2013年01月21日

2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり④~

 終盤の長崎はとにかく苦しんだ。
絶対優勝のプレッシャーは大きく、選手達はいつものプレイがどこか出来ない。
監督も選手の前でこそ弱音は見せなかったがかなり追い込まれていた。

 さて、余談ではあるがJFLで2位だった場合・・J2下位と入れ替え戦が予定されており、
長崎も2位だった場合に備えて準備を進めていた。J
FL-J2入替戦はJ基準のスタジアムで開催しなければならない。
だが、その時点で長崎に基準を満たすスタジアムはない。
長崎は何とか柿泊での開催を模索していたが開催は微妙な情勢で・・代替地は鹿児島の鴨池。
この辺りも優勝しかないというプレッシャーの遠因ともなったと言えるだろう。

 さて、そんな終盤戦に向けての補強となったのが山田だ。
山田はMLSからの入団で、足元が上手く特にキープにかけてはかなりのレベルだ。
この山田と復活したアリを使った終盤の交代が終盤戦での長崎必勝パターンとなる。

 後半70分過ぎに山田を前線の左サイドに投入。
散々ボールを持たせてドリブルで揺さぶる。
残り10分あたりで、山田をトップ下の位置に移動させ、山田が居た場所にアリを投入。
相手は山田のキープ力を目の当たりにした直後なので、山田のマークを外せない。
その為に通常は1枚がマークについてもう1枚がフォローに入る場面で・・1枚のマークのみとなる。
1対1ならアリはJFLでは大抵の相手を抜く事が出来る。
2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり④~


2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり④~


このパターンはスカウティングが乏しいJFLでは面白いように決まった。
時間帯と交代の順番が終盤に毎回固定されていたのはこのパターンを死守する為だ。
こうして終盤の得点パターンを持った事はチームにとって非情に心強く大きな力となった。

 優勝が目前になると苦しい試合が続いくが長野の失速はある程度予想通りだった。
自慢したくもないが2度も昇格断念した経験から言わせて貰うと、
Jを目指すチームが昇格がない中で戦うのは本当にキツイ。
特に10月以降はメンタルがどうしても影響を受ける。
長崎が昇格のプレッシャーに苦しむように、
長野は昇格がない中、疲労がギリギリ状態で戦うメンタルに苦しんでいたのだ。

 結局、前向きな苦しみだった長崎は最後に優勝を達成した。
その原因は戦力の高さもあるがチームの一体感がだった事は間違いない。
佐野達という監督は、現場を常に最優先させ、時にフロントの方針にも敢然と反抗した。
それはチームの運営やホームタウンイベント面ではマイナスもあったが、現場の選手達に
「達さんは、選手の事を第一に考えてくれる」という印象を与えた。
更に、選手の中でも中心的な由紀彦、有光、河端、中山らも関係が良好で選手がまとまる大きな力となった。

こうしてJFL優勝=J2昇格を長崎は達成する。

・・っと言う所で次回最終回。

つづく


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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:00 │Comments(0)V・V長崎

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