フットボールへの情熱や理解が高く、
歴史がある土地をサッカー王国だとかサッカー熱が高いとか表現する。
長崎でフットボールファンをやっているとたまに「長崎はサッカー熱が高い」と言われる事がある。
確かに島商や国見高校が高校サッカーで前人未到レベルの偉業を成した歴史があり、
同時に国見以外でも吉田麻也君、梅崎司君などそうそうたる選手を輩出しており、
なるほど、大した街だと納得する。
でも、同時に思うのが本当にそう言い切ってしまって良いのかと言う事だ。
J1、J2、J3、JFL、地域リーグ、県リーグ・・
日本における社会人サッカーのカテゴリを見てみると
例えば、東京はJ1ではFC東京、J2には東京V、J3には町田、JFLには横河武蔵野、
関東1部リーグにはFC KOREA、東京23、エリースFC東京、日立ビルシステムと
J1から地域リーグまで全ての試合を観戦する事が出来る。
静岡はJ1に清水、J2に磐田、J3に藤枝、JFLにHONDAとアスルクラロ沼津、
地域リーグに藤枝市役所、矢崎バレンテとこちらも全カテゴリを観戦出来る。
その辺を踏まえて長崎はどのあたりに位置しているのか?
せめて九州内だけでも位置を割り出してみようと思う。
プロであるJ1、J2、J3。社会人のJFL、地域リーグに加えて
九州大学リーグと九州プリンスリースを対象にしてみた。
福岡県
J2:2(アビスパ福岡、ギラヴァンツ北九州)
九州リーグ:2(九州三菱自動車、七隈トンビーズ)*2014シーズンで計算
大学1部:6(福大、九産大、九州共立、福岡教育大、九州国際大、日本経済大)
大学2部:3(西南大、九州大、久留米大)
プリンス九州:4(築陽、アビスパU-18、九州国際大附属、東海大五)
*東福岡高校がプリンスの上位リーグであるプレミアリーグWESTに在籍。
鹿児島県
JFL:1(鹿児島ユナイテッド)
九州リーグ:1(鹿児島ユナイテッドセカンド)
大学1部:1(鹿屋体育大)
大学2部:1(鹿児島大学)
プリンス九州:3(鹿児島城西、神村学園、鹿実)
熊本県
J2:1(ロアッソ熊本)
大学1部:1(東海大熊本)
大学2部:2(熊本学園大、熊本大学)
プリンス九州:1(大津高校)
大分県
J2:1(大分トリニータ)
九州リーグ:2(中津、新日鐵大分)
大学1部:1(日本文理大)
大学2部:1(大分大)
*大分トリニータU-18がプリンスの上位リーグであるプレミアリーグWESTに在籍。
宮崎県
JFL:1(ホンダロック)
九州リーグ:1(MSU)
大学1部:1(宮崎産業大)
大学2部:2(宮崎大、九州保健福祉
プリンス九州:2(日章学園、鵬翔高)
沖縄県
J3:1(FC琉球)
九州リーグ:2(FC那覇、海邦銀行)
大学1部:1(沖縄国際大)
大学2部:2(琉球大、名桜大)
佐賀県
J1:1(サガン鳥栖)
九州リーグ:1(佐賀LIXIL)
大学1部:1(佐賀大)
長崎県
J2:1(V・ファーレン長崎)
九州リーグ:1(三菱重工長崎)
大学2部:1(長崎大学)
長崎、かなりヤバイ。
これでは有望な子供達が他県へ流出するのも無理は無い。
勿論、国見をはじめとした素晴らしい高校サッカーの実績はあるが、
九州内において高校年代から社会人までを見た時には、
長崎県全体の総合と言う点では・・九州で最も貧弱と言っても過言ではない。
逆にこういった状況下で他県のJ下部組織が欲しがる選手を輩出している
長崎の指導者や関係者の手腕に感心してしまう。
以前から県内のサッカー関係者が
「子供達が他県に出て行く状況が悔しい」
「長崎のサッカーを押し上げて子供達が地元でサッカー出来るようにならないと」
と言っていた言葉が身にしみる。
是非、こういった状況でも手腕を発揮している県内関係者達の労に報いる環境を造りたいものだ。