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Posted by のらんば長崎運営事務局  at 

2011年10月06日

世界の書評から ~テリーマンは報われない編~

俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評からシリーズ」。
サブタイトルは毎回適当についけているので余り気にしないでもらいたい。

まずはコレ。



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欧州サッカー批評



特集の「バルサへの挑戦状」は識者が語るバルサ攻略法を通じ、現在の最先端であるバルサを解き明かそうとする物。どれも的確に分析してるんで、結論が似ていて段々同じ文章を読んでいる気がする。「バルサを倒すにはバルサ化するしかない」とか余り続くとちょっとキツイ。



一応、バルサと違うスタイルとして、放り込みで活躍するストークシティのトリビューリュ監督のインタビュー等は面白いのだが、スウォージーやハンブルガーSV、リバプールの記事は殆どバルサと関係なく無理にくっつけた感じ。その権化が「カッサーノ」のインタビューでバルサとか殆ど無関係。「ミランが俺を変えた」と行ってる数行後にはセードルフやガットゥーゾをおっさん呼ばわりしてて何も変わってない。素敵だ、カッサーノ。



バルサ礼賛がやたらと多いけれど、欧州系好きな人はどうぞ。




続いては・・
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社長・溝畑宏の天国と地獄



圧巻な良書!推薦する!文字通り、元大分トリニータ社長である溝畑氏が大分にやってくる所から始まりトリニータを去るまでのノンフィクション。木村元彦氏の丹念な取材が光る。



官・民が支持していないのに強引に溝畑主導で作られ、20年の間に通常の会社では信じられない破綻経営を行い、ナビスコを制し、手法に賛否ありながら溝畑という巨人によって生み出されたトリニータ。0から生み出すには不可欠なエネルギーの塊のような彼が必要だった事が判ると同時に溝畑後を作らなければトリニータに未来はなかったんだろうなと思う。



ナビスコを制した際には、長崎でも大分の現状を調べようともせずに手放しで「大分に続け」「地方の星」ともてはやした人が大勢いたが・・今、彼らはその事も忘れているのだろうなぁ。そんな彼らに是非読んで欲しい。と同時に、トリニータの過去に比べれば長崎が何と周囲の理解に恵まれていたかがよく判る。



ちなみに04年の末、V・VAREN創設準備中、溝畑氏は準備委員会に招かれて講演を行っている。その頃、この本に書いてあるような状況を長崎はどれ程理解していたのだろう??

賛否両論な人物を中心に据えた為に賞的なものはないだろうが・・読んどけ!
損は絶対させない。


続いて・・
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サッカー批評



お馴染み、サッカー批評。特集は「日本はバルサを越えられるか」。

・・・またバルサか。



今のバルサは確かに歴史に残るチームであり、今、生で見ておけば10年もしない内に絶対に「良いなぁ、あれを生で見れたんだぁ」と言われるレベルなのは判るが、欧州サッカー批評と一緒に読むとちょっと・・。



それより、この号の白眉はミカミカンタ、木村元彦、海江田の3氏による記事だ。ここ最近、サッカー批評はジャーナリズム的素養が強くなっているのだが、、この3本は正にジャーナリズム炸裂!東電、Jヴィレッジ、震災・・それを全て結びつけるフットボールを丹念な取材で追う木村氏、完全に伏魔殿化しているJFAの体質や組織の矛盾点をしっかりと突き、下手なアクション小説よりドキドキするミカミ氏の田嶋専務理事へのインタビュー。日本代表でありながらヤタカラスを背負う事の出来ない代表チームを追う海江田氏の記事。



どれも、取材対象の選定と良い、しっかりと地に足のついた取材と良い、ジャーナリストとしてのポリシーと良い・・正に良記事。優れた読み物で1度読んで色々と考え・・考えてはもう1度記事を読んで考える。日本がバルサを超えるよりもっと知らなければならない事、考えなければならない事があるんだと思える良本!



そして、今回のトリはこれ!

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最近、競技場や練習場で仲良くさせて貰っているミスミさんに貰った「サッカーダイジェストワールドカップ特集本!!」。俺が最も好きな時代の3冊だ。めくるだけで憧れ続けた俺にとっての伝説が・・。ネットも海外フットボールの放送もなかった時代・・不便だったからこそ美しく、楽しく、幻想的だったフットボールがここにはある。しっかり読み込んだり、写真を眺めたり・・多分、無人島に本を持っていけるなら俺はこれらを持っていく!!



ミスミさん、ありがとう。



  

Posted by 藤原 裕久(KLM)  at 22:54Comments(3)書籍・雑誌