2011年12月17日
世界の書評から ~長崎で皿うどんと言えば細麺がスタンダード~
俺が読んだフットボール関連本を適当に紹介するシリーズ。
サブタイトルは激しく意味がないので気にしないで欲しい。
サッカー批評Vol53
今号より季刊から隔月刊となったサッカー批評。今回の特集は「Jリーグの戦術力を問う」と現在の日本の戦術を丹念に追う。POS別に選手へのインタビューや色んな監督の話を交えて中身が濃い。この編はサッカーダイジェストなどには真似が出来ないサッカー批評ならではの芸当だろう。
ただし、前号がジャーナリズム全開でJFAや日本フットボールの負や影に切り込んでいただけに、ミカミカンタ氏の休載宣言とあわせて、そういった部分をおもんばかってお上に抗議されない戦術論にいった印象が残る・・。それでも、この紙媒体苦戦時代に発行間隔を増すと言うのは大した本だ。

異端者たちのセンターサークル
チーム崩壊の最中にすら全日本ユースを制覇してのける圧倒的な凄さのヴェルディ。このクラブのJrユース、ユース出身で現在Jリーガーになっている選手は数多い一方、ワールドカップのピッチに立った事のある者はゼロ。メンバー入りしたのは2014年の南アフリカW杯の森本ただ一人。Jリーガーに占める割合と考えると信じられないデータだ。この辺の何故?を追ったのが本書。
ヴェルディの育成における個性の徹底尊重と圧倒的な本気。それを支えた反骨意識は底の深さを感じさせる。これは一朝一夕に出来る伝統ではない。その伝統すら迷走するフロントの前では脆くはかない。
そして、稲本、宮本などワールドカップのピッチに何人もの選手を送り出したガンバ大阪ユースの礎を作った上野山さんの言葉が重く響く。
「参考にしたのはピッチの中ぜんぶです。でも、ピッチ外は見習わなかった。」
「小見さん(ヴェルディ出身の指導者)たちは日本の為を考えたのかな?読売クラブ、ヴェルディだけを見ていたんと違うかな?」
最近、V・VARENの下部の子供達の評判をよく聞く。
ピッチ内で高い評価を集める一方で、ピッチ外での評判や礼儀は残念ながら芳しくない。
再び、上野山氏の言葉を引用しよう。
「ここで止まるなと思った。確かに巧い。でもそこに慢心している。反省がない。謙虚さがない。」
1999年の頃のヴェルディユースを指揮した菅澤氏の経験も紹介しよう。
「小学生の大会は長年サッカーに携わってきた地元の人々で運営されており、彼らは過去の指導者や選手の態度の悪さに業を煮やし根っからのアンチとなっていた。」
V・VARENのアカデミーはどこへ向かうだろうと考えたくなる良書。

フットボールサミットVol.04「カズはなぜ愛されるのか?」
同書の第2号「中田英寿という生き方」と同じように本人以外の周囲の証言からKINGカズを追う。つか、どうもあとがき読むとカズ本人の取材が出来なかったからみたいだけど・・。でも、色んな人が語る事でそれがかえってカズという人間を様々な角度から見れる。
多分・・誰でもKINGカズになろうと思えばなれる・・でも、絶対に誰もKINGカズになれない。
それが嫌と言うほど判る本。カズの実父の納屋さんをここまでダイレクトに取り上げた本は珍しく貴重だと思う。
ブラジル時代の話題やインタビューが多いので、個人的にはこないだの夏に帰国していたブラジルで記者やってるうえきさんから聞いた話や地名が・・多く読んでて楽しい。
「あぁ、この店がうえきさんの言ってた奴かぁ・・」とかな感じで。
読むやすいので一気に読める。不思議と南米の香りがするのは納屋さんのオーラか??

サブタイトルは激しく意味がないので気にしないで欲しい。
サッカー批評Vol53
今号より季刊から隔月刊となったサッカー批評。今回の特集は「Jリーグの戦術力を問う」と現在の日本の戦術を丹念に追う。POS別に選手へのインタビューや色んな監督の話を交えて中身が濃い。この編はサッカーダイジェストなどには真似が出来ないサッカー批評ならではの芸当だろう。
ただし、前号がジャーナリズム全開でJFAや日本フットボールの負や影に切り込んでいただけに、ミカミカンタ氏の休載宣言とあわせて、そういった部分をおもんばかってお上に抗議されない戦術論にいった印象が残る・・。それでも、この紙媒体苦戦時代に発行間隔を増すと言うのは大した本だ。

異端者たちのセンターサークル
チーム崩壊の最中にすら全日本ユースを制覇してのける圧倒的な凄さのヴェルディ。このクラブのJrユース、ユース出身で現在Jリーガーになっている選手は数多い一方、ワールドカップのピッチに立った事のある者はゼロ。メンバー入りしたのは2014年の南アフリカW杯の森本ただ一人。Jリーガーに占める割合と考えると信じられないデータだ。この辺の何故?を追ったのが本書。
ヴェルディの育成における個性の徹底尊重と圧倒的な本気。それを支えた反骨意識は底の深さを感じさせる。これは一朝一夕に出来る伝統ではない。その伝統すら迷走するフロントの前では脆くはかない。
そして、稲本、宮本などワールドカップのピッチに何人もの選手を送り出したガンバ大阪ユースの礎を作った上野山さんの言葉が重く響く。
「参考にしたのはピッチの中ぜんぶです。でも、ピッチ外は見習わなかった。」
「小見さん(ヴェルディ出身の指導者)たちは日本の為を考えたのかな?読売クラブ、ヴェルディだけを見ていたんと違うかな?」
最近、V・VARENの下部の子供達の評判をよく聞く。
ピッチ内で高い評価を集める一方で、ピッチ外での評判や礼儀は残念ながら芳しくない。
再び、上野山氏の言葉を引用しよう。
「ここで止まるなと思った。確かに巧い。でもそこに慢心している。反省がない。謙虚さがない。」
1999年の頃のヴェルディユースを指揮した菅澤氏の経験も紹介しよう。
「小学生の大会は長年サッカーに携わってきた地元の人々で運営されており、彼らは過去の指導者や選手の態度の悪さに業を煮やし根っからのアンチとなっていた。」
V・VARENのアカデミーはどこへ向かうだろうと考えたくなる良書。

フットボールサミットVol.04「カズはなぜ愛されるのか?」
同書の第2号「中田英寿という生き方」と同じように本人以外の周囲の証言からKINGカズを追う。つか、どうもあとがき読むとカズ本人の取材が出来なかったからみたいだけど・・。でも、色んな人が語る事でそれがかえってカズという人間を様々な角度から見れる。
多分・・誰でもKINGカズになろうと思えばなれる・・でも、絶対に誰もKINGカズになれない。
それが嫌と言うほど判る本。カズの実父の納屋さんをここまでダイレクトに取り上げた本は珍しく貴重だと思う。
ブラジル時代の話題やインタビューが多いので、個人的にはこないだの夏に帰国していたブラジルで記者やってるうえきさんから聞いた話や地名が・・多く読んでて楽しい。
「あぁ、この店がうえきさんの言ってた奴かぁ・・」とかな感じで。
読むやすいので一気に読める。不思議と南米の香りがするのは納屋さんのオーラか??
