2012年11月07日

何故、JFL最強チームが無くならねばならないのか? 前編

こんなの書いてもアクセス数も落ちるし、誰も読む気も起きないんだろうけどね・・

J3構想を検討するとかJが言い出したりしてるし、
SAGAWAの件に限らず、俺が感じる事をちょっと書いてみようかなっと。
社会人とフットボールと企業チームについてね。


 日本の企業スポーツは「福利厚生」「社員育成」「愛社精神高揚」を目的に1930年代にスタートした。
会社としても福利厚生費で費用を計上すれば税控除がある事も企業スポーツ発展を促した。
「人材育成」は1800年代のイングランド以来、スポーツは組織活動を学ばせる教育手段だ。
「愛社精神」については説明不用。つまり、当初の企業スポーツは社内向けに作られた物だった。

 そんな企業スポーツだが、時代が下り社会環境が変化していくと新たに2つの機能が加わった。
「PR」と「地域事業」である。どちらも社外向けだ。この2つは “事業”と密接に結びついていた。
スポーツを通じたPRはそのまま「CM」であり、地域事業としての貢献は「ブランドイメージ向上」である。
一方の「人材育成」機能は研修など育成ノウハウが整備され必要性が無くなった。
こうして企業スポーツの主な目的は「福利厚生」「愛社精神高揚」「PR」「イメージ向上」の4点となった。

 この4点で構成された企業スポーツが今現在、我々が知る企業スポーツだ。こうして、
「企業が手厚い加護で競技を支援」→「選手が五輪などで活躍」→「PR効果」のサイクルと成り立っていく。
目的が営利でないからこそ、中期的な強化で競技の底上げも出来た。しかし、ここに大問題を2つ孕んでいた。
「企業に依存した上で成り立つ」という点と、
営利が目的でない為に「競技を取り巻く環境が経営面を考慮していない」という点だ。

 時代は更に下りバブル崩壊後、企業は実業団チームが経営面の負担である事を自覚した。
影響力の大きかったワンマン創業者達も一線を引き、“個に頼らない会社システム”移行の時代へ移って行く。
昔の佐川の会長は贔屓の芸能人の為に数十億の金をポンとプレゼントし、会社を作ってやったりした。
今、そんな事が出来る会社組織は存在しない。
時代が代わり、収益もCM効果も不明な企業スポーツは、いつ不採算部門と取られてもおかしくないのだ。
営利目的だけで言えば企業チーム維持は単なる無駄にしか見えない時もある。

 そして、地域名を名乗り、地域密着を謳うJリーグが誕生し、企業チームの「地域貢献」を霞ませてしまった。
経営において「消費(消耗)する長期資産は出来るだけリースで済ます!」のは原則だったりする。
10万で会社のPC買っても、半年で型落ち、1年で新機能搭載機登場、2年で新OS発表なので
年間3万円でもリースすれば、メンテナンスや修理、廃棄代もかからずお得という考え方だ。

 同じ考え方でいけば、自チームを抱えてCMや地域貢献などをやるよりも、リースした方が良いとなる。
つまり、地域活動をやっているJチームの胸スポンサーにでも入ればOKって事だ。
SAGAWAの予算は3億程度と言われているが、どこかの企業が3億払えば簡単にJチームの胸スポンサーだ。
こうして「イメージアップ」、「CM」という2つの目的が企業チームから消えた。
残るのは社内向けの理由である「福利厚生」「愛社精神高揚」だ。
「福利厚生」はフットボールやスポーツでなくても構わない。スポンサー先のチームのチケットでも充分だ。
自社がJチームをスポンサードしている・・愛社精神高揚には充分使えないだろうか?
こうして企業チームは企業チームでなければならない“意味”を失って行く。


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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 18:06 │Comments(0)その他フットボール

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