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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2014年03月15日

スタジアムの自治・・

 既に散々っぱら語られた通り、浦和レッズのサポーターらしき人が、
人種差別的な横断幕を掲げたとされ、チームがJリーグ史上初の無観客試合の処分を受けた。
あわせてクラブは横断幕、ゲーフラなどを当面全て禁止すると言う。

 処分が妥当かは判断が別れる所だが・・事務作業的に書くと
Jリーグが定めるクラブへの処分には9段階あり、
①除名、②リーグ降格、③翌年の大会参加権利没収、④勝点没収、⑤没収試合として敗戦扱い、
⑥ホームゲームの無観客試合、⑦中立地でのホームゲーム開催、⑧制裁金、⑨警告・・。

 ①はもはや死刑宣告であり、やられれば基本、クラブは潰れるしかない。現状では②が最も重い。
有名な所では数年前にユベントスが八百長でセリエB降格したのを覚えている人も多いだろう。
③はリーグ戦で適用されてしまうと殆ど①に近いので実際はナビスコなどのカップ戦用処分だ。
その中で、⑤~⑧は金銭面などだけ見れば処分の重さがまばらなので、
実際は当該クラブの置かれた状況によって適用される。

 今回の処分は⑥。これで受ける実質的なダメージは。
A:興行収入0となり、経費はかかる。更に準備していたイベントや損失補てんがあれば更にダメージは大きくなる。
B:ブランドイメージの失墜。アイドルのスキャンダル以上に深刻な場合がある。
営業が「子供達の為に、社会貢献で・・」と必死にスポンサーを説得している最中に、これはキツイ。
アイドルならスキャンダルを利用したり、路線変更出来るが、クラブはそうはいかない。

 非常に重い処分だ。ムード的にもキツイ。
現在のJリーグは徹底的に「安全で快適なスタジアム」を志向しており、
その流れがますます加速する時に軽率だったと言わざるをえない。
とは言え、処分された側には側の言い分や、事情はあり、余りアレコレ言う気にはならない。
ただ、こういう事はどこのクラブでも起りうる事で、考えておく必要はあると思う。

 掲げた当事者の問題は、もう個人個人の問題としか言えない。
まさかクラブがサポーターに道徳の授業をする訳にもいかないし・・。
なので、それを放置してしまう事になった周囲についてよく考えたい。

 既にULTRAを退いて4年、現在はすっかりメディアの端くれではあるが、
未だにクラブ関連の依頼事は来るし、スタジアムを歩いていると
「●●で××が起っています、大丈夫なんでしょうか?」と色んな人が連絡をくれたりする。
元来、スタジアムと言うのはそういう風に蜘蛛の巣のように張り巡らされた連絡網があり、
自分の居ない、知らない所で起った事でも重要そうな件は耳に入ってくるようになっていた。
耳に入った事に問題があれば各個に対応したりして、ある程度は自治が出来ていた。

 かつてのスタジアム内にあったそういう自治的な空気が機能しなくなっているのかもしれない。
自治が機能しなければ法治・・つまり全てにルールで縛りをかけなければいけない。
そんな全てがルールだらけ環境が大好きって人は余りいないと思う。
ならば、自分達で自分達を律していかないといけない。
ルールギリギリで遊んでるように見える人ほど、ルールを常に意識しているものだ。
今回の本当に不幸なレアケースだったと思いたいし、皆でレアケースにしないといけない。
結局、スタジアムをどうするのかは自分ら次第なのだから。

 あと、ゲーフラと横断幕無期限中止は残念だが、サポーターと言うのは開き直りが早いので
「決った以上は仕方ない」と割り切って声援と拍手でしばらくは凌ぎ続けるだろう。
無論、それだけで長くやるのはキツイだろうが、サポーターと言うのは実にしぶとい。

ちなみに・・「差別主義者お断り」と書いた横断幕を出した場合は差別ととられるのだろうか?
他にも「「世の中に絶対はない!」と言うのは絶対にないのか?」とか
「3度目の正直と、2度ある事は3度あるはどちらが正しいのか?」など
などと実に堂々巡りな事を考える。

とりあえず、松本に今から行きます。
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 17:52Comments(0)V・V長崎