2010年04月27日
JFL第7節Honda戦での長崎の戦い方
一般ウケしないので最近は自重気味だったんだけど、久々に戦術系を少しばかり書いてみようかと思う。
Honda戦での基本的な布陣と動きを大雑把に図にしてみた。
ボランチは山本が下がり気味で、元気がかなり攻撃に関与。大塚と山城は頻繁に互いの位置を変え、特に大塚は前目に入って3トップ的に。山城は白丸部分のトップ下に入ったり、守備の為に下がったり。福嶋はポストに体を張って、アリは動いてスペースを作ったりポストのこぼれたボールを狙う。中央の人数が足りない部分はDFがラインを押し上げて陣形をコンパクトにして密集させる事でカバー。
Hondaはこれに対して早く長いボールを使ったりしながら何度も長崎のDFの裏を狙う。これの大半はオフサイドとなったが、時折抜け出してチャンスを作っていた。オフサイドをキチンと取った長崎と、裏を狙ったHonda・・両チーム共に狙い通りだったが、ハーフタイムに打った手が両チームの明暗を分ける格好となった。
後半に入ると長崎は前半をベースにしつつ、梶原、中津留が前半より前の位置に入る。一方のHondaは長崎のボランチ、山本にボールが入るとチェックが強くなった。
更にCB2人にもプレッシャーをかける。
前半から相手DFラインを下げるのに有効な長く早いボールを使っていたHondaの戦略がここで生きた。
カジ・中津留が上がり目で前半よりSBの裏にスペースが出来た為に・・そこを狙われるとCBはセオリーに従って中央よりに絞らねばならない。
結果、ゴール前でCBはプレイする事が増え・・藤井・伝・そして山本が下がらざるえなくなった。こうして長崎の布陣は間延びする。
山本に次いで中盤での運動量を誇る山城は、間延びした布陣のスペースを埋めようと後ろへ下がる。その為に攻撃で前目に入るサイドMFは大塚1人でサイドの流動性が無くなる。大塚が動いた後のスペースをカバーする者がいない。その為にクロスよりドリブル突破という「よりゴールに近い位置」へ行かないと真価を発揮しない右サイドの中津留は攻撃参加が中々出来なくなる。(梶原はイザとなればクロスを上げられる)
この状態を打開しようと長崎が次に打った手が、元気を右サイドに入れて3トップ気味に。
要は・・元気のパスでの展開力に賭けて宮尾、有光の裏へ抜ける動きへ切り換えようというもの。
しかし、スタミナ面にやや不安があり、プレーエリアが決して広いタイプでない元気を前目に固定し、山本やCB人も下がったままなの間延びした布陣では状況を打開出来なかった。
その後、山城や山本や梶原といった選手が献身的に動き回って行く事、Hondaも動きが落ちてきた事で徐々に流れを挽回するが・・・。
Hondaは先制してしばらくすると守備の際は、長崎がハーフラインを過ぎてくると素早く戻って引いて守るリトリートの守備を見せた。長崎の布陣が間延びしていてSBが攻撃参加するのに時間のかかる事がリトリートしての守備に都合も良かった。そして、ショートパスでの展開にあくまでこだわる長崎はHondaの数の網にかかっていく。
上の図のような感じ。
☆がHondaの守備陣。白の点線がHondaの選手の動き。梶原がボールを持っていて、赤、青、黄色、紫の順にパス。
目の前にHondaの選手が1人の内にクロスを入れるか、縦に一本パスを出して宮尾がサイドの裏を取る(図の黒矢印)シンプルなプレイで充分チャンスになるのに・・短いパスを密集地帯でつないでHondaの守備にかかってバックパス・・そういう展開がやたらと多かった。
恐らく・・今は土台のパスサッカーを徹底してチームに叩き込む為にことさら、強く長いボールを簡単に蹴らないようという事なのかもしれないが・・それに縛られすぎていた感は否めない。
ポゼッションサッカーにおいて、ロングボールは欠かせない要素だ。
ロングボールを織り交ぜて相手DFを押し下げていかなければ、布陣の頭がつかえた状態でパスを回さなければならない。それではパスワークは窮屈になる。
実際、長崎がチャンスを迎えたシーンはいずれも元気や山本がやや長めでも縦にパスを通した時だった。この辺はこれから大事になってくると思う。
とは言え、開幕から考えると戦い方のベクトルは定まってきているし、ずっと先へつながってきている事は確かなので、きっとこれからこういう面も上手く融合されていく事を期待したい。
他にもHondaのマイナスのクロスや、開幕から出番の少なかった大塚が最近出場が増えてきた理由とか書きたい事はあるけれど・・もう明後日は試合なのでこの辺で。
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