ワールドカップ的世界1の選手を考えてみた

藤原 裕久(KLM)

2014年07月15日 17:00

 過ぎたるは及ばざるが如し・・と言う。
中学時代のバレンタインデーに(チョコを貰い易いように)と単独行動をとっていたら
クラス全員が貰った義理チョコさえ貰えなかったり、
高校時代に女子高の前を通るときは妙に姿勢を良くして、
さも何か計算しているフリをしながら激しく視線を気にしていた結果、単なる不審者のように見られたりと
何をやるにつけても入れ込み過ぎる僕にとって胸に刻みつけたい言葉だ。

 思えばV・VARENの応援でも
JFL昇格が不可能となったシーズンの最終戦で「来季への開幕戦」という横断幕を出そうと思った際に
もっと先へ→「優勝おめでとう」→更に先へ!→「Jリーグ昇格おめでとう」→もっと高く・・
と意識を前のめりにした挙句「クラブ創設2億年、おめでとう」と横断幕に書こうとしたり、

 V・VARENがJFL昇格を達成した時にクラブへの感謝を示そうと考えた挙句、
いや、先人を敬って→「ありがとう、有明・国見」→もっと遡って→「ありがとう、アーチボルド(日本にフットボールを伝えたとされる人)」→更に遡って→「ありがとう、英国の名もなき村人(フットボール発祥起源)」→もっと高く・・
と遡り過ぎた挙句、「ありがとう、アダム!」まで行きつき、友人たちに「しっかりしろ!」と叱咤され・・

 そんな風に激しく行き過ぎたり、戻り過ぎたりするので
今回のワールドカップも敗因やら課題を考えていると何も手につかなくなってしまう。
これはいけない。もっと気楽な事を考えようと言う事で
「ワールドカップでの最高の選手はどんな選手だろう?」と考えた。
とりあえず、判りやすい指標としては個人記録を片っ端から塗り替えてみてはどうか?

以下が歴代の最高記録保持者と記録
出場回数:5回 カルバハル(メキシコ)・マテウス(ドイツ)
通算試合出場数:25試合 マテウス(ドイツ)
通算フル出場数:23 マルディーニ(イタリア)
通算出場時間:2217分 マルディーニ(イタリア)
最年少出場:17歳と41日 ノーマン・ホワイトサイド(北アイルランド)
最年長出場:43歳と3日 モンドラゴン(コロンビア)
通算最多得点:16点 クローゼ(ドイツ)
1大会最多得点:13点 フォンテーヌ(フランス)
1試合最多得点:5点 サレンコ(ロシア)
最年少得点:17歳と239日 ペレ(ブラジル)
最年長得点:42歳と39日 ロジェ・ミラ(カメルーン)
最短得点:開始11秒 シュキュル(トルコ)

これを全部塗り替えればワールドカップ的に世界最高の選手となるだろう。

まず出場回数5回を超えるには6回出場すれば良い。だが、問題が最年少出場と最年長出場だ。
17歳で初出場して最年少記録を更新した場合、6回目のワールドカップの時は41歳。最年長に及ばない。
解決方法としてはワールドカップに7回出場するしかない。
7回もワールドカップに出れば出場試合数をクリアすのは難しくあるまい。

という訳で、まずは時間に関する記録を全て塗り替える。
17歳でワールドカップに初出場し得点を決める(最年少出場記・最年少得点録更新)、
以後7大会全てでフル出場し、2大会ほど決勝トーナメントにも出る。
当然45歳まで代表の絶対的エースとしてフル出場し続け、45歳で得点を決める。
(通算出場・通算試合出場、通算フル出場、通算出場時間、最年長出場、最年長得点記録更新。)
7回も出ているのだから通算最多得点はクリアできるだろう。(通算最多得点記録更新)

ここで大きな難関が3つ残った。
1大会最多得点と1試合最多得点と最短得点だ。
まず、7回中どれかの大会で彼は1試合6得点を挙げないと1試合最多得点を更新出来ない。
そんなチャンスはそうそうないので、その大会で何とか1大会最多得点も超えたい。
毎回、決勝トーナメントに行けるとは限らないので、予選グループ敗退の場合は
予選3試合で6点、4点、4点のペースで点を取らないといけない。
これは厳しい。オウンゴールが得点に認められれば自殺点を決めまくって可能だろうが・・・。
ここは世界最高の選手である彼の得点力に期待するしかあるまい。

こうして最後に残ったのが開始11秒での最短得点記録だ。
だが、ここでフト気づいた。記録が全てではない・・記憶も大事だ。
やはり、最後の記録更新は記憶に残るゴールで〆めてほしい。
そこでワールドカップで特に記憶に残りつつ、他の記録達成の妨げにならないプレーを思い返した。
・マラドーナの神の手
・マラドーナの5人抜き
・フランスワールドカップで見せたベルカンプの背後からのロングフィードを足元でピタリと止めた変態トラップ
・・よし、これを入れ込もう。個人的に好きなバルデラマのインサイドキックも入れたい。

目指すプレイはこうだ。
背後からのロングフィードをピタリと足元に収め、そのままドリブル開始。
途中でバルデラマを彷彿とさせるインサイドキックを出して、それをそのまま自ら受ける高速移動。
更にドリブルで6人抜いた後に自分でボールをフワリと浮かせて神の手でゴール。
これを10秒以内にやる。

実際の光景としては、キックオフと同時に敵に背を向け、味方ゴール近くまで全力疾走。
同時に相手の選手は狙いすましたドンピシャのパス・・
時間の都合上早いほうが望ましいのでシュート性のパスを供給。
これをボールに背を向けたまま超絶トラップで受けた彼は前を向くと同時にインサイドキック!
自分で出したパスを追い抜いてパスを受けると、そのまま再びドリブル。
6人の敵を交わしてフワリとボールを上げ・・神の手でゴール!
これが最年長記録のゴールならもう誰にも文句は言わせない。

問題は、どれだけ急いでもトラップした時点で3秒は立っており、残りは7秒。
サッカーのピッチは105mで、100mの世界記録は現在9秒58であることか・・。
100mを最低でも7秒から6秒で走れる45歳・・あぁ、なんと世界の遠い事か。

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