2010年03月05日

クラブとスポンサー 後編

昨日のをまとめると。



「スポンサー=広告」という単純な図式でなく、クラブが打ち出す理念・行動に対して、スポンサーが共感して支援をする」・・これがクラブと支援の関係であるという事。



問題はこのクラブの理念や行動がすっごく曖昧な事。

皆に愛される、地域密着・・それは具体的にどんな状態?
その為の方針は具体的に何で、具体的にどういうアプローチをするのか??



全てに”具体性”が欠けている。

例えば・・育成クラブを目指すと言うのなら、
スカウト網はどうするのか?寮は?学業との両立は?強化スケジュールは?スタッフは?移籍金制度が世界標準仕様になり、移籍金が手に入りにくくなった制度の下でどうやって選手を売って利益を挙げるのか?他の育成クラブと差をつける方法は?20歳を過ぎてから伸びる晩成型の選手への対応はどうするのか?選手が安い金でも出て行きたがった時はどうするのか??



最低でもこれら全てに”具体的”な解答が必要だ。
それを粘り強くとか誠心誠意とか丁寧に・・とかの抽象的概念だけで解答するのは・・アマチュアクラブ、自分達のお金で運営しているクラブなら構わないが・・プロ、外部から支援を受けてるクラブならありえない。



逆に考えて欲しい。スポンサー候補がクラブに「支援したい」と言っておいて、金銭などの”具体的”な物を出さずに、「粘り強く誠心誠意協力します」っという言葉だけでスポンサーを名乗れるかどうかを。



つまり、クラブとスポンサーの関係は両者がハッキリ具体的な価値の物を打ち出して、それを互いが両者納得で交換する。それが理想だと思う。



例えばバルサとソシオの関係。
バルサは攻撃的で美しいサッカーを展開し、常に欧州トップを狙い、レアルに負けない。っという理念があって、バルサの会長候補はこぞって「理念実現のプラン」を打ち出す。そしてソシオはそのプランで会長を選び、理念を実現してもらう為に金を出す。



例えばアスレチックビルバオとソシオ。
バスク人、もしくはバスク人にゆかりのある選手のみでチームを作ってます。それを純潔主義と呼んで誇りにしてます。ソシオもそれを了承して金を出す。この主義がチーム強化に妥当かどうかはともかく具体的な理念があって、それに協賛するという関係はしっかり成り立ってます。



長崎の不幸は地域密着の為の昇格のはずが、最初から「昇格」を目標に掲げて地域密着より理念の大きなウェイトを占めている事。気付けば「昇格」が目的化してしまって、スポンサーにも「昇格」抜きに話が出来ない事。

ここが実に悲しい事ですね。



さて、では具体的に長崎にあった長崎らしいチームとは??
これに関しては個人的に幾つか頭の中にありますが・・またそれは別の機会にでも。



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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:26 │Comments(0)その他フットボール

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