2009年08月08日
8月9日の試合の前に思うこと
明日、8月9日は長崎という街にとって特別な日だ。
長崎に住んでいる人で親類・縁者に64年前の悲劇に遭遇した人を探すのは難しくない。かくいう俺もお袋は原爆手帳を持ってるし、長大医学部生だった伯父は被爆し、数日後に亡くなった。
長崎の街では8月9日はその時の事を振り返り・考えていく日となっている。
小学校は登校日だし、原爆の投下時刻には街中にサイレンが鳴り響く。
とは言え・・やはり爆心地である長崎市と他の街では温度差があるのも止む得ない現実だったりする。今年は8月9日が日曜の為に前日の8日を登校日に定めた地区も多い。少し哀しい話だが、現実的に温度差が出るのは止むを得ない話だ。
それは県外からは長崎の代表的祭りに思われている「長崎くんち」が長崎市中心・・それも特に49ヶ町と呼ばれる中心部の町で最も盛んに行われる祭りで、諫早の人にとって本命川祭りの方が身近で大事で、佐世保にとってYOSAKOIの方が身近で大事なのと同じだ。止むを得ないとは理解している。
それでも、やはり8月9日は特別であって欲しい日だ。
だから、今期の日程を見た時に「何とかならんのか!!」と思った。
出来れば公式戦を8月9日は避けるべきだったと思う。この部分についてはJFLと衝突してでも譲らない方が県民のV・VARENを見る目も変わったのではないだろうか?
TDKは8月16日だった試合日程を「国体の試合の都合なので・・」と言う事で8月19日にズラした。長崎も出来たのではないだろうか?
今回、スタジアムで平和を祈るイベントを行う。それは素晴らしい事だし、良い事だと思う。でも、公式戦の時にやる必要は無かった。公式戦以外の時でも出来るイベントだ。いや、公式戦と別にやった方がもっと色んな事が出来た筈だ。
そこだけは残念というか・・次回から気にとめておいてもらいたいと思う。
では、明日の試合・・出来る事は何か?
JFLだとか昇格だとか町田とか・・そういう事以上に大事な事は選手もスタッフもサポーター・・全員で長崎の街に住む人を笑顔をもたらす事だと思う。64年前の悲劇を悼む人たちが長崎のニュースを聞いて少しでもホッとさせる、ニコリとさせる事だと思う。64年前に亡くなった人に「長崎の街はこんなに元気ですよ」と言えるように・・。
少なくとも俺は明日、家に帰って仏間に手を合わせる時に
「あの8月9日から64年が経って・・顔も見た事がない、あなたの甥は長崎の街で笑えてますよ」っと報告をしておきたい。