2009年11月10日
2009年 県高校選手権決勝
日曜日は高校選手権決勝へ行き、かきどまり改修推進署名も行う。
フットボールの会場は手応えが良い。協力していただいた方、ありがとうございました。
んで・・決勝の国見対鎮西
国見の一方的ペースとなった。国見は県内に限定すれば飛び抜けていたと思う。
国見の特徴は「徹底したプレス」「サイドからのクロスの約束事」の2点だ。
特に「クロスの約束事」はシンプルで効果的。
ここ数年、長崎の高校サッカー界でもサイドが最重要視されている。いかにサイドを攻略するかを模索している。しかし、サイド攻略後は途端にアイデアが無くなる。
分かりやすくいうならクロスに工夫がなく5割がとにかく放り込みという状況だ。
単なる放り込みは運任せのギャンブルだ。決まるかどうかは運次第。
クロスに合わせるには出し手と受け手のイメージが合わないといけない。このイメージがあう確率を高める為にアイコンタクトなどあるのだが、相手DFを突破した直後やトップスピードに乗ったままアイコンタクトして狙った所へクロスを上げられるような選手はそうそういない。
その為にここ数年の長崎の高校サッカーはサイドからのクロスが多い割に力の差がないとサイド攻撃が得点に至る確率は低かった。特に去年の日大が強かったのは前線に個人技の高い選手を並べて、放り込みや精度の低いクロスを前線の力と数でカバーしていたからだ。
今年の国見はそこを見事にカバーしていた。
基本的に国見はサイドからクロスをあげる時にアイコンタクトや余裕がない場合にクロスを上げるポイントを決めていた。
ゴール前のPKスポット。
クロスを上げる側はPKスポットを狙ってとにかくボールを上げる。FWはクロスが上がればPKスポットに飛び込む。普段はPKスポットに飛び込むためにPKスポットにFWは立ち入らない。立ち入らないから相手DFもPKスポットの守り薄くなる。
シンプルだがこれを国見は丁寧に実践していた。余裕があればFWと連携を合わせもする。国見はこれを新人戦からやっていて選手権では少し応用するレベルになっていた。
一方で守備での強さはプレスの徹底だ。
高校レベルではトップクラスの運動量とプレス意識。この鬼のプレスが攻撃の時にはDF以外全員が前線へ絡む超攻撃的布陣を可能にし、それがサイド攻撃の成功確率を高めていた。特に中盤の那須、大町の運動量がそれを支えていたと思う。
一方の鎮西はJリーグのユース系というか丁寧なサッカーを行っていた。
後方からのビルドアップ、つなぐ姿勢が常にあったと思う。しかし、中盤を経由してつなぐ為に国見のプレスの餌食となってしまった。常に反撃の一歩目でボールを奪われ逆襲にさらされるパターンに陥り、武器であるサイドへボールを回せなかった。鎮西側のプレスは寄せが甘く国見に驚異を与えられなかったのも大きかった。
メンタルの波が激しい高校年代では一度押し込まれると自分らの力を出せずズルズル行ってしまうチームも多い。そこがまさに出たなっと。
あと気になったのが2つ。
交代枠を使い切った鎮西のサブ選手がダウンを始めた。高総体後も選手権に賭けた3年生もいるだろう。3年間のある意味でハイライトの場、ラストの場を敗れるだけでなく・・ピッチに立てずに終わる。それはどんな気持ちだろう。きっと指導者も1人でもピッチに立たせてやりたいに違いない。でもそれは叶わず彼らの高校サッカーは区切りとなる。
国見の4点目のゴールが決まった。鎮西の子の気持ちが切れようとする音が聞こえた。
スタンドは失点の瞬間も応援をやめず歌い続けた。
普段、ULTRAでバスドラ叩き、歌っている。
個人的に失点して応援がピタリ止まるようなのが大嫌いだ。
「俺達は失点しても一切応援やめんぜ!だからお前らも動揺せんちゃいいぜ!」っと鎮西のスタンドも4点目が決まった瞬間、歌をやめなかった。だが、高校生にそこまで求めるのは酷だが・・踏ん張りきれず鎮西は更に失点してしまった。
鎮西の応援の心意気は素晴らしかったし、選手も責められない。
ただ、その光景を見た時に、(どうすればこの時に選手の気持ちを強くする応援は出来るのだろうか?)っと考えた。答えはまだ出ない。
ただ、この2点から試合に出ている選手の肩にかかる責任の重みを再確認出来た。
色々と考えさせられた選手権決勝だった。
国見は全国へ向けてもう一段階上げないと国立の道は厳しいだろうが、是非国見復活を示して欲しい。今の長崎高校サッカー界は1~2年生に楽しみな逸材が多く来年がすばらしく楽しみだ。
明日はV・ファーレンジュニアユースの話題を。