スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2014年11月26日

2014年J2最終節 長崎vs.栃木のこと

 日曜は朝から栃木へ向かう。関東の空気は冷たいが天気は良い。
昇格プレーオフもJ3降格もない中で迎える最終戦。
選手、ファン、関係者それぞれが試合に賭けたものがあったろう。
結果を言うと、勝つために打てるあらゆる種類の手を打って・・敗れた。
敗れ方も含めて、今期が凝縮されたような試合でもあったと思う。

 長崎は3-4-2-1の布陣。故障の黒木君に変わって井上君が三原君とボランチを組む。
一方の栃木は4-4-2。攻撃の起点の一人である近藤が累積で出場停止。
代わって左サイドには本来は左SBの荒堀君が入る。

 立ち上がりは静かな探り合いのような展開。
シーズンの栃木は守備ブロックを作って守るスタイルに切り替えている。
低めの守備ブロックで守る栃木相手に長崎がボールを持って攻める展開が続いた。
だが、31分に左サイドから小野寺君が入れたクロスを杉本君にピンポイントヘッドで合わせられて失点。
クロスが入った瞬間に大型FW西川君に注意が行ってしまったのか・・杉本君に完璧な所に入られてしまった。
ペースを握りながら相手にファーストシュートを決められての失点はチームに動揺を産んだ。
この後の長崎は、焦りからミスが増えていき・・0-1のまま前半終了。

 流れを変えるべく長崎はハーフタイムに小松君を下げてヨンジェ君を投入。
布陣も京都戦で見せた3-1-4-2とするが、前がかりになる長崎に対して
栃木の守備ブロックがハマり、中盤でもプレスをかけてペースを握る。
そこで長崎は73分に井上君を下げて山口君を投入し、
山口君に前線で競らせて、こぼれ球を狙うという力技へ。だが、栃木は割り切って守りを徹底。
終盤にはチームの流れ、メンタルを高める事を狙い最後には由紀彦君を投入。
何度かチャンスを迎えたが・・0-1で試合終了。今シーズン苦しめられた「得点を奪い切る力」が足りず敗れた。

 正直、前半の方が展開した内容は良かったと思う。
だが、押し込みながらの失点で焦りが生まれてしまった。
それを打開しようと、布陣を変えて変化をつける理の交代だったヨンジェ君投入。
パワープレイの山口君投入。メンタルや流れを変えようとした由紀彦君投入。
ベンチは勝つために考えられるあらゆる手を打ったと思う。
昇格も降格も関係のない消化試合を消化試合にせず、
試合後に泣くほど悔しい気持ちで戦っていた事は見ていたファンに何かを感じさせたのではないか?
個人的にもチームが現在のやり方を継続していけば、この悔しさは必ず次の強さにつながるとも思う。

 2005年にチームが出来て以来、これまで10回の最終戦全てに立ち会ってきた。
10回の内に歓喜ややりきった感だけで終れたのは、チーム初年度の2005年、JFL昇格を達成した2008年、
JFL昇格を達成した2012年、初のJ2を6位で終えた2013年の4度だけだ。
残り5回は心が壊れそうなものや、うずくまって泣き続けたものばかりだった。
ちなみに4度の歓喜の中で、2012年、2013年もその数日後に激動が起こったりした。

 昔、長崎は選手との付き合い方や別れ方が下手でOB達がクラブと上手くつながれない時期もあったりした。
誰が悪い訳じゃなく、単純に不器用なのがその原因だった。
今、クラブではV・ファーレンのOB選手4人が働いていて、別のOBがボールボーイの高校生を引率して来て、
別の3人のOBが自分のサッカースクールの子供達を連れてスタジアムツアーへ来たりする。
昔の不器用な時代を知っているので「良い眺めだな」としみじみと思った。

 去年から応援し始めた人が多い長崎の街にとって、2年目は少し不満はあるかもしれない。
それは当然だし、勝ち負けというのもとても大事だ。自分が好きな選手が出たかどうかも大事だろう。
でも、あとでこの10度目のシーズンを振り返った時、僕らはどう思うだろう?
楽しいと思うだろか?悔しいと思うだろうか?どれであったとしても欠かせないクラブの歴史であり、
次のクラブの力だ。シーズンは終わった。でも、クラブの歴史は終わらない。
もう既にクラブの新しい物語は始まっているし、僕らは今日もそこに立ち会っている。

さぁ、次のページをめくろう。



  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 01:23Comments(0)V・V長崎