2015年01月26日
2015 V・V長崎 新シーズン②
前回の続き。
さて、今回のチーム編成で過去3年と違うのがヘッドコーチと、強化部長の交代だ。
安達ヘッドコーチは2013シーズンにはヴィッセル神戸を率いてJ2を戦い2位でJ1昇格を達成。
昨年も引き続き神戸の監督としてJ1を戦った人である。
クラブは安達氏ヘッドコーチ就任について
「監督は非常に孤独で孤高な仕事であり、監督経験者にしか理解できない部分がある。
監督を経験している安達ヘッドコーチだからこそ、高木監督を支えられる面もある・・」
という意味の説明を行い、安達ヘッドコーチも同様の気持ちを述べている。
高木監督自身も、「J1経験チームが半分を占める今年のJ2で昨年までJ1で戦った安達ヘッドコーチは
生きた情報も持っており、その点でも良いタイミングで来てくれた」という旨の発言を会見で語った。
安達ヘッドコーチも新体制発表会見で2年前に長崎で戦った時のゲームを引き合いに出し、
「ゲームに勝利したが、内容は長崎が上だった。盛り上がりも含めて長崎の将来にポテンシャルを感じた」
と述べており、ヘッドコーチ就任のオファーも即決と言うほどの早さだったということだ。
また、丹治強化部長はJFL時代からベガルタ仙台(ブランメル仙台)を支えた人で
仙台サポーターをして「サポーター以上に仙台を愛している」とまで言わしめた人物だ。
個人的にも、つい目の前のシーズンに力が入り過ぎな強化スタッフが多い中で、選手だけでなく
チームやクラブや監督、スタッフも含めて熟成を待つことの出来る
稀有な強化部と感じていた人だったので長崎入りを知った時は小躍りするほど驚いたものだ。
既に何度か話をさせていただいたが、20年に渡って色々な部署に関わりながらやってきた
”現場の叩き上げ”としての自信や覚悟がそこかしこにあり、非常に頼もしく感じる。
丹治強化部長については、服部GMにとっても「意中の人」であり、今回迎えられたことを本当に喜んでいる。
その丹治強化部長が長崎入りを決めた理由も「長崎にポテンシャルを感じた」というもの。
個人的な意見として言わせてもらえば、この2人の獲得は、今後のクラブ・チーム強化にとって
現役代表選手を獲得した以上の成果だと思う。
また、丹治強化部長の招聘に伴い強化部長を退き、GM専念となる服部GMだが、
新体制発表後の定例会見で取り組みたいことを5つ挙げた。
①ハード、ソフト両面でのトップチームの環境整備
②アジア戦略
③クラブスタッフの育成
④経営の安定
⑤地域との連携
実はあと一つあるらしいが、会見では教えてもらえなかった(笑)。
それぞれに向けて既に動き始めているものも多い。
「J1に昇格するためのクラブではなく、J1で戦えるクラブ作り目指す」はチーム、クラブ共通の目標だ。
全てのプロクラブには「スポーツで街を元気に」というのが理念としている。J1でもJ3でもそれは変らない。
だが、各地域やチームに応じてそれぞれ理念を実現する方法は違っている。
同じように所属するカテゴリーにも優先すべき目標がある。
J2に昇格したばかりのクラブが、最終的な目標として世界1を目指すべきだが、
イキナリ世界1を目指して活動するのは無理だ。
それは初めて自分の店を持ったオーナーが、明日の仕入れより
界1のレストランにするために2号店の土地を探し回る方に力を入れるようなものだと思う。
そういう意味でJ2クラブの最優先目標は
「クラブを倒産させないこと」、「クラブの経営安定化の方法を探すこと」だ。
その上で次の目標は「J1への準備を整える」となる。
例えば自前の練習場も持たない、ユースは県内最弱、監督が主務も兼任のクラブがあったとして、
そんなクラブがJ1で戦えるだろうか?
国内最高峰のプロリーグであるならば、やはり練習場は自前で確保し、
ユースも優秀な選手を輩出し、チーム内にもそれぞれ専門のスタッフを抱えるべきだ。
それがプロへの憧れを強くし、プロの価値は更に高まるのだから・・。
「J1で戦えるクラブ作り」へ向けて勢いを増す・・そんなシーズンとなってほしいものだ。
さて、今回のチーム編成で過去3年と違うのがヘッドコーチと、強化部長の交代だ。
安達ヘッドコーチは2013シーズンにはヴィッセル神戸を率いてJ2を戦い2位でJ1昇格を達成。
昨年も引き続き神戸の監督としてJ1を戦った人である。
クラブは安達氏ヘッドコーチ就任について
「監督は非常に孤独で孤高な仕事であり、監督経験者にしか理解できない部分がある。
監督を経験している安達ヘッドコーチだからこそ、高木監督を支えられる面もある・・」
という意味の説明を行い、安達ヘッドコーチも同様の気持ちを述べている。
高木監督自身も、「J1経験チームが半分を占める今年のJ2で昨年までJ1で戦った安達ヘッドコーチは
生きた情報も持っており、その点でも良いタイミングで来てくれた」という旨の発言を会見で語った。
安達ヘッドコーチも新体制発表会見で2年前に長崎で戦った時のゲームを引き合いに出し、
「ゲームに勝利したが、内容は長崎が上だった。盛り上がりも含めて長崎の将来にポテンシャルを感じた」
と述べており、ヘッドコーチ就任のオファーも即決と言うほどの早さだったということだ。
また、丹治強化部長はJFL時代からベガルタ仙台(ブランメル仙台)を支えた人で
仙台サポーターをして「サポーター以上に仙台を愛している」とまで言わしめた人物だ。
個人的にも、つい目の前のシーズンに力が入り過ぎな強化スタッフが多い中で、選手だけでなく
チームやクラブや監督、スタッフも含めて熟成を待つことの出来る
稀有な強化部と感じていた人だったので長崎入りを知った時は小躍りするほど驚いたものだ。
既に何度か話をさせていただいたが、20年に渡って色々な部署に関わりながらやってきた
”現場の叩き上げ”としての自信や覚悟がそこかしこにあり、非常に頼もしく感じる。
丹治強化部長については、服部GMにとっても「意中の人」であり、今回迎えられたことを本当に喜んでいる。
その丹治強化部長が長崎入りを決めた理由も「長崎にポテンシャルを感じた」というもの。
個人的な意見として言わせてもらえば、この2人の獲得は、今後のクラブ・チーム強化にとって
現役代表選手を獲得した以上の成果だと思う。
また、丹治強化部長の招聘に伴い強化部長を退き、GM専念となる服部GMだが、
新体制発表後の定例会見で取り組みたいことを5つ挙げた。
①ハード、ソフト両面でのトップチームの環境整備
②アジア戦略
③クラブスタッフの育成
④経営の安定
⑤地域との連携
実はあと一つあるらしいが、会見では教えてもらえなかった(笑)。
それぞれに向けて既に動き始めているものも多い。
「J1に昇格するためのクラブではなく、J1で戦えるクラブ作り目指す」はチーム、クラブ共通の目標だ。
全てのプロクラブには「スポーツで街を元気に」というのが理念としている。J1でもJ3でもそれは変らない。
だが、各地域やチームに応じてそれぞれ理念を実現する方法は違っている。
同じように所属するカテゴリーにも優先すべき目標がある。
J2に昇格したばかりのクラブが、最終的な目標として世界1を目指すべきだが、
イキナリ世界1を目指して活動するのは無理だ。
それは初めて自分の店を持ったオーナーが、明日の仕入れより
界1のレストランにするために2号店の土地を探し回る方に力を入れるようなものだと思う。
そういう意味でJ2クラブの最優先目標は
「クラブを倒産させないこと」、「クラブの経営安定化の方法を探すこと」だ。
その上で次の目標は「J1への準備を整える」となる。
例えば自前の練習場も持たない、ユースは県内最弱、監督が主務も兼任のクラブがあったとして、
そんなクラブがJ1で戦えるだろうか?
国内最高峰のプロリーグであるならば、やはり練習場は自前で確保し、
ユースも優秀な選手を輩出し、チーム内にもそれぞれ専門のスタッフを抱えるべきだ。
それがプロへの憧れを強くし、プロの価値は更に高まるのだから・・。
「J1で戦えるクラブ作り」へ向けて勢いを増す・・そんなシーズンとなってほしいものだ。
2015年01月19日
2015 V・V長崎 新シーズン①
年が明けてチームが始動すると、今シーズンへ向けた色々な企画や依頼が増える嬉しい時期。
そのために中々、ブログを書くヒマも無いのだけれど、1月15日にチームも始動したので、
このあたりをなぞりながら、補強や新体制などについて簡単にサラ~っとだけ書いてみる。
なぜサラ~っなのかと言うと、補強や、新チームについてなど色んな媒体さんから依頼を受けているので、
ここで詳しく書いてしまうと、出版不況の時代にあっても依頼をくれる編集部に面目が立たないのだ。
日本は資本主義国家であり、僕もカスミを食っては生きていけない。
かの大歌人「石川啄木」ではないが、
「はたらけど、はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る」
この苦しい胸の内を察してくれるとあり難い(笑)。
ちなみにどうでも良い知識だが、石川啄木は
この当時、平均月収の2倍以上のお金をもらいながら、芸者遊びで月収54か月分の借金を作ったり、
交際していた芸者をお金で別の男に平然と売り飛ばしながらも、その女性に後に堂々と借金を申し込んだり、
「一度でも我に頭を下げさせし、人みな死ねといのりてしこと」
と逆ギレ感満載の句を読んでいる人です。
そりゃあ、いくら働いても(それ以上に遊ぶので)暮らしは楽になりませんね。
ハンパなく話題がそれまくったが、ではチームの方を見てみよう。
シーズン前・中に他クラブへ期限付き移籍した選手を除き14名の選手が移籍や引退などでチームを去り、
現時点で期限付き移籍での加入を含む12名が新たにクラブへ加わった。
クラブを離れた選手達の中でも戦力として特に影響が大きいのが
ゲームキャプテンで2シーズン、DFの要を務めた山口(大分へ移籍)、
昨年加入ながら最もリーグ戦で安定していたボランチの三原(神戸へ復帰)、
攻撃の要であった奥埜(仙台へ復帰)の3名となるだろう。
他にも、故障が多かったとは言え貴重な左ききだった野田君(甲府へ移籍)の離脱も小さい影響ではない。
一方で、昨年怪我がちだったが高いポテンシャルを持つ黒木が完全移籍で長崎に加わり、
移籍が懸念されたFWヨンジェが残留、リーグ途中からレギュラーとなった植草も完全加入。
更に、豊富ではない強化費の中で、レンタル6名を含む12名の補強と顔ぶれは驚異的と言っていいだろう。
連携面や選手同士の組み合わせの問題は未知数だが、
梶川、刀根はそれぞれ奥埜、山口の抜けた穴を充分に埋めるだけの存在であり、
他の10名も今まで以上に個性や個人の持つ武器がハッキリしており、
起用法によっては強化のみならず、戦い方の幅を広げることも可能だ。
由紀彦君の背番号10を受け継いだ花井に関しては、
クラブ関係者も「技術やセンスは代表でやれるレベル。長崎で足りないものを補えば・・」と期待を寄せる。
また、クラブ史上最高のFWだった有光君の13番を受け継いだのは上形君。
この13番は昨年ある選手に与えようとしたが、
タイプもPSも違うことから13をあえて空けた経緯もあり、上形君への期待もうかがえる。
補強のポイントとなったのは「縦の早さ」、「高さ」、「年齢」。
昨年までの運動量や攻守切替の早さにこれらの特徴が加わるのが今年のベースになると思われる。
・・という所で次回へ続く。
次回はチームスタッフや取り巻く状況などを予定。

そのために中々、ブログを書くヒマも無いのだけれど、1月15日にチームも始動したので、
このあたりをなぞりながら、補強や新体制などについて簡単にサラ~っとだけ書いてみる。
なぜサラ~っなのかと言うと、補強や、新チームについてなど色んな媒体さんから依頼を受けているので、
ここで詳しく書いてしまうと、出版不況の時代にあっても依頼をくれる編集部に面目が立たないのだ。
日本は資本主義国家であり、僕もカスミを食っては生きていけない。
かの大歌人「石川啄木」ではないが、
「はたらけど、はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る」
この苦しい胸の内を察してくれるとあり難い(笑)。
ちなみにどうでも良い知識だが、石川啄木は
この当時、平均月収の2倍以上のお金をもらいながら、芸者遊びで月収54か月分の借金を作ったり、
交際していた芸者をお金で別の男に平然と売り飛ばしながらも、その女性に後に堂々と借金を申し込んだり、
「一度でも我に頭を下げさせし、人みな死ねといのりてしこと」
と逆ギレ感満載の句を読んでいる人です。
そりゃあ、いくら働いても(それ以上に遊ぶので)暮らしは楽になりませんね。
ハンパなく話題がそれまくったが、ではチームの方を見てみよう。
シーズン前・中に他クラブへ期限付き移籍した選手を除き14名の選手が移籍や引退などでチームを去り、
現時点で期限付き移籍での加入を含む12名が新たにクラブへ加わった。
クラブを離れた選手達の中でも戦力として特に影響が大きいのが
ゲームキャプテンで2シーズン、DFの要を務めた山口(大分へ移籍)、
昨年加入ながら最もリーグ戦で安定していたボランチの三原(神戸へ復帰)、
攻撃の要であった奥埜(仙台へ復帰)の3名となるだろう。
他にも、故障が多かったとは言え貴重な左ききだった野田君(甲府へ移籍)の離脱も小さい影響ではない。
一方で、昨年怪我がちだったが高いポテンシャルを持つ黒木が完全移籍で長崎に加わり、
移籍が懸念されたFWヨンジェが残留、リーグ途中からレギュラーとなった植草も完全加入。
更に、豊富ではない強化費の中で、レンタル6名を含む12名の補強と顔ぶれは驚異的と言っていいだろう。
連携面や選手同士の組み合わせの問題は未知数だが、
梶川、刀根はそれぞれ奥埜、山口の抜けた穴を充分に埋めるだけの存在であり、
他の10名も今まで以上に個性や個人の持つ武器がハッキリしており、
起用法によっては強化のみならず、戦い方の幅を広げることも可能だ。
由紀彦君の背番号10を受け継いだ花井に関しては、
クラブ関係者も「技術やセンスは代表でやれるレベル。長崎で足りないものを補えば・・」と期待を寄せる。
また、クラブ史上最高のFWだった有光君の13番を受け継いだのは上形君。
この13番は昨年ある選手に与えようとしたが、
タイプもPSも違うことから13をあえて空けた経緯もあり、上形君への期待もうかがえる。
補強のポイントとなったのは「縦の早さ」、「高さ」、「年齢」。
昨年までの運動量や攻守切替の早さにこれらの特徴が加わるのが今年のベースになると思われる。
・・という所で次回へ続く。
次回はチームスタッフや取り巻く状況などを予定。
2015年01月07日
あらためて長崎における2014年の集客を振り返ってみる
選手補強関連については、もう少し残っている部分が終わってから書いてみるとして・・
今日はこれさえ順調ならクラブの諸問題の多くが一気に解決できる・・「集客」について。
昨年、長崎の一試合平均集客数は4,839人。一昨年は6,167人。1,500人近い減少だ。
しかし、数字を見た印象論ではなく実態を掴む為に、もう少し細かく数字を見てみる。
グレーの試合は県総ではなく長崎市の柿泊での開催。
また冠部分のJファミリーというのは「JファミリーJoinデイズ」で、
Jリーグが5月の連休中にファミリー層を向けに行うイベントのこと。
紫色の集客数は、その年の平均観客動員数を上回る集客の試合である。

これを元に以下の3つの点を記しておく。
【昇格バブルの有無】
2013年の長崎は、昇格時に支援の輪が一時的に広がる昇格バブルと言われる時期だった。
これは、商店街のイベント時や大型商業施設出店時にも見られるもので、
地域再生プランナーの久繁哲之介氏は、著書「地域再生の罠」の中で「話題性確認消費」と定義している。
話題になっているものの確認が目的なので、確認が終われば行かなくなる持続不能な消費行動ということだ。
2013年のガンバ戦が代表的なケースで、「初のJリーグ」「新スタジアム」「対戦相手の日本代表選手」・・
などの確認が目的だった層が18,000人の観客内で大きな割合を占めていた。
この直後の富山戦が2,000人台なのもこの考えを裏付ける。
負けたとは言え、内容あるゲームを見せたのに、約16,000人は次のゲームに足を運んでいないのだから。
【土曜集客の弱さを改めて露呈】
土曜開催は集客効果が高いとされるが、完全週休二日制導入率が全国最低レベルの長崎県では話が違う。
2013年の土曜開催公式戦の平均集客数が5,237人で2014年が3,900人。
2013年は昇格バブルの影響のおかげで土曜開催による集客低下を最小限にくい止めているが、
2013年が土曜3回・平日1回の開催だったのに対して、
2014年はホームゲームの30%(7回)が土曜開催だった事で
露骨に問題が表面化し、1,000人近い低下率になったのではないだろうか?
実際に日曜開催の一試合平均観客動員数は、2013年が6,290人。2014年が5,308人。
どちらも年間一試合平均観客動員数を上回る。特に2014年は一試合あたり500名近い差が出ている。
2014年が全試合日曜開催だった場合と比較して、土曜7試合×500=3500人を失った計算となる。
【終盤6試合で表れた順位の影響】
9月頃からはイベント開催や動員など集客のスパートがかかるのだが、
2013年はJ1昇格プレーオフ出場権の6位以内をほぼ手中に納めて終盤戦を戦っていた事もあって、
9月以降は一試合平均8,680人で8月までの一試合平均と比べると3,000人以上伸びた。
だが、2014年は苦戦が続きプレーオフ進出が難しい中、
9月からの一試合平均(6,125人)は8月までと比較して前年の6割程度(約1,800人)の伸びにとどまった。
ちなみに、8月までの一試合平均は2013年が5,162人で2014年が4,324人・・差は838人。
前述したG大阪戦での18,000人というレアケースがあった2013年と比較してこの差ならば、
終盤の成績次第では集客数が変った可能性はある。Jリーグ2年目の長崎ではまだ、
目指すサッカーの面白さや地元チームへの愛着より、成績や話題性が大きく影響するのだから。
これらを踏まえての僕が考える2014年の集客は
「昇格バブル後の実質的な1年目となった中、
集客は本来微増ペースだったが、
上記の3要素を乗り越え切れなかった」
と言える。三要素をクリア出来るだけの力強さが足りなかったという言い方もできると思う。
勿論、これらは数字を見た上での僕の見解に過ぎない。
実際には天候や交通アクセス、運動会などのイベントの影響など本来考えるべき要素はまだまだある。
だが、上に挙げた3つの理由は確実に大きく影響したと思っているし、
今季のV・VARENの集客についても、自分の中で出した2014年の結論をベースに注視していきたいと思う。
とりあえず・・今年は、土曜開催は減っていると嬉しいな。
今日はこれさえ順調ならクラブの諸問題の多くが一気に解決できる・・「集客」について。
昨年、長崎の一試合平均集客数は4,839人。一昨年は6,167人。1,500人近い減少だ。
しかし、数字を見た印象論ではなく実態を掴む為に、もう少し細かく数字を見てみる。
グレーの試合は県総ではなく長崎市の柿泊での開催。
また冠部分のJファミリーというのは「JファミリーJoinデイズ」で、
Jリーグが5月の連休中にファミリー層を向けに行うイベントのこと。
紫色の集客数は、その年の平均観客動員数を上回る集客の試合である。

これを元に以下の3つの点を記しておく。
【昇格バブルの有無】
2013年の長崎は、昇格時に支援の輪が一時的に広がる昇格バブルと言われる時期だった。
これは、商店街のイベント時や大型商業施設出店時にも見られるもので、
地域再生プランナーの久繁哲之介氏は、著書「地域再生の罠」の中で「話題性確認消費」と定義している。
話題になっているものの確認が目的なので、確認が終われば行かなくなる持続不能な消費行動ということだ。
2013年のガンバ戦が代表的なケースで、「初のJリーグ」「新スタジアム」「対戦相手の日本代表選手」・・
などの確認が目的だった層が18,000人の観客内で大きな割合を占めていた。
この直後の富山戦が2,000人台なのもこの考えを裏付ける。
負けたとは言え、内容あるゲームを見せたのに、約16,000人は次のゲームに足を運んでいないのだから。
【土曜集客の弱さを改めて露呈】
土曜開催は集客効果が高いとされるが、完全週休二日制導入率が全国最低レベルの長崎県では話が違う。
2013年の土曜開催公式戦の平均集客数が5,237人で2014年が3,900人。
2013年は昇格バブルの影響のおかげで土曜開催による集客低下を最小限にくい止めているが、
2013年が土曜3回・平日1回の開催だったのに対して、
2014年はホームゲームの30%(7回)が土曜開催だった事で
露骨に問題が表面化し、1,000人近い低下率になったのではないだろうか?
実際に日曜開催の一試合平均観客動員数は、2013年が6,290人。2014年が5,308人。
どちらも年間一試合平均観客動員数を上回る。特に2014年は一試合あたり500名近い差が出ている。
2014年が全試合日曜開催だった場合と比較して、土曜7試合×500=3500人を失った計算となる。
【終盤6試合で表れた順位の影響】
9月頃からはイベント開催や動員など集客のスパートがかかるのだが、
2013年はJ1昇格プレーオフ出場権の6位以内をほぼ手中に納めて終盤戦を戦っていた事もあって、
9月以降は一試合平均8,680人で8月までの一試合平均と比べると3,000人以上伸びた。
だが、2014年は苦戦が続きプレーオフ進出が難しい中、
9月からの一試合平均(6,125人)は8月までと比較して前年の6割程度(約1,800人)の伸びにとどまった。
ちなみに、8月までの一試合平均は2013年が5,162人で2014年が4,324人・・差は838人。
前述したG大阪戦での18,000人というレアケースがあった2013年と比較してこの差ならば、
終盤の成績次第では集客数が変った可能性はある。Jリーグ2年目の長崎ではまだ、
目指すサッカーの面白さや地元チームへの愛着より、成績や話題性が大きく影響するのだから。
これらを踏まえての僕が考える2014年の集客は
「昇格バブル後の実質的な1年目となった中、
集客は本来微増ペースだったが、
上記の3要素を乗り越え切れなかった」
と言える。三要素をクリア出来るだけの力強さが足りなかったという言い方もできると思う。
勿論、これらは数字を見た上での僕の見解に過ぎない。
実際には天候や交通アクセス、運動会などのイベントの影響など本来考えるべき要素はまだまだある。
だが、上に挙げた3つの理由は確実に大きく影響したと思っているし、
今季のV・VARENの集客についても、自分の中で出した2014年の結論をベースに注視していきたいと思う。
とりあえず・・今年は、土曜開催は減っていると嬉しいな。