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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2012年11月08日

何故、JFL最強チームが無くならねばならないのか? 後編

 かつての企業チーム全盛時代のノウハウを集積して作られたSAGAWAは強かった。
目先の結果ではなく、ある程度先も見据えて進められるチーム作りは手堅く完成度が高かった。
2007年の合併後、5シーズンで優勝3回、最優秀監督賞3度、ベスト11選出21人、
新人王1人、得点王2人、MVP3人・・JFLという実質日本3部リーグでこれ以上の成績は不可能だ。
また、それを支える佐川急便も凄かった。資本金約113億、年間売り上げ8000億、従業員4万人弱。

 しかし、SAGAWAはJFL脱退を申し入れた。
営利企業だ。儲けだけでなく価値があると判断すればJFL脱退はしなかったろう。
JFLで最高の結果を出しても、対価が見合わない。そんなリーグ状態、フットボール界が適性と言えるだろうか?
社会構造が変化した。フットボール界もJリーグ誕生以来大きく変わった。
だがJFAは社会人チームや企業チームに対して大きな改革を踏み込んだろうか?
代表、J(Jを目指すチーム)、育成などと比べ社会人、企業チームへの改革はミクロ的ではなかろうか?

 「企業の物なので・・」と言うが、「各学校の物なので・・」と言う声はJFAからは聞かない。
そして、企業・社会人チーム側も「次の道」を自ら模索すべきだったんだろうと思う。
社会の流れを読めず潰れた会社が可愛そうな会社と同情される世界ではないのだから。
同じように、それを外から見ていた応援・支援者も考えて何かを変えて行くべきだったんだろう。
何しろ、「俺達の●●」と普段言っていながら、失敗した時だけ「彼らが失敗した」は通用しないんだし。

 最後に個人的に今後大事になるのは・・社会人選手育成とプロを目指さないでも得られる価値と思ってる。
Jリーグ誕生の頃、大学サッカーが蔑まれた時代がある。「大学はぬるま湯」なんて声があったのだ。
ところが、4年という中期スパンでの強化、優れた設備、有能な指導者の存在がその後再評価され、
大卒選手の活躍で価値はあがり、今では大学進学もプロ入りの有力なルートとなった。

 日本フットボール界は高校年代を過ぎるとガクっと選手登録者が減る。社会人の受け皿が整っていないのだ。
高校まではJFAが手厚いのに、社会人はプロ以外、高いレベルでの競技続行は大企業の援助無しでは難しい。
JFLからJに行った選手がどれほどいるだろう?
Jのない区域に存在する企業チームの下部かどれだけ未来のJリーガーを育てたろう?
大学卒業後も伸びる選手というのは実在するのだ。それも結構大勢。

 この辺りに目をつけてジェフはU-25としてジェフリザをやってたりした。
育成面で大きな成果を挙げられず解散したが、リーグの収益構造の悪さも無関係ではなかったと思う。
「JFLは経営的に1番キツかった」と言うのはロアッソ熊本の社長の言葉だ。
JリーグがJ3構想中という記事を見たが、それはJやJを目指すチーム向け改革で社会人の環境は変わらない。
Jのない地域でアカデミーを展開する社会人チームに補助とかあった方が良いんじゃないか?
SAGAWAの貢献に応えて滋賀で強引にJオールスターの合宿でもしてやって良いんじゃないか?
Jだけで日本フットボールは構成されていない。Jリーガーなんて1000人もいない。
フットボールの競技人口は120万人。
長崎県の競技人口だけで1万5,000人いるのだ。全Jリーガーの15倍だ。
「Jありき」の改革ではなく、社会人フットボール全部を見直す事。

そしてそれは全登録者から登録料を徴収しているJFAが全組織挙げてやるべき事なのだと思う。
そして、それはフットボールが好きな人間全てが考えて行く事なのだ。

だって、俺達のフットボールなのだから。  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 18:00Comments(0)その他フットボール