卒団の話

藤原 裕久(KLM)

2010年11月22日 00:34

この記事がアップされている頃、俺は宮崎から戻っている訳だが・・そろそろ書いておかないと駄目だと思うので・・。



さて、個人的な事ではありますが、

今期を最後にULTRAを卒団する事を報告します。



別に分離独立だとか、応援やめるとかではない。単純に俺自身の時間的な問題。



元々、俺はフットボール関係者でもなんでもない。
中学も高校も部活はフットボール以外。単なるフットボールがムチャクチャ好きなだけのフットボール界とは無縁な人。ただ、メチャクチャに好きなので文字通り寝食を忘れてフットボールを見て、遊んで、本を読んで、色んな人達と交流をしてきた。それでも05年にV・ファーレンが出来て、KLMを始めた時に県内のフットボール関係者で俺を知ってる人間は”0”だったはず。



それから月日が流れ、その間も俺はV・ファーレンを応援する過程で色んな人と知りあい、色んな事に参加し、協力をしてきた。06年のシーズンオフにはクラブに正式な形での意見・要望書を提出して話し合いもしたし、その後も色んな話し合いの中で当時のフロントと、かなり激しいやり取りもした。(ちなみに・・やりあったフロントとは、その後一緒に飯を食べ今も信頼関係を築いている。)



その内にクラブから簡単な頼まれ事をする事ようにもなったし、協力を求められる事も増えた。それらの頼まれ事はULTRAとしての俺にではなく、1ファン、1協力者としてのものが大半だ。



・県フットボール関係者を中心とした外部有識者機関であるV・ファーレン長崎支援会”W会”会員
・かきどまり改修を推進する会理事
・マッチデイプログラム及びスタジアムマガジンViSta 編集チーム「V・ist」スタッフ



今期だけで、個人の俺としてクラブと関わっている、関わっていた肩書きだけでもこれだけある。



ここで誤解を招かないように言うが・・クラブとの関係には常に最大限の注意を払ってきた。クラブからビタ一文もらった事がない。スタジアムマガジンViStaはクラブスポンサー以外で、尚且つクラブに直接お金を出していない(出せない)所にお願いして集めた広告で出しているし、マッチデイに関しても原稿料等は一切貰っていない。クラブが「交通費だけでも」と言った時も断った。



俺が労働力を無償提供している事で迷惑を被る人もいるだろうが、今のクラブの状態では謝礼出す金があるならマッチデイを毎号出し続ける事が大事だと思うし、本業ではないからこそのボランティア協力だから勘弁してほしい。



繰りかえすがビタ1文もらってないし、グッズの提供なども受けていない。
「彼らは入場チケットを貰ってる」とか、いかにも真実っぽく話す人もいるらしいが、チケットをやると言っても断るくらいだ。V・ファーレン長崎後援会もちゃんと毎年入ってるし、駐車場付き年パス買ってるし、着ないだけで限定Tシャツも買ってるし、クラブのユニフォームが当たるクジはかすりもしない。会社に頼んで法人会員にも入ってるし、家族は家族会員に入れている。



つまり・・何ひとつ優遇は受けないよう注意して付き合ってきた。
クラブから協力の必要上やむなく情報を開示される事があってもULTRAの仲間にすら黙っている。それが筋だからだ。

マッチデイは当然として、本来独立しているViStaですらULTRAの機関紙的に思われないようにと、ViStaを始める時にうえきさんに「手はださんでくれ。ULTRAの影響なくフラットではじめたい」と申し入れて線を引いた。この時にうえきさんが「何でもやってみれば良い。」と何も聞かずに承諾してくれた事には今も深く感謝している。



「色んな肩書きがついてる事が既に優遇」と言う人もいるかもしれないが・・
W会は当初、公式サイトにも掲載され一般募集があっている。俺はそれに申し込んだだけ。後は会で実際に資料作って提案して懸命にやってきただけの話。



かきどまり改修推進委員会は06年に「長崎県にサッカー専用スタジアムを望む会」で行った活動が評価されての物。この「望む会」はクラブと関係のない団体だった。



マッチデイについても06年から長崎スタンダードを3年、去年はプロビンチアをやってきた事が背景にあるからだ。



優遇もへったくれもない。



だが、それを理解しない人もいる。
色んな会議に出席すれば「クラブに取り入って自分だけ(ULTRAが)情報を得ている。」
フロントと立ち話しをすれば「ULTRAがフロントと癒着している。」
アウェイに行き続けてれば「ULTRAはフロントからチケットとか貰ってるんでしょう。」



そう裏で言われる事も珍しくない。



だから、自分がW会である事も、かきどまり改修を推進する会理事だった事も、マッチデイやViStaの原稿を書いて発行している事も最低限しか明かさなかった。



実際にはクラブのULTRAに対する対応は、余りにそういった批判に配慮して、俺らは一般の観客より不利な待遇を受ける事もあった。俺らはそれでも我慢していた。それについて余りにも抗議すれば「あいつらは自分らが優遇されたいだけだろう」と誤解されると思っていたからだ。



フロントとスタジアムで会っても目で挨拶するだけで言葉を交わさない。常識的には異様な光景だが、誤解・・と言うよりうがった見かたをする人、そのうがった見方を広める人がいるから。



明かせば楽だった。
何かを説明する時も、理事や話し合いの当事者だと明かせば「何で、1サポーターがそんな事が言えるんだ!」と突っかかってくる相手はいなくなる。それでも、誤解を招かない方がどこにも迷惑もかけないと思った。



そういう状態で今までやってきたが・・いよいよ限界状態に入った。
9月からW会の組織改正に伴って運営委員長になった。W会の会長からは集客面やらについてほぼ一任された。自分より実績的にも格的にも適した方は大勢いるが、能力はともかくフットワークが軽い若輩者に「やらせてみよう」と言う事なのだと思う。



とは言え、その期待を裏切りたくないので9月の就任以来、色んな作業や準備に入った。
正直かなり忙しく、ほぼ仕事と食事などの時間以外は常に資料集めや企画を作成している。ULTRAとしても今年はアウェイの応援に行ける仲間が少ないので・・少々無理をするのも増えた。



毎週かならずやるのが、KLMのサイト更新、アウェイにタムやダンマク抱えて一人での遠征、毎週2000字以上のマッチデイの原稿。メルマガ2本、W会の資料・企画作り・・これに月に1回の割合でViStaの原稿(3000字~5000字)、2ヶ月に1回のW会の会議。
これら全てが無償のボランティア作業・・と言うか自分が好きでやってる事^^



ちなみに俺の本業は会社員だし、10月はお袋が入院し毎日病院通いだった。



大変は大変だがツライとは思っていない。こういう苦しいのすら楽しい。



だが、特にW会の関連ではクラブと共同で検討する事案も増えると・・上記のような作業を効率的にやる上では、色々支障が出てきた。



クラブと癒着してるという人間達は論外としても・・ULTRAとしての自分と、ULTRAじゃない自分を見分けるのは外からは難しい。だからこそ、今まで明かさなかったのだが、W会としての活動の段階が上がる以上そうは言ってられなくなる。



自分がいくらフラットで、どれ程細心の注意を払っても、中立を胸に誓っても外からはそれは判らない。



なのでULTRAを卒団する事とした。仲違いでも何でもない。みんなとは本当に仲間だと思うし、一緒に遊びもするだろう。マリノスや浦和はじめ・・俺みたいに中立の活動とサポーター団体を両立している人は結構いる。それを周囲も理解している。
出来れば、俺も両立したかったと言うのが本音だ。

ULTRAを辞めたい訳ではないし、来年もタムをガンガンに叩きたかったし、色んな仕掛けも考えていた。・・だが長崎では無理だ。過去に心無い言葉が飛び交った事がそれを証明している。



この街に2足の草鞋を履かせる成熟度はない。
だから卒団する。



別に応援もアウェイ観戦もやめない。今まで自分が「一緒に応援しよう」と呼びかけておいて、やめたからやらないなんて事もない。応援はやめない。
だって、俺はV・ファーレン長崎が大好きだから。
でも、もうタムは叩かないだろうしリードもしない。当然、アウェイでの前説もやらない。
「コアなサポーターの周辺にいる人」・・そんな感じだ。



この事は去年くらいから考えていた。完全に決定したのが10月。
以後、いつも「選手によっては、俺がコールする最後の試合かもしんない」と思ってやってきた。その選手が見た俺が手抜きの俺じゃ悔しいから^^



なので、前説に付き合ってくれたり、タムにあわせてくれたりした皆さん、ありがとうございました。海より深く感謝しております。



思い起こせば元々、1人でやっていた俺を06年の秋にうえきさんが「ULTRAに入りなさい。入ってください。この大事な時期やっけん」と誘い、はち蔵で上等な酒を2人で交わしてULTRAに入ってから・・色んな事がありましたが、実に楽しゅうございました。



今期、残り試合。全身全霊で応援させていただきます!





我が応援に一片の悔い無し!!


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