熊本での食~分かち合う苦労の味は~
熊本戦後は取材などを終わらせたあと、熊本の知人たちに伴われ夕飯をいただくことになった。行き先はロアッソ熊本の選手やサポーターにとってのソウルフードと言って良いほどに愛され・・他県のサポーターでも知る人ぞ知る・・「キッチンママ」だ。もちろん、試合に敗れ切歯扼腕している身であり、おいそれと敵地で食を取るような真似はしない僕だ。だが、フと古の武将の逸話が頭をかすめる。
中国史上屈指の名将として知られる「岳飛」は戦場において、兵士と同じ食事を常にとり、戦場の苦労を分かち合ったという。元ロアッソに所属する高橋祐太郎君も食べたであろうキッチンママ。やはり苦労を分かち合うためには食さねばなるまい。全てはチーム・・クラブのためだ。
キッチンママはお店のクローズも検討されているそうで、最近は店を開けないことも多いそうなのだが、岳飛に共感する僕のために友人たちが予約を入れてくれる。注文したのはデジカルビチョンゴルと白ご飯(大盛)。そして、かぶりで唐揚げだ。
うむ!もっと早くから苦労を分かち合うべきだった!出来れば週に1回くらいのペースで苦労を分かち合いたい。若いときの苦労は買ってでもしろと言うが、こういう苦労なら高値で買い取ろう。この苦労がまた絶妙な辛さでご飯がすすむ。なるほど、これが苦労の味か・・。
良い感じにくつろいだ僕は21:00頃に熊本を後にした。
帰り道は(選手と苦労を分かち合うために長崎に飲食店を出そうか・・)などと考えてしまう。
熊本がキッチンママなら、長崎は・・リビングダディか?いや、キッチンとママはセットなのだからダディとセットの場所が良いだろう。父親がよくいる場所は・・繁華街、会社・・キャバクラダディ、カラオケダディ、コーポーレートダディ・・・。どの名前もパッとしないどころか、世知辛い中年サラリーマンの悲哀を感じる。そんなダディの苦労は嫌だな・・と思う。
翌朝仕事へ向かうコーポレートダディな僕は朝からかぶりの唐揚げを食す。そんな熊本帰り。
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