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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2013年12月02日

2013 J1昇格P.O 準決勝 京都vs.長崎のこと

多くの選手たちが言う通り長崎の練習はとても厳しい。
ハードワークに求められるフィジカル、コンディショニング、
緻密なスカウティングからの対抗策を実践する為に練習では徹底的に頭の方も鍛えられる。
加えてメンタル的に高める為にあえて選手にプレッシャーもかける。
特にP.O前、監督のチームへのプレッシャーのかけ方は凄かった。

そうやって1週間取り組んで来た事を長崎は見事に出し切った。
ハイプレス、ハードワーク、球際といった特徴を存分に出しながら、
攻め残りの多い京都の左サイド裏を中心にサイドから徹底して攻めた。
ほぼ京都を圧倒、後半も猛攻を加え続ける。判定制度がサッカーにあるなら長崎勝利だったろう。

松本戦後の会見で監督に「シュートやクロス精度を改善させる為に取り組むべき事」を質問した。
「精度が即解決出来ないのなら数を増やす。5本で駄目なら10本、20本を狙う」がその答えだった。
先週の徳島戦でも同様の質問に「20本、40本と上げていくしかない」と語っている。
その言葉は見事に実践されたが、京都のGKオはこの日も余りに高い壁だった。
攻めて、攻めて・・それでも得点が出来ず0−0。ルールにより長崎の敗退が決まった。

CB岡本が出場停止、古部、幸野・・最近のレギュラー3人がスタメンから外れた。
試合中には守備の軸である山口が負傷退場した。
それぞれ代わりに藤井、金久保、小笠原、下田が出たがチームのクオリティは下がらなかった。
「チームの総合力」と高木監督は言い、試合後のミックスゾーンで岩間君は
「誰が出ても戦力が落ちない。それが長崎の凄さだと思います」と胸を張った。
普段から丁寧で物腰の柔らかい岩間君が本当に自信を持って、胸を張って答えていた。
岩間君に限らず、どの選手も悔しさと充実感を持ちながら誇りを感じているようだった。

そして記したい事がもう一つ。
今季、服部強化部長が長崎の強みの一つとして「ベテランの良さ」をずっと挙げていた。
「彼らが率先して練習に取り組んでいる。若い選手がそれに倣う。チーム全体を考えている」
長崎が3人目の交代枠を使いきった時、有光君はベンチを一人離れ
ピッチ横で試合を観ていた山口君に歩み寄り、傍らに立って終了までそこに居続けた。
試合後に何を話していたか聞くと「あいつも一人じゃ寂しいかなと思って」と小さく笑った。

P.O準決勝 京都vs.長崎。長崎は1年間築き上げた全てを出し切ってシーズンを終えた。
ピッチ上もピッチの外も・・。

「感動をありがとう」ドーハの悲劇の頃によく聞いた・・多くの人が口にした言葉だ。
4年後、ジョホールバルでワールドカップ出場を決めた時、Jリーグは人気低下にあえぎ
中田英寿がテレビに向かって「Jリーグも観に来てください」と口にする状況だった。
感動はどこへ行ったのだろう?僕はよくそんな事を考えていた。

ドーハから20年。最近、ドーハ関連の記事を読んで少し思う。
感動という記憶は多分、種なのだ。
時間が経てば薄まるし、時に忘れられる。でも、心の中で根付く物もある。
誰の中でも芽を出す訳じゃないが、誰かの中で芽を出し大きな幹を作っていく事もある。

昨日の試合後から「感動」「ありがとう」「感謝」と言う長崎のファンが大勢いる。
その感動も感謝も少し時が経てば薄まるだろうし、無くなってしまうかもしれない。
だが、誰かの中できっと芽を出し、花を咲かせるのだろう。
そして、その種の肥料となるのはやっぱりサッカーで、V・VAREN長崎なのだ。

種を貰った人たちよ。
芽が出た頃に会いましょう。
芽が出ている人たちよ。
いつものように会いましょう。
僕は今日も花が咲くのを待ちながら・・2013年 V・VAREN長崎全公式戦終了。
  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 16:23Comments(3)V・V長崎