2013年01月19日
2012VVN総括 ~終わりの始まり、始まりの終わり②~
さて、昨日の続き。
2011年から一歩進めたスタイルを模索した長崎だが、結論から言うとこれは半分しか成功しなかった。
JFLは後ろに引いてロングボールのチームが多い。
CBが前に上がればそれだけ裏を狙われる事も多く、長崎のCB陣はスピードにやや難がある。
その為にCBは90分通してラインを高く保つのが難しく、
パスを散らすにも後ろに下がり過ぎて上手く機能しない・・となった。
だが、前線で中山に代表される献身的な守備があった事でチーム全体での守備の意識は確実に上昇した。
だが、同時にそれは選手に徹底的な走りを要求するもので、
所属選手が少ないチームにとって疲労は大きな悩みの種となっていく。
こういう状況の為に長崎は目指す形の片鱗は見せながら序盤戦の内容でもどかしさが出た。
徹底的に前線が走る事で守備は上昇したが、疲労などが地味に攻撃に影響を与え、
チャンスを作るが後一歩決定的を決めきれない。
また、サイドバックの強化を見据えた古部、前田のコンバートはまだまだ荒削り。
更にエース有光が例年にない苦戦のスタートダッシュとなり、
水永も怪我を抱えてのプレイとなるなど、思い通りに戦えなかった。
それでも「J昇格への手応え」はチームを大きく後押しした。
佐野さんのチーム内をまとめてファミリー的雰囲気を作る手腕も上手く作用し、
5月のアウェイ讃岐戦に勝った辺りから怪我人が徐々に戻り、チームのムードが上昇していった。
濃霧中止で1試合試合消化が少ない事、17チームでのリーグ戦で変則日程であった為に判り難かったが、
実は前期終了時点から実際には首位を走り続けていた。
長崎はリーグ終盤戦で苦戦するが、事実上は首位を堅持していたからこそ、
苦戦しても中位に落ちずにいた訳で、実際はこの戦力を活かした圧勝優勝だったのである。
とは言え、昇格のプレッシャーは強烈なもので、確実に長崎を追い詰めて行く。
そんな中で徐々に目指すスタイルとは違う、
「前線での水永のポストに頼る」シーンが増えていくのであるが、
そんな中でも交代時には常に攻撃の選手を投入するあたりに佐野さんの攻撃志向が伺えた。
大胆な攻めの采配とベースの戦術という佐野さん本来の強気と
水永頼みや交代の固定化、交代時期の遅さなど垣間見える弱気が交錯する事が多かったと言えるだろう。
ちなみに懸念された選手層の薄さであるが、
前期不調だった有光が夏頃から復活した事、例年、腰の故障に悩む神崎が通年を通して活躍した事、
前期からずっと試合出場を見合わせていた山本翔平の起用などがあり、
結果的に前期活躍した選手の穴を負傷などから復帰した選手が埋めて行くという
「チーム全員」で戦う事になり、何とか破綻する事はなかった。
特に有光は復調後は引き分け試合を勝利にし、
負け試合を引き分けに持ち込む活躍を見せてエース健在を印象付けた。
J2昇格が現実味を帯びる事でチームの一体感は強まり、
苦しい時期に由紀彦が自らの経験を話したりして
チームを一つにまとまりやすい環境を作っていった。
つづく
2011年から一歩進めたスタイルを模索した長崎だが、結論から言うとこれは半分しか成功しなかった。
JFLは後ろに引いてロングボールのチームが多い。
CBが前に上がればそれだけ裏を狙われる事も多く、長崎のCB陣はスピードにやや難がある。
その為にCBは90分通してラインを高く保つのが難しく、
パスを散らすにも後ろに下がり過ぎて上手く機能しない・・となった。
だが、前線で中山に代表される献身的な守備があった事でチーム全体での守備の意識は確実に上昇した。
だが、同時にそれは選手に徹底的な走りを要求するもので、
所属選手が少ないチームにとって疲労は大きな悩みの種となっていく。
こういう状況の為に長崎は目指す形の片鱗は見せながら序盤戦の内容でもどかしさが出た。
徹底的に前線が走る事で守備は上昇したが、疲労などが地味に攻撃に影響を与え、
チャンスを作るが後一歩決定的を決めきれない。
また、サイドバックの強化を見据えた古部、前田のコンバートはまだまだ荒削り。
更にエース有光が例年にない苦戦のスタートダッシュとなり、
水永も怪我を抱えてのプレイとなるなど、思い通りに戦えなかった。
それでも「J昇格への手応え」はチームを大きく後押しした。
佐野さんのチーム内をまとめてファミリー的雰囲気を作る手腕も上手く作用し、
5月のアウェイ讃岐戦に勝った辺りから怪我人が徐々に戻り、チームのムードが上昇していった。
濃霧中止で1試合試合消化が少ない事、17チームでのリーグ戦で変則日程であった為に判り難かったが、
実は前期終了時点から実際には首位を走り続けていた。
長崎はリーグ終盤戦で苦戦するが、事実上は首位を堅持していたからこそ、
苦戦しても中位に落ちずにいた訳で、実際はこの戦力を活かした圧勝優勝だったのである。
とは言え、昇格のプレッシャーは強烈なもので、確実に長崎を追い詰めて行く。
そんな中で徐々に目指すスタイルとは違う、
「前線での水永のポストに頼る」シーンが増えていくのであるが、
そんな中でも交代時には常に攻撃の選手を投入するあたりに佐野さんの攻撃志向が伺えた。
大胆な攻めの采配とベースの戦術という佐野さん本来の強気と
水永頼みや交代の固定化、交代時期の遅さなど垣間見える弱気が交錯する事が多かったと言えるだろう。
ちなみに懸念された選手層の薄さであるが、
前期不調だった有光が夏頃から復活した事、例年、腰の故障に悩む神崎が通年を通して活躍した事、
前期からずっと試合出場を見合わせていた山本翔平の起用などがあり、
結果的に前期活躍した選手の穴を負傷などから復帰した選手が埋めて行くという
「チーム全員」で戦う事になり、何とか破綻する事はなかった。
特に有光は復調後は引き分け試合を勝利にし、
負け試合を引き分けに持ち込む活躍を見せてエース健在を印象付けた。
J2昇格が現実味を帯びる事でチームの一体感は強まり、
苦しい時期に由紀彦が自らの経験を話したりして
チームを一つにまとまりやすい環境を作っていった。
つづく