2013年04月17日

応援のYOSAKOI化

 よさこい祭りは高知県の商工会議所が戦後の景気振興策として始めたものである。
ご神体や五穀豊穣を願った類のものではない為に踊りは自由にアレンジされていった。
そのよさこい祭りに影響を受けて始まった
YOSAKOIソーラン祭りにいたっては更にバリエーションを増やし殆ど創作ダンスの世界に突入する。
最近はYOSAKOIのダンスのレベルも上がったが、YOSAKOIはプロのダンサー曰く
「それまでのダンスの主役は技術の高いダンサーだった。
 でもYOSAKOIは素人が主役(になったような気分)になれるイベント。
 だから多くの人に受け入れられ広まった。」
良い悪いではなく、「ダンサーによる舞台」を「皆が参加出来る場」にしたのがYOSAKOIなんだと思う。

 かつて・・ゴール裏なんかの応援は”知っている人間”が中心だったりした。
ネットもない時代ではチャント(応援歌)の歌詞やメロディはスタジアムで覚えるしかなかった。
トヨタカップの時に海外のサポーターの歌うチャントを録音したり、メモしたりして覚えた時代もある。
タムやスネア(太鼓)のリズムも、コールを使うシーンの選択も、
教えてもらうと言うより見て盗むと言う職人的な世界だった。
現場に足しげく通い、色んな経験を積んだ者がコアなサポーターになっていった。
iphoneでも何でもそうだが、新しい物は最初はマニアや通の間で広まる。
そこで色んな活用や試行錯誤の末、
コア向けの「レベルは高いけれど判りにくい機能」や「癖の強い機能」は排除され、
機能性や個性より判りやすさに変化して一般に普及していく。
同じようにJリーグが出来て20周年・・最初はコアが先導し、
コアによって形作られた応援は今では一般向けに判り易さ、参加し易さを重視した物となっている。

「皆でここは手を上げて振りましょう。」
「この歌の時は皆で手を回しましょう。この歌詞の時は手を広げて選手を呼ぶ感じで・・」
スタジアムのゴール裏で聞こえてくる声。
マフラーを回したり手を頭の上で叩く、飛び跳ねるといった応援は昔からある。
でも今のJリーグほど、動きをあわせた応援を取り入れている応援はそう無いと思う。
ここ数年は海外のリーグを観にいってないので今の海外は知らないけれどね。

 最近、色んな会合や会議にお呼ばれしてV・VARENやサポーターの事、
応援の基本を話す機会が多いのだが、異句同音に言われるのが
「そういう事を知らないから、どんどん教えて欲しい」と言う事だ。
ずっとそういう物は習うより馴れろで覚えると思っていたので意外に感じるが、
一般化する上での「判りやすさ」とは「習う」と同義語であり、
よく考えると不思議でも何でもない。

応援は今後一般化が進み、YOSAKOIのような
誰もが参加し、誰もが主役のようになれるスタイルへとますます進んでいくだろう。
それはサッカーの応援という新しい物が徐々に大衆化されている事を意味する訳で、
俺の個人の思い入れや応援へのポリシーなどはともかく・・決して悪いことではない。

昔の応援は云々・・と言うのは
「最近の若い者は・・」と同じくらいに意味がない言葉でだろう。
多分、縄文人も未来人も「最近の若い者は・・」と言ってるだろうし・・。

別にこの記事は意図も何もなく、村上アシシ氏のサポーター本やら読んでから
ツラツラ思っていた事と書いただけなので、特段のオチもまとめもない。

なので、皆も鮮やかに読み飛ばしてほしい。
最近の若い者はすぐに裏読みして陰謀論を作るので予防線は張っておかないとね。
まったく昔はこんなじゃなかったのに・・


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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 17:09 │Comments(0)応援とか

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