あたらしいうた

藤原 裕久(KLM)

2009年06月10日 22:43

大久保毅が今の長崎の監督の名だ。「つよし」ではない「たけし」だ。



ハッキリ言えば、選手から特別に信頼されているという話も聞いた事はないし、手腕だとか指揮能力はまったくの未知数だ。これまで指揮の全権は東川前監督が執っていたし、コーチと監督では求められる資質や能力はまるで違う。現日本代表監督の岡田さんも12年前にコーチから監督に昇格した時は対応やら立場の違いにエラク苦労したそうである。



正直、未だに大久保毅監督はまだ長崎に目に見える大きな物をもたらしてはいない。
しかし、今回監督就任を受諾した。そこはキチンと評価したい。



長崎の状態はかなり厳しい。
監督になった時点で開幕前の目標勝点72を取るには残り22戦の内19戦を90分勝ちしないとならないし、ベンチと選手の信頼関係も希薄になっていたし、迷走した事でマスコミの注目度も下がっている。



コーチとして復帰した岩本さんは強烈な求心力を持っており、その求心力はフロント入りしてからも些かも衰えていないどころか、スポンサー集め等で更にチーム内での評価を確固たるモノとした・・一種のカリスマだ。



どれだけ岩本さんが一歩引いて監督を立てても、監督はその辺で苦労もするだろうし、我慢もあるだろう。今、監督を受諾して勝点72に届かずにシーズンを終えても、大久保さんの責任は軽減され経歴に取り返しのつかない傷が付く事はないだろう・・でも、傷が付くのは間違いない。一番傷を負わないで済む方法は監督と一緒に離任すれば、自身は無傷だった筈だ。



それでも彼は受け入れた。
それは今の分の悪い勝負の中で責任を受け入れたという事だ。



今の長崎はシーズン中でスケジュールが立て込んでおり、ジックリ指導する時間はない。走りながら改善をしなければならない。
その中で、1つだけ改善出来るものが・・一体感を作る事、悲壮感を消す事だと思う。



だから、北九州では大久保毅監督の歌を作った(1分で)。
テーマはむやみに明るい事。それ以外はいらない。
東川体制末期の練習場は時々、物凄い悲壮感の中で練習をやっていた。
「何で、こんなに楽しくなさそうにフットボールやってるんだ?」と思った事も多い。だから馬鹿みたいに能天気で楽しい歌が必要だ。苦しい時ほどニヤリと笑え。



曲の名前は「オオクボ1番」。
何の1番かは判らない。1番若い監督でも良い、1番声がカン高いでも良い・・それぞれが1番を定義してくれて構わない。



歌うコツはたった1つ。
やたらと楽しそうに、実際に楽しんで歌う」それだけだ。



勿論、指揮やら戦術に問題があれば意見も言うし、声をあげる。
こりゃ、ダメだと思えば、解任を訴える事もあるだろう。
それは今までも、これから先も変らない。



だが、とりあえず島原で皆でやたらと楽しそうに一緒に歌って欲しい。
歌詞は「オオクボ1番」だけだ。他の歌詞はない。現地ですぐに覚えるだろう。



俺達の船は嵐の中で目的地へのルートを見失い漂流しつつある。
その中で打開する為に船員を配置しなおした。
あとはまず嵐を乗り切らないとならない。


関連記事