敗北

藤原 裕久(KLM)

2006年06月25日 23:48

ドイツで見てきた。ブラジルゴール裏から日本ゴール裏を見てきた。



負けたのは日本代表というチームではない!
負けたのは日本サッカーを取り巻く全て、
選手、サポーター、マスコミ、スタッフ・・俺達・・それら全て!

試合前からブラジルは余裕だった。
俺がジダにブーイングを飛ばしても、ブラジルコールに首を振っても、
ブラジル人に「ブラジル0!ヤーパン5!」と言っても笑う余裕を持っていた。
玉田が一点取って後ろが少し騒がしくなったが、俺にハイタッチ求めてくる余裕があった。



後半・・走れなくなった。好き放題にやられた。
残り20分頃になるとブラジルのクルヴァ2階席から「ジーコ・ヤーパン」コールが起こった。
ホントの本気を見せないブラジルに選手もサポーターも呑みこまれた。
ブラジルにとって日本は敵にすらなれなかった。
箱型のドルトムントのスタジアムはブラジルの作った異次元。
何も出来ず何もかも呑みこまれて・・それでも黙って呑みこまれる事しか出来なかった。

ブラジルゴール裏に日本コールが聞こえたのは2回だけ。
玉田が点を取る数分前と得点後数分だけ。

個人的に02年はボーナスステージだと思っている。
今大会を98からの8年を見せる大会と捉えてた。悔しかった。
皆思った筈! 「こんなもんじゃないのに・・」。

力を出しきれないのは弱いからと言うのは判っていても
「もっと出来たんじゃ?」って思いは消えない。
サポーターもマスコミも何もかもひっくるめて出来なかった。

力を出し切れないチーム、
ドイツで他国のサポーターと上手く交流出来ないファン、
仲間内だと元気なのにバスの中で静かな日本人、
全てが重なった。負けたのは俺達のサッカーを取り巻く全ての文化。



帰り道、「良い物見れた」的な顔をした人達を見て余計惨めに感じた。
国際大会とか国同士の個性のぶつかり合い。
日本はそれを出せないまま蹂躙された。



柳沢がどうの、高原がどうの、ジーコがどうのじゃない!
俺らはどうしたんだ!!って事。

負けたのが日本のサッカーを取り巻く全てなら・・
その中には、武男さんも、渉も、裕哉も岩本さんも小嶺先生もいるんだよ!!!!
俺も俺の仲間も含まれてるんだよ!



悔しかろ?情けないやろ?
こんなもんじゃないやろ、俺らの力は!!

帰国便の中で笑顔で選手を迎えるファンや
今更「気持ちが足りない」とか言ってるマスコミを見た。
お前等、自分が負けた事にすら気づかないのかよ・・。



このドイツ大会は代表の一つの転機になる大会。
きっと代表チームの応援風景は次の段階へ上がる。
上がらなければ・・落ちるだけ。


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