2012年07月04日

世界の書評から ~はじめの一歩は世界へいい加減歩みだせ編~

俺が読んだフットボール関連本を適当に紹介するシリーズ。
副題は例によって何の意味もない。
今回の副題は本当なら
~戦国BASARAというアニメを見たら伊達政宗が「レッツ、パーリィー」と言っていて軽いカルチャーショックを受けたでゴザル~
だったのだが長すぎたので辞めた。


「サッカービジネスの基礎知識」
「Jリーグ」の経営戦略とマネジメント by広瀬一郎
世界の書評から ~はじめの一歩は世界へいい加減歩みだせ編~


Jリーグの制度設計などに携わった著者。
最近、クラブライセンス制度の影響かマスコミに再び登場する事が多くなってたりする。
この広瀬さん、昔から主張が一貫していて、以前に書いた本と今の本でもまったくブレがない。
でも、ブレがない代わりに、基本同じ内容の焼きまわし感が強いのが残念。
Jクラブの経営をビジネスとしてしっかり捉えてるので、書いてる事は良いのだが
この人の本を既に持ってる人からするとわざわざ買う必要はないかなと。


そうだったのか!日本サッカー
世界の書評から ~はじめの一歩は世界へいい加減歩みだせ編~


スコラムックというフットボール関連では余り馴染みがない出版社からの一冊。
とは言え、企画・執筆が加部究、原悦生、ホルヘ三村など
バリバリのフットボールライターがやっているので内容はタイトルと裏腹に辛口系。
基本、代表・・ひいては日本フットボールに関するアレコレを取り上げており、
記事の大半は座談会形式で進む。
ただし、Jやマスコミ批判系の記事になると対談者がイキナリ
実名からA、B、C、Dさんになるあたりが微笑ましい。

個人的にはホルヘ三村氏のアルゼンチンの選手育成に関する記事は良いな。
あと、巻末に載ってる1850年代から200年代までのフォーメーション変換を
一斉に図入りで取り上げた記事やサッカー用語辞典はターゲットが初心者向きのようで、
初心者が余り興味無さそうな気がする不思議なコーナー。

一見、初心者向けだけど「フットボールサミット」「サッカー批評」などの
読み物系でありながら軽めな意外と良い一冊。
ワールドカップ予選で代表にちょい詳しくなりたい人から読み物として楽しむ人まで気が向いたらどうぞ。



フットボールサミット第6回
「遠藤保仁のサッカー世界を読み解く」
世界の書評から ~はじめの一歩は世界へいい加減歩みだせ編~



代表とガンバの中核であり、国内最高の選手である遠藤を丸ごと一冊扱った本。
ライターや同僚、ライバルによる遠藤評やデータ等で徹底的に遠藤を語っている。

語っているのだが、遠藤という選手自身が総合的な完成度が高く、
スペシャルなプレイすら遠藤にとっては普通でスペシャルに見えないというタイプであって、
開拓者のカズや異端児であった中田ヒデどころか・・
判りやすい技巧派であった中村俊輔に比しても際立った個性が見え難いので・・
どのインタビュー、ライター評も全て「この際立って見えない所が凄いんだ」的な論調になっている。

あえて挑戦したのだろうけど、お陰で記事ごとの特色が消えてる。
遠藤というタイプで1冊扱うにはもっと、深いディープな内容にしないと難しいんだろうな。
ちなみに本には「この男、天才につき」と書かれているが、個人的には天才ではなく、秀才だと思う。

遠藤が好きな人はどうぞ。
それ以外の人は巻末のフットボール関連書の書評コラム「フットボールブックレビュー」や
松本育夫氏の「炎の説教部屋」が気に入ったらどうぞって感じ。


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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 16:00 │Comments(0)書籍・雑誌

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