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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2014年12月24日

強化予算とか期限付き移籍とか

 期限付き移籍中だった水永君の金沢への完全移籍が発表された。
昨年も複数の選手がシーズン途中で期限付き移籍をし、同時に期限付き移籍で選手を獲得するなど、
長崎にとって期限付き移籍は重要な要素だ。なので、今回はこの期限付き移籍について少しばかり書いてみる。

 期限付き移籍について簡単に説明すると、
クラブと選手が締結している契約期間内で、別のクラブへ移籍させるというもの。 
長崎は期限付き移籍が多い事をよく指摘される。所属選手の30%近くが他クラブからの期限付き移籍選手で、
確かに割合は高い。期限付き移籍は、活躍した選手ほど元クラブへ戻るというデメリットがあり、
この部分が「地道で着実、堅実な強化」にそぐわないとして嫌われる面がある。
だが、期限付き移籍はレンタル料の額などクラブ間の合意次第で色々変わる部分があり、
この辺を上手く利用する事で費用を抑えて補強出来る為に、強化予算の乏しいクラブで積極的に活用される。

 この強化予算というのがチーム作りの肝であり、期限付き移籍が活用される最も大きな理由である。
予算の豊富なクラブが基本的に期限付き移籍で選手を獲得しない事からもそれは判るだろう。

ちなみに下は2013シーズンのJ2の順位で( )内がチーム人件費とその順位。

1位:G大阪(15億円(1位))
2位:ヴィッセル神戸(12億円(2位))
3位:京都(7億円(4位))
4位:徳島(6億円(5位))
5位:ジェフ(10億円(3位))
6位:長崎(2億3000万円(20位))
7位:松本(3億7000万円(11位))
8位:札幌(3億6000万円(12位))
9位:栃木(4億円(9位))
10位:山形(4億7000万円(7位))
11位:横浜FC(5億円(6位))
12位:岡山(4億円(8位))
13位:東京V(3億6000万円(13))
14位:福岡(4億円(10位))
15位:水戸(2億3000万円(19位))
16位:北九州(2億5000万円(16位))
17位:愛媛(2億5000万円(17位))
18位:富山(2億7000万円(14位))
19位:熊本(2億6000万円(15位))
20位:ザスパ(1億7000万円(22位))
21位:岐阜(2億4000万円(18位))
22位:鳥取(2億円(21位))

 見てもらえれば判る通り、多少の誤差はあるが、5億以上グループ、4億台、3億台、2億台と
チーム成績と強化費の順番がほぼ同じだ。そして、去年の長崎が凄まじい結果だったことが良く判る。
例えば昨年、徳島の強化費はJ2では上位だが、殆ど変らない予算で挑んだJ1では最低レベルで、
そのまま最下位での自動降格となった。このようにチーム成績と強化費は密接に関連する。

 ちなみに今年の11月に行われたクラブ定例会見によると、長崎の今季強化予算は2億ちょいで、
来季も大きくは変わらないという話であり・・更にU-18が事実上まだ2年目である以上は、
やはり期限付き移籍を活用しないとどうしようもない。

 また、期限付き移籍で選手を出す際にもやはり強化予算や環境はモノを言う。
期限付き移籍で選手を出す側の理由は原則以下の4つ。
1.将来性はあるが現時点では出場機会の少ない選手に他クラブで経験をつませる。
2.チーム方針や戦略が変わった事により出場機会を失った選手が出場機会を求める。
3.シーズン中補強や他の選手が成長した事で選手数が増えた為の放出。
4.他クラブから良い条件でオファーが来た。
の4つが基本パターン。実は他にもクラブが選手のセカンドキャリアを含める今後を考えて、
あえて選手の為になるクラブを見つけてくる・・というのもあるけれど、ここでは除く。

 選手層が薄い長崎の場合、将来性のある選手を他クラブへ出す余裕は殆どないので、
基本的に長崎から期限付き移籍する選手は2~3のケースだ。特に多いのが3のケースと思われる。
練習場やスタッフ、練習時間が有限である以上、指導出来る人数にも限界があり、
特にシーズンが始まると練習の中心は「コンディション調整」と「対戦相手への対策」を重視したものとなる。
怪我人を考えるとチームの人数としては30名ちょいが限界で、長崎の選手数もその辺りで推移している。

 結局の所、予算の問題を解決しない限り、期限付き移籍を活用した補強や、選手の入れ替えは避けられず、
設備や環境やアカデミーが整備されない限り継続的な強化は充分に出来ない。
お金があれば強くなる訳ではないし、お金が全てではないが、
J1に昇格した湘南の曺監督が昇格パレードで「お金下さい」と支援を要請したり、
松本がJ1入会金の寄付を開始したように・・これがないと厳しいのが現実だ。

 お金で幸せは買えないけれど、お金で回避出来る不幸せは沢山あるのだな・・と思う。
特にクリスマスの時期は子供のサンタさんへの願いを見て・・父として強く思う次第です。
とりあえず、今夜はサンタさんに・・デスノート・・もとい、僕にはお金を下さいと祈ろう。


  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 22:14Comments(2)V・V長崎