2013年01月18日

2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり①~

さて、昨日の予告通り、2012V・VAREN長崎のシーズン総括の第1段。

例によってまずは昨年のシーズン後の事から書く。
2011年の長崎は5位でシーズンを終えた。順位こそ前年と同じだが上位争いをした上での5位であり
「2011年に優勝争いし2012年に優勝」という方針に沿う結果にチームは手応えを感じていた。
この「2年かけて監督が全権を握ってチームを作る」という状況は昇格断念やフロントが運営や経営に追われ
チーム強化を事実上、佐野さんへ全権委任した事で実現したプロとして稀有な事例だとは記しておく。

2012シーズンのチーム強化方針は「センターライン。特にGKとCB」。
しかし補強は難航する。2012年はJからJFLへ移ってくる選手が例年の半分規模だったのだ。
長崎の補強リストで「A」ランクとされていた選手36名の中にはJ1に行く者もあった。
こうして長崎の補強は昨年同様にJFLにいる実力者を集めるという路線となる。
佐野監督の強化手腕はJFLレベルでは傑出しており、多くが成功し優勝の大きな原動力となった。

 一方、問題視されたスタジアム問題であるが、3月時点でフロントは高確率でクリア出来ると判断していた。
しかし、微妙な問題も含む為にメディアに「大丈夫」と言い切る事は出来ない。
その為に「大丈夫なんじゃないかと思ってる」とコメントを発したのだが、
メディアからは「楽観的過ぎる」と言われたりした。

2月、現場は佐野さんがチーム作りを進めていた。
ベースは既に出来ており、3年目に目指したのは足りない部分の補強となる。
2011年までの長崎はセットプレイの失点が多かった。
佐野さんはこれを「GKの守備範囲の狭さ」と判断し、JFL屈指のGKである原田を獲得。
セットプレイの守備方針を吉本GKコーチに一任する。
古部は当初から右SBとして獲得し、更にマイケル、河端らも獲得しリーグ屈指の戦力を有する事となった。
2012年に目指したスタイルだが・・2011スタイルの正当な進化系を当初は目指していた。

2011スタイルから説明すると・・こう。

2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり①~


 攻撃時はボランチから前が総攻撃。
これに両SBも加わり、ボランチ2枚の内1枚も上がって最大で7名がゴールに迫る。
この時の守備はCBとGKにボランチの1枚が加わる。
この残ったボランチは中盤の底で守備以外にパスでサイドをワイドに使う。

これに対して2012に当初目指した形は
2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり①~


CBを攻撃時に2011のボランチの位置まで押し上げて、CBがパスの散らし役となる。
CBが上がってくる事で昨年までパスの散らし役となっていたボランチが2人共攻撃に参加する。
これによって2011年より1枚多くゴール前に迫る人数を増やすというスタイルだ。
CBが前に上がる為の守備の不安は攻撃陣がプレスを前から徹底的に行う事でカバーする。
相手がボールを持ったら急いで後ろに戻って守るのではなく、
一番近い選手が速攻で相手にプレッシャーをかけてボールを奪いに行くというものだ。
POSにこだわらない全員攻撃・全員守備の形を実践しようとしていたのだ。

そして、実際はどうなったかと言うと・・と言う所で明日へ続く。

(つづく)


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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:00 │Comments(0)V・V長崎

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