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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2012年02月05日

世界の書評から ~ミナミの帝王は中毒性が高い編~

俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評から」シリーズ。
もう第何弾か判らないので適当にサブタイトルをつけている。
サブタイトルに意味はないので気にしないでくれ。

まず最初の1冊が



「地域スポーツクラブのマネジメント」
地域スポーツクラブ運営の為の制度を解説した本。
クラブ哲学や経営哲学などより全編ほぼ制度の解説になっている。
NPO法人とは?とか知的財産権とか法人税とか・・。
各制度については原則しか紹介していないので入門書的な感じか?
ただし、各制度の説明の並びが今一つ整合性がなく話が結構飛び飛びになる。
いっそ制度の専門的な事は割り切ってハウツー本的に仕上げれば良かったのではないか?
よっぽど興味ある人じゃないと厳しいかなと思う。


続いての一冊は



「ソシオ制度を学ぶ」
会員が会費を支払い、その会費でクラブを運営し、一つのクラブ経営の理想系と言われるソシオ制度を解説し、日本向けに出来ないかを考察した本。
ソシオ制度はバルサが最も有名だが、同時に本当に機能しているのもバルサだけだったっりする。それはバルサというクラブが設立段階からソシオ制度での運営を想定して作られ、同時にバルセロナという地域がバルサを徹底支援する政治的・歴史的な理由があったからで、ソシオ制度はバルサだから出来たという面が強い。

それを日本出来ないかを考察しているが結局は方向性を明示するだけで終わっている。「やっぱ無理だわ」という感じで、作者も同じように感じたのだろうなと思う。なのでクラブ経営やらクラブマネジメントやら一通り理解て読まないと中途半端な知識では「ソシオ制度を長崎に!」とか半端な理解で叫ぶ人が出そうでちょっと嫌だなぁ。

この本、上の「地域スポーツクラブのマネジメント」と同じ著者が書いた本。この本でも公益法人だとか非営利団体とかの制度的用語が多く、「地域スポーツクラブのマネジメント」と内容がかぶる事も多い。2冊買う必要はないと思う。ただし、スポーツクラブの持つ公益と営利が混在する矛盾点を指摘しているこっちの方がお勧め。


最後は毎度お馴染み・・



「サッカー批評」
数号前の記事で原発と日本サッカーを取り上げた「Jヴィレッジの存在意義」や現在のJFAの有力者田嶋幸三氏に色んな矛盾店や問題点を付いたミカミカンタ氏のインタビュー、海江田哲朗氏が代表でありながらJFAの支援を受けられないブラインドサッカーやハンディキャップサッカーを追った一連のシリーズなどジャーナリズムを前面に出し高い評価を得たのだが・・お上の反発も大きかったらしく、前号に続いて特集のカラーページは戦術系。やや残念だ。
インタビューがあるので読み物としては読みやすいが、何となく物足りない。

それよりセンターモノクロページの川崎や岡山のクラブの運営に対する記事の方が良かった。川崎は営業に、岡山は社長が優れていて、読んでいて納得する事が多い。

あとは私的フットボール・温故知新のコーナーが良い。
毎号、イングランドのフットボールの現在の話題と過去を対比させて語るのだが・・今号は現在のイングランドがFIFAやUEFAと対峙している情勢と1950年代の英国フットボールの小英国主義(日本でいう鎖国主義)の話題。実にこれが良い。かつての小英国主義の為に失った物を嘆きながら、今もまだFIFAやUEFAと対峙を続けるイングランドの覚悟にどこか共感を覚えたりする。
あぁ、こんな風に日本や長崎のフットボールを語る時代が早く来てほしいものだ。



こんな3冊。シーズンオフの時間がある時に興味があればどうぞ。

  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 10:00Comments(0)書籍・雑誌