せちがらい話

藤原 裕久(KLM)

2015年04月18日 21:00

 世の中には明るい所と暗い所が必ずあり、それは特にお金の関わる世界では顕著だ。

例えばこの記事に出てくる未資格代理人。

 海外への移籍をさせると言いながら、実際の仕事ぶりはヒドイもので、早くから能力不足は明らかだった。
当然、関わった選手達に忠告するする関係者らも大勢いたが、
試合に出場できず移籍を考えている最中の選手には、そういう言葉は耳に入りにくい。
そして、選手自身が決断してしまえば、止めることが難しいことも多い。
こういったことは表に出ないので、応援している選手の移籍に反発するサポーターも出たりする。
悪質な代理人のために、プロフェッショナルな代理人も迷惑を被る

 FIFAの代理人制度の変更は、記事中に
「無資格者が起こすトラブルも多く、FIFAは責任を負いかねると判断して制度廃止に踏み切った」
とあるとおり・・問題の根幹を解消するものではない。
代理人制度の玉石混合が更に進んで、代理人選択の難度が上がるのに・・、選手の自己責任は増す。
言葉は悪いが、FIFAが負えなくなった責任が選手に来ただけで、何の解決にもなっていないのだ。

 結局は代理人、選手、関係者・・全ての人の信頼関係と言うことに尽きる。
プロと言う特殊な世界だからこそ、最終的には信頼なのだ。

 これからも移籍にともなうトラブルは必ず起っていくことだろう。
その時最も責任を負うのは選手であり、家族であり、関係者であり、
彼を応援するサポーターであり・・何よりサッカー界全体なのだ。
そのことをしっかりと理解して、それぞれが気をつけていくしか今は無い。

 実に世知辛い世の中だ。


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