2009年05月22日

TDK戦解説その②

っという訳で昨日続き。



TDK戦の前半、サイドで最も生きていた選手は平田翔太だ。
彼はシンプルにクロスを入れ、キープし過ぎない事で飛鳥もオーバーラップしやすく、それが右サイドを活性化させていた。左サイドは山城がキープし過ぎる事、隅田が利き足と逆のサイド起用で力を出せない事で連携で見るべきものはない。



しかし、後半早々に翔太は大塚と交代する。
大塚はドリブラーだ。当然、キープするから飛鳥の攻撃参加は前半より減る。
これで両サイド共にSBのオーバーラップが減った。

それは大塚と山城がかなり前まで上がって攻撃しなければならない事を意味する。当然、SBとSHの間にはスペースが生まれる。



灰色がプレイエリア。青丸がポッカリ空いたスペース。

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こっちが交代後、スペースが大きくなっている。
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TDKは3トップでサイドを大きく使ってきた・・つまり、サイド攻撃の仕合となる。



続いて武男に代わって阿部が投入。
これはサイドでの攻め合いが続き、中央の元気がゲームに絡み辛いのを解消する為にボランチに下げる(後方から大きく展開させるパスを出させる)意味合いと、単純にFWを1枚増やしてサイドからの攻撃にあわせやすくする為、そして、後方からのボールに阿部のスピードで対応してもらおうと言う意味だと思う。
勿論、練習で阿部が好調だった事も大きい。



しかし、武男がピッチを退いた時の想定が甘かった。
ボランチは元気-渉の組み合わせになると渉は後方を担当する。渉が前線に上がる事が減る。チームで最大のカバーエリアとスタミナを誇る渉が上がらなくなるという事は長崎全体が受け気味になる事を意味する。



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結果的に阿部投入で長崎もサイドからの攻撃にあわせるFWの枚数は増えたが中央エリアの攻撃は減り、両チームのサイドの攻めあいが増えてしまった。



幸い、TDKの疲労、DF陣の体を張った守り、GK近藤の集中で乗り切ったがチームとしてやられていたのは長崎の方だった。



残り時間僅かで神崎が投入されてアリを頂点とした3トップ気味の布陣となる。
この投入直後に得点が決まったのだが・・神崎は別に特殊な動きはしていない。
得点シーンを振り返ると山城からボールを貰い、山城が今まで切り込んでいたスペースを使っているだけである。つまり・・山城が1人でやっていた作業を2人で分担しただけ。
もっと言うなら・・本来、SBがオーバーラップしてやるべき動きを、フォローをしただけ。



それでアッサリやれた事は、どれだけサイドが連携無しでプレイしていたかの証拠だ。



同じく神崎のシュートは相手GKがミドルを一切警戒していなかったから決まった。相手GKはクロスやDFの裏を狙うパスを警戒する位置取りでシュートを想定していなかった。
それは、長崎のミドルがほとんど意表を突く形で打たれていない事を意味する。



2-0で気分の良い勝ち方はしたが、内容においては見るべき物が少ない上に、自分達で展開を難しくしてしまっている試合。それがTDK戦の真の姿だと思う。



未だに長崎の戦い方は見えない。



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Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 19:58 │Comments(0)V・V長崎

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