常の会社では信じられない破綻経営を行い、ナビスコを制し、手法に賛否ありながら溝畑という巨人によって生み出されたトリニータ。0から生み出すには不可欠なエネルギーの塊のような彼が必要だった事が判ると同時に溝畑後を作らなければトリニータに未来はなかったんだろうなと思う。



ナビスコを制した際には、長崎でも大分の現状を調べようともせずに手放しで「大分に続け」「地方の星」ともてはやした人が大勢いたが・・今、彼らはその事も忘れているのだろうなぁ。そんな彼らに是非読んで欲しい。と同時に、トリニータの過去に比べれば長崎が何と周囲の理解に恵まれていたかがよく判る。



ちなみに04年の末、V・VAREN創設準備中、溝畑氏は準備委員会に招かれて講演を行っている。その頃、この本に書いてあるような状況を長崎はどれ程理解していたのだろう??

賛否両論な人物を中心に据えた為に賞的なものはないだろうが・・読んどけ!
損は絶対させない。


続いて・・
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サッカー批評



お馴染み、サッカー批評。特集は「日本はバルサを越えられるか」。

・・・またバルサか。



今のバルサは確かに歴史に残るチームであり、今、生で見ておけば10年もしない内に絶対に「良いなぁ、あれを生で見れたんだぁ」と言われるレベルなのは判るが、欧州サッカー批評と一緒に読むとちょっと・・。



それより、この号の白眉はミカミカンタ、木村元彦、海江田の3氏による記事だ。ここ最近、サッカー批評はジャーナリズム的素養が強くなっているのだが、、この3本は正にジャーナリズム炸裂!東電、Jヴィレッジ、震災・・それを全て結びつけるフットボールを丹念な取材で追う木村氏、完全に伏魔殿化しているJFAの体質や組織の矛盾点をしっかりと突き、下手なアクション小説よりドキドキするミカミ氏の田嶋専務理事へのインタビュー。日本代表でありながらヤタカラスを背負う事の出来ない代表チームを追う海江田氏の記事。



どれも、取材対象の選定と良い、しっかりと地に足のついた取材と良い、ジャーナリストとしてのポリシーと良い・・正に良記事。優れた読み物で1度読んで色々と考え・・考えてはもう1度記事を読んで考える。日本がバルサを超えるよりもっと知らなければならない事、考えなければならない事があるんだと思える良本!



そして、今回のトリはこれ!

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最近、競技場や練習場で仲良くさせて貰っているミスミさんに貰った「サッカーダイジェストワールドカップ特集本!!」。俺が最も好きな時代の3冊だ。めくるだけで憧れ続けた俺にとっての伝説が・・。ネットも海外フットボールの放送もなかった時代・・不便だったからこそ美しく、楽しく、幻想的だったフットボールがここにはある。しっかり読み込んだり、写真を眺めたり・・多分、無人島に本を持っていけるなら俺はこれらを持っていく!!



ミスミさん、ありがとう。



  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 22:54Comments(3)書籍・雑誌

2011年06月23日

世界の書評から ~ヤムチャ!すぐやられたらアカン!!編~

俺が読んだ本を適当にみつくろって紹介する世界の書評からシリーズの第何弾めか??サブタイトルは第何回か判らなくなって以来、適当につけている。意味は判んないサブタイトルだ。何が何だか・・。



さて、まず最初が001
「サッカー戦術の仕組み」 by 湯浅健二

別に好きって訳じゃないけれど、この人の本は3~4冊持ってる。内容はどれも基本同じ!10年以上前から変わらない!書いている事も変わらない。タイトルも基本似ている^^;
この人の場合、もう理論体系が完成しちゃってて目新しいのが無いんだろう、時代が変るごとに具体例が最近のチームになるだけで、過去に1度でもこの人の戦術本読んだ人なら充分だと思う。



続いては
002
「サッカー戦術の歴史」 by J・ウィルソン (訳:野間けい子)

フットボールの創世記からの変換を戦術に注目しながら語る歴史書。戦術本のたぐいと言うより、歴史本に分類して言いと思う。確かに戦術に注目しているんだけど、当時のフットボール界やらそれをとりまく社会を扱っている。



土台に国際フットボールの歴史だとか背景を理解した上でないと判りにくいと思うので、ある程度、他のフットボール歴史本読んでから行くのが無難。
4000円もするし、うかつに手を出しちゃ駄目だ。


んで、ラストが003
「サッカーセットプレー戦術120」 by 清水英斗



帯にあるとおり、多分日本初のセットプレー専門書。
個人的には戦術としてのセットプレイを扱ってると思ったら、その編は序章で触れて本章はセットプレイの実技と技術の教本だった。図解などもあるのでHowTo本と言って良いと思うが、何と言うか技術の羅列を見ているような気分になってしまう。



セットプレイがサイド攻撃なんかと同じように語られるには、まだまだ戦術体系が作られてないんだろうが・・そういう本があればなぁと思ってしまった。



っとこの3冊で今回は終了。
最近、本をゆっくり読む暇がないと言うのもあるんだけど、取り上げるほどもないような本も多かったので・・。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 20:08Comments(0)書籍・雑誌

2010年10月28日

世界の書評から ~裏切りの代償編~

俺が読んだ本を適当にみつくろって紹介する世界の書評からシリーズの第何弾めか??
サブタイトルは第何回か判らなくなって以来、適当につけている。
今回は「裏切りの代償編」だ!もう何が何だか・・。



今回、最初に紹介するのは毎度、学問やら経済やら民族・歴史などの他分野の視点を持ち込んでフットボールを様々な分野から解き明かす著作を出しているサイモン・クーパーの

「ジャパンはなぜ負けるのか」51r1xsfvs1l__ss500_W杯前に出版された為に、センセーショナルなタイトル狙いでこんな邦題をつけられてしまった可哀想な良作。本の中で著者は日本を将来性のある国で大いに期待が持てると評価しているのに・・このタイトル。ある意味で詐欺タイトルだ。



経済やらビジネスの視点でしっかりフットボールを分析しており、最近のヒット作「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」と同じ傾向本だ。かえすがえすも邦題を考えた編集者のバカさ加減が腹立たしい。



色んな意味で「あぁ、なるほど!」と思いつつ、フットボールの世界、クラブ運営者の常識がビジネスの非常識である事が理解出来る。その上でちゃんと杓子定規にビジネス理論をクラブ経営にもってこず、クラブやらフットボール用にアレンジして、しっかりデータをとってるので似たような他の本と一線を隠す。



こういった本をクラブのトップが徒然と読むようなクラブだとファンは安心だろうなぁ。
つか、フロントは自腹で買ってでも読んで欲しい。


続いての1冊は、コレ。
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「サッカーを100倍楽しむための審判入門」

純粋な審判本。ピッチでは1のボールを3つのチームだけがプレイを許される。
自チーム、相手チーム、そして審判。という訳で忘れられがちな3つ目のチーム審判についてしっかり勉強したくて買った。普段、ジャッジに良非を言う身としては常に研究したいなと思ってるから・・。

審判の歴史や審判システムなどが丁寧に書かれている。クラブから意見が出た場合の対処なども載っており、なるほどと思うことも多い。ただ、読めば読むほど、まだまだ審判に関するシステムが途上である事が判る。

著者も審判のステータスが高くない事を嘆いているが、不十分なシステムである事がステータスを押し上げない最大の理由になってるんだろうなっと。もう少し、対角線式審判法などのテクニカルな面の解説が欲しい所だが、現在の審判システムを理解するのに良い本だと思う。



第1章では過去のJの試合の審判で揉めた試合をしっかり解説しているのだが・・こういう説明を色んな所でもっとやる事は大事だと思う。



そして、おなじみ



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サッカー批評。
W杯前発売の号で日本が惨敗してしまうと警鐘を鳴らし、W杯開催中の号では他誌がW杯一色の中で惨敗後を見据えてJクラブを取り上げたサッカー批評のW杯後は・・「日本代表、W杯の検証」。



W杯以外ではJやらを無視し、W杯期間中は徹底的に取り上げW杯終了後は「W杯の活躍をJに日本サッカーにつなげていきたいですね」とかコメントしながら、その後も見事に国内サッカーをないがしろにする事が4年ごとに繰り返されるマスコミとしては珍しい検証だ。



なぜ、うまく行ったのか?
なぜ、駄目だと事前に思ったのか?



まぁ、事前にあれだけ批判したから引くに引けないと言う事情もあったろうが。まぁ、その為に問題提起などのサッカー批評らしさは少な目だったのが残念。



とりあえず、「以後、こういうのが必要だ」とか「求められる」と何かを語るマスコミがその後、どの程度それに協力してるかなど見ながら、考えながらこの本を手に取ると面白い。


そしてトリを飾るのは・・



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取り上げるのは2度目となる
第90回天皇杯全日本サッカー選手権パンフレット 1回戦・2回戦

これはある意味で「天皇」という名を冠する事もはばかられるようなヒドい出来のパンフレットだ。W杯のスケジュールの関係で各県代表チーム名すら掲載されないという・・これはパンフレットですらない。



スケジュールを設定した時点でこうなるのは判っていた筈で、それにも代わらず予算を無駄使いして作成したと言うことは確信犯的で悪質と言えるだろうし、それを定価で売るのはもうJFAの組織的問題だ。



計画された予算を使い果たさないと駄目なのだろうが・・その予算は小学生の子供のJFA登録料であり、代表選手の無理を推した活躍に感銘を受けた企業の後援料だ。そこを考えてほしい。

こんなパンフレットを作るくらいなら、その分でも4種の子供の登録料免除などをしてほしい。



俺もデュカの奢りでなければ絶対に買わなかったろう。だが、こうして問題提起出来るのだから奢ってくれたデュカには深く感謝したい。そういう意味で俺にとっては入手して良かった、ありがたい本だ。でも、みんなは買わない方が良かったろうね。



  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 20:21Comments(0)書籍・雑誌

2010年07月29日

世界の書評から ~猪突猛進編~

っという訳で読んだ本系を紹介するコーナーだ。
もう何回目かサッパリ判らないので毎回「乱世群雄編」とか「輪廻転生編」とか適当なサブタイトルをつけている。今回も適当に「猪突猛進編」だ。

まずは・・



01「サッカーの敵」
フットボールに関するっと言うよりフットボールをアンダーグランドから取り巻く人々を扱った本。東西冷戦時代の「東ドイツ在住の西ドイツクラブサポーター」やら「権力者の関与するフットボールクラブ」やらが次から次と紹介されている。明るく、楽しいフットボールではなく、表に出ない・・暗く、理不尽なフットボールにまつわる本だ。
読んでると何となく暗い気分になるが・・著者のサイモン・クーパーはこういったちょっと変わった視点でフットボールを語る人だ。癖はあるけど、好きな人はどうぞ。


02

「J'sGOALの熱き挑戦」
Jリーグ公式ファンサイトJ'sGOALに関する本。今年の頭頃に、あるプロジェクトの資料として買った。本の帯の自画自賛的煽り文句はちょっとアレだし、それほど「オオッ!」とか「なるほど」という事は書いてないが、こういったファンサイトに関する本は少ないので稀少と言えば稀少。公式サイトと公式ファンサイトのコンセプトの違いなんかも書いてる。一般向けじゃないなぁ。


03
「蹴りたい言葉」&「蹴球神髄」
どちらもフットボールにまつわる名言を集めた本。蹴りたい言葉はコメントの横に注釈が入る事が多く丁寧に解説してくれる。逆に蹴球神髄は出来るだけ注釈は少なくしている。名言は基本的にその名言を言った人物や背景などを理解している方がより楽しめるので、そういったのに明るくない人は蹴りたい言葉。そうでない人は蹴球神髄をどうぞ。じっ~っと読むより、思いついた時やちょっと暇な時に手をとってパラパラっと読むのが良さげ。


04
「サッカーの見方は1日で変えられる」
プロ観戦術と書いてはあるものの、戦術本系を1度でも読んだ人なら知ってる事が大半。正直、目新しいものは何もないのだが、この本は編成の仕方が上手いと思う。
字を大きめに、
基本的な事だけを押さえ、
HOWTO本っぽいデザイン

にしており、戦術には興味あるけれど、文読むの好きくありませんって人に向いてるんじゃないかと。そんな感じの本。


そして・・今回のトリを飾るのが・・これ!

05
「メキシコの青い空」
もう3年も前に出版された本なのだけど・・最近、読み返して



再号泣!



日本が誇る最高のフットボールアナウンサー山本浩さん。恐らく日本のフットボールファンで彼をリスペクトしていない人はいないだろう。彼の20年の実況を振り返った名著。

メキシコワールドカップ予選、本選。イタリアワールドカップ予選、本選。広島アジアカップ、ドーハの悲劇、アメリカワールドカップ、アトランタ五輪、ジョホールバル、フランスワールドカップ・・。もうこれらを見てきた人のハートは確実に鷲づかみにされる。

ポイントでその試合での実況が再現されるのだが・・ジョホールバルの所で泣いた。久々に本で泣いた。本の中の実況文が当時の絵と一緒に頭の中で蘇る。実況文がちゃんと頭の中で山本浩氏の声で再生される。この素晴らしいアナウンサーの実況をダイレクトで何度も聴けた自分らの世代は本当に幸せだったと噛み締める。



V・ファーレンの試合を見ていても脳内実況したくなる。
「曲げてきた!」
聞きたいなぁ・・。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 20:01Comments(0)書籍・雑誌

2010年07月08日

世界の書評から ~輪廻転生編~

第何弾か数えるのが判らなくなってから乱世群雄編とか電光石火編とか適当にネーミングしてきた俺が読んだフットボール本を書くだけの「世界の書評から」シリーズ!
今回のタイトルも適当に・・輪廻転生編!とする。



サッカー スカウティングリポート

01
アトランタ五輪や98年W杯でスカウティングを担当した小野剛さんの著作。戦術本ブームも一段落した中での変化球本か?タイトル通り、試合における相手チームの分析を解説。と言っても全5章中、分析のノウハウは1章にまとまっている。観戦のお供とするのは不向きな見方なので興味のある人向け。終わり2章はアトランタ五輪、フランスW杯をスカウティングした時の話になってるんで、当時の回顧本としてもどうぞ。



戦術クロニクルⅡ



02
前にここで取り上げた奴の第2弾。王道、時代を代表した戦術が中心だった前作に続いて、今回はそれらの対とも言えるややマイノリティ系戦術を取り上げている。とは言え、引いてからのカウンターといった普遍的な戦術も取り上げられているので前作より実用的?かも。ややむりやりこじつけだろう的な解説もあるし、マイナー系戦術は膨大過ぎて取り上げきれないし、ナカナカ難しい。完全な好事家向けだけど、カウンター、ロングボールといった戦術って一番身近だなぁっと感じる。



W杯ビジネス30年戦争



03
かなり前の本。中古で安くなってので何の気無しに買った。ワールドカップ招致とそれにまつわるビジネスと政治を書いた本。初な人の美しいフットボールの幻影は壊れるかもしれないが、これが現実で、こういった清濁合わせ飲むのも現実。電通、日本サッカー協会寄り目線は気になるが、ビジネス系の娯楽小説好きな人は好きだろう。1冊読めば充分だと思う。こんな利権と欲すら実際のワールドカップの試合を見るとどうでも良くなる。

スポーツ凄いネ。


そして毎度お馴染みサッカー批評だ。

06
前号で「ワールドカップベスト4なんて無理!このままだと負けてサッカー冬の時代がきちゃうよ」的な特集を組んだからか、ワールドカップ直前に発売されながら「Jリーグ特集」。
でも、それがかえって腰の落ち着いた良い企画となっている。
各クラブの経営や取り組みを取り上げて、「地域密着」を真剣に考えよう、クラブの個性を作ろうという本になってる。ウチのフロント必読すべし!



そして、今回のトリを飾るのは・・「長崎県スポーツ史」
04
長崎新聞で昭和57年から連載された「長崎県スポーツ史」という連載を連載終了後にまとめて再編纂されて刊行された「こんな無茶な企画はさすが長崎新聞!」「ローカルメディアの鏡」とでも呼ぶべき一冊。昭和63年に発行された本の厚さが5cmを超える・・ほとんどブリタニア百科事典な感じの厚さだ。競技関係者でもないのにこんなの持ってる奴はほとんどいないだろう。

内容はそのまま長崎の全スポーツ史を紐解いている。フットボールについても詳しく、長崎のフットボールの歴史についてViなどに書かせてもらった際に参考にさせてもらった。
ちなみに写真も抱負で





05



前回の長崎国体の写真などを見ると・・「あっ、あなたは!!」という知り合いの人達が沢山掲載されている。前に写真の当事者達とこの話をして盛り上がった事も・・。



最近、忙しくて本を読むペースが落ちている。
なのに、昨日10冊新しく注文した。がんばれ俺。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 20:03Comments(0)書籍・雑誌

2010年02月09日

フットボールの犬を読んでます。

ここで書いた通り、俺は地域リーグライターとしての宇都宮徹壱氏には共感を覚えた事はない。

文章力とか、取材力と言う点は素晴らしい。現場に常に顔を出す氏の姿勢はプロとして尊敬に値するし、誠実に向き合う姿勢も素晴らしいと思う。だが、実際に応援している地域リーグのサポーターから見るといつも、どこかでズレを感じさせているのも事実だ。

それは氏が「地域リーグの取材者」であって、「日本サッカーの中の地域リーグ」の視点に立っているのに対して、実際に地域リーグのサポーターをやっている者は「地域リーグの当事者」であって、「自分のチームを中心に据えた」視点に立っているからだろう。だが、マスメディアでは徹壱さんを「地域リーグ当事者の代弁者」のように扱う為に、どうしても「いや、言ってる事は俺達とちょっと違う」となってしまう。



俺が「地域リーグライターとしての彼」に共感を覚えないのはそういう理由だ。
だが、非常に優れたライターであるとは思っている



この人の本流は「日本サッカー界」や「世界のサッカー」といった大所高所からの発想や視点、着眼点の素晴らしさだと思う。



例えばこの記事
アジア杯予選イエメン戦における日本サッカーを取り巻く問題点を鋭く指摘し、読んだ時に心の中で喝采を送った程だし、最新書籍の「フットボールの犬」を現在読んでいるが、「よくぞ、こんなのを取り上げてくれた!」と思う、実に良い内容だ。地域リーグを語る時の、過剰な思い入れや演出が、日本サッカーやワールドサッカーを語る時には見られずグイグイ引き込まれる。



是非、これからも世界中を飛び回って、こういう素晴らしい記事を発信してもらいたい。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 23:23Comments(2)書籍・雑誌

2009年11月05日

世界の書評から ~電光石火編~

さて、不定期に届けている世界の書評から。



今回はまずコレ。



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フットボール・ライフゼロ

まぁ、一応商業誌だけど、俺が出しているフリーペーパー 「プロビンチア」にも共通する 情念系の物好きが本当に好きで書いているようなシロモノ。同人誌的とでも言えばわかりやすいだろうか?引退したR・バッジォが今どうしてるか突撃で逢いに行く記事がVol.1の巻頭記事なのに、思いっきりチラッとしか逢えなかったり、引退した選手を追っかけたり・・。
読み物的には大衆迎合型でない感じ。パラパラっと読む感じの本。
記事的には「ロンドンぶらり大人の小旅行」が好き。イングランド3部に今在籍するかつての名門ミルウォールのスタジアムに行ったりするんだが、スタジアムの空気が結構生で伝わる。



この本が商業的成立するようになった日本はワールドカップで優勝が狙えると思う位に物好きの為の本だ。多分・・Vol.3は出ないと思う^^。





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世界のサッカー応援スタイル。



物凄くわかりやすいまんまなタイトルの本。ついにこういう分野が取り上げられる程、日本サッカーは来たかと・・。まぁ、内容的は少し海外サッカーに興味あったり、サポーターとかやってたりする人間なら知ってる事ばかりな内容。 料理や観光のガイド本みたいなもんで、最低でも応援について語りたかったり、知ったかしたければこの本の内容くらいは知ってないと同レベルで話も出来ないよって位の基本線。



サッカー本で最も多いのは技術本、次が個人本、次が戦術とクラブ経営の本。そしてついに応援やらサポーターにまでこういう範囲が広がったんだなぁ・・っという意味では良い本だと思う。



そして次は・・



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スポーツ・マネジメント 理論と実務



本来はそれ系の大学とかでテキストとして使われたりするであろう本。
内容はほとんどサッカークラブの経営を中心としており、あとは著者達が関わったプロ野球千葉ロッテの成功例などを扱ってマネジメントを述べている。



これを読めばプロクラブ経営というのが一般の会社経営と似て非なる物という事が判って一般の会社経営の感覚が通用しないと認識出来るだろう。こういった部分を理解しないと判らない事が多い。問題は・・これを本気で理解しながら読むと時間がかかる事。俺もノートとりながら3週間くらいかかった。時間のある学生さんなどじゃないと時間がなさそう。
(バッと読むだけなら2時間でも読めるけどね。)



非常に実務的・実用的な本で実例も多く挙げられているし具体的に書いてる。プロサッカークラブのフロントの本棚に一冊あって良い本だと思う。



最後はちょっとアレなのでボカす^^;



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サッ●ー△×



中身も見ずに買ってしまった。
サッカー本なら何でも良いと思った。
今は反省している。



多岐に渡ってフットボールを取り上げられているのだが・・ほんと思いつきの話を繋ぎ合わせてるだけで一貫性も何もない。ひらすらウルトラスニッポン賛美と自分の思い込みです。この著者、初心者やミーハーが大嫌いで憎悪すら抱いているのが文中からよく判る。

まぁ、内容はそんななのだらけでほとんど無い。
しかも最大の問題は商業出版レベルでは考えられらない程、文章が書けてない事。文頭が「ですます調」なのに、途中でいきなり「なのだ!」とか「なんである!」と口調は変わるし・・。



あんまりにも有り得ない文章力なので少し調べると・・この出版社は金を取って出版してやって、ついでにアマゾンにも一定期間並べてあげるという・・自費出版の亜流らしい。
買わされた方はたまったものじゃないが・・せめて金取ってるんなら文章の推敲くらいしてやれよって感じ。



まぁ、かつては「マガジン」と「ダイジェスト」以外にほとんど無かったフットボール本。
それがこれだけ多岐に渡って出るって事はフットボール文化が成熟してきているって事なのかもしれない。レベルはピンキリだけどね。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 20:49Comments(0)書籍・雑誌

2009年06月22日

世界の書評から ~流浪編~

久々にサッカー関連の書評でも・・



っても最近は紹介したいような本を買ってないので3冊だけ。



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「オールナイトサッカー」
1年ほど前に出た「サッカー番長」の続編。
辛口と言われる解説者「杉山茂樹」氏の責任編集本第2弾。
内容はインタビューやら戦術やらマスコミやら雑多。紙面は一般では書きにくい批判やらが多め。日本サッカー界、ひいては今の目の前のサッカーの何が問題なのかピンとこない人にはヒントが散りばめられてて良さげ。



サッカー番長に比べて内容がバラエティに飛んでるので全作のような中だるみ感は少なく結構スラスラ読める。ただ、数字やデータによる裏付けより情念で作り上げられてる本なので好き嫌いは別れそう。



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「サッカーマルチ大辞典」
これは2002年頃に出た古い奴で古本屋で安く買った一冊。
内容はその名の通りのサッカー関連の辞典。まぁ、何か書くときのネタ本だったり、パラパラと斜め読み程度で読むのが普通の使い方。雑学系が好きな人はどうぞ。



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「サッカー批評」
色んな人が「今号は良いよ」っという一冊。
今回はJのクラブトップの取材、インタビューを変な脚色無しに並べ、J、クラブ、地方のそれぞれの現状をあぶり出す特集が秀逸。移籍金撤廃の問題点もしっかり取り上げているし、クラブチームとは、地域密着とはを考えさせてくれる。
是非、読んで欲しい。

つか、今時、批評も読まずにJやらサポーター、クラブ語る奴の方が少ないけどね。



特にレギュラーコーナーの「ゴール裏センチメンタル合唱団」と「母国130年の歴史から紐解く<私的・フットボール温故知新>」のは今の長崎のサポーターやらマスコミの問題に通じる絶好の記事。



オールナイトサッカー、サッカー批評、どちらも現在のマスコミに対して強い危機感を持っているのが見て取れる。
Jが出来てサポーターは明らかに成長した。選手達のレベルもあがった。実はマスコミだけが置いていかれているのかもしれない・・っと考えそうになった。



最近、本を馬鹿買いしていないので来月中に馬鹿買いをしようと思う。
これ読んどけってサッカー関連本とかあったら、ぜひコメントで紹介してほしい。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 23:17Comments(0)書籍・雑誌

2009年01月25日

世界の書評から 番外編

今回の世界の書評からは番外編。
理由は簡単で俺はこの本の作成に関わった側で、記事を書いた側だから。
ですので、後書きのような物と思ってくれればっと思うので・・。



っという訳で今回取り上げるのは「vi:」



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確か、1番最初に話を貰ったのは九州リーグ終ってから。
俺の方から出した条件は一つだけで
編集には関わりたくない、単純にライターならやります」。



まぁ、その後の話し合いで
「九州リーグを書いて欲しい」
「長崎とサッカーとV・ファーレンのデータを出して欲しい」
「書店で販売するので余りコア寄りにならないように」

程度の注意事項や説明を受けながら最初の原稿は3週くらいで完成させたものの「批判が多すぎる(笑)」「チーム全体と同時に選手にもスポットを」と助言され修正。

って言うか、この頃は提出するデータが多すぎて、原稿の方には中々集中出来んでした。
やっとデータが出せたので原稿に集中して全面書き直し。地域決勝の最中も高知やら石垣島でハンモックに揺られながら原稿書き。

九州リーグの原稿は大枠はともかく中身はコア向けから一般の人、初めてV・VARENに接する人向けに3割程度修正、変更を受けつつ完成。
その後、更に選手の全データの依頼。

ちなみに、選手のデータで俺が把握出来てないデータは「2005年の九州社会人」だけ。それ以外は全てキッチリ記録してる。俺の手帳には大半の試合・・特に07年からの試合は全てフォーメーションまで記録されてる。全部、目で見て、周囲に確認してるので、「たまにミスのある公式記録」より正確です。これは絶対の自信。
そのデータを基にしてるので単純な計算間違いでもない限り、最も正確な記録集だと思う。



そのデータが終ったかなっと思ったら、年表の依頼。
あの年表、去年ナガサキスタンダードの年末号外「IWAMOTO NAGASAKI EDITION」を持ってる人なら判るだろうけど、あの年表のリサイクル。
山頭さんの
「あのままで終るには勿体無いので、本来の出版的には例外的だけど使いたい!」と高く評価した上でのお誘いを受けて、一部の人にしか判らない部分は除いて掲載する事で引き受ける。



俺の苦労はこの程度だけど、viの編集スタッフはスポンサーを集め、販路を確保し、レイアウトをデザインし、様々な調整を行い、山頭さんと仲野さんは何十万枚に及ぶ写真のチェックをやったり、あがってきた原稿の編集をやったり、連絡をやったり、インタビューやら写真撮りに行ったり、あらゆるライターと連絡を重ねたり、文章の推敲と校正をやったり、チームと話し合いしたり・・・。



発行1ヶ月前には「逃げたい」とこぼし、出来上がる頃も「もう編集なんてしたくない」と半分マジで笑って言ってた山頭さんが「vi:」の発売イベントでは「今度はJリーグ昇格本を作りたい」って言っちまうんだから・・それだけの手応えがこの本にはあるって事っすな。



どぞ、読んでみて下さいな。



そして、編集さん、お疲れ様でした。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 01:43Comments(2)書籍・雑誌